Música

15年以上、ピアノの演奏者、講師。これまでの経験知識を、誰かが役立ててくれるようnot…

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15年以上、ピアノの演奏者、講師。これまでの経験知識を、誰かが役立ててくれるようnoteに。趣味と特技は複数の外国語。音楽、教育関連を中心に、海外メディアからも紹介していきます。スペイン語ブログhttps://wakanaaa.blogspot.com/

最近の記事

暇を持て余すのは何故か 楽器はいかが?

「暇だ」とか「やることがない」が口癖の人々がいる。これは何かに没頭する喜びを知る人々にとって、理解し難い感覚なのではないかと思う。時間がいくらあっても足りないくらい夢中になるものがある人々がいる一方、常に暇を持て余す人々がいるというのは不思議な感じがする。思うに、自分が主体となって、何かに能動的に取り組むとき、人間は暇など感じなくなるはずだ。常に受動的で、あわよくば何か面白いことが降ってこないかという姿勢でいるから、暇なのである。 これは何をやるかという問題ではなく、能動的

    • 消費ではない創造の楽しみ 楽器演奏の醍醐味は

      今、どちらかというと、受動的な娯楽がメインとなっている。既に存在するもの、提供されるものを、消費するというスタイルである。動画視聴、音楽鑑賞、スマホゲーム、ネットショッピングなどなど、能動的に何かを作り出して楽しむという作業が少なくなっている。 無論これらもやり方によっては能動的になり得る。複数の動画を継続的に視聴して、動向を分析したりすれば、それは単なる消費ではなくなる。しかしながら、大部分はなんとなく暇つぶしに、ということが多いのではないかと想像する。何が何でもそれに対

      • 演奏会にもおすすめ 弾き易く且つ弾き映えするクラシックピアノ曲

        ピアノは他の楽器に比べて、大変多くの独奏曲がある。これは恵まれているとも言えるが、選択肢が広い分、逆に曲探しに手間取ることもある。今回は、頑張れば初級上程度、中級者なら苦労なく弾ける、弾き映えするクラシックピアノ曲のおすすめである。演奏会などの参考になれば幸いである。ただし、コンクールはテクニックをいかに魅せるかという別の観点から選曲が必要になるため、あくまでも一般向けという視点である。 弾き映えとはどういうことかというと、一曲の中に音楽的ドラマがあるということ。ピアノとい

        • 多くの作品を短期間弾くか、少ない作品を長期間弾くか

          楽器演奏をする時、練習する時、上達を目指す時、レパートリーを維持する時、習い事であれ、独学であれ、趣味であれ、プロフェッショナルであれ、必ず一度は考えると思われる点について書いてみる。 時間は有限である。ひとつの作品を演奏するには必ずその分の時間が必要だ。難易度が高ければ、練習時間もそれなりに必要だ。そのため、数多くの作品を弾こうと思えば、必然的に一曲にかける時間は短くなる。逆にひとつひとつに時間をかければ、少ない作品しか弾くことは出来ない。 楽器演奏は、一度練習して完成

        暇を持て余すのは何故か 楽器はいかが?

        • 消費ではない創造の楽しみ 楽器演奏の醍醐味は

        • 演奏会にもおすすめ 弾き易く且つ弾き映えするクラシックピアノ曲

        • 多くの作品を短期間弾くか、少ない作品を長期間弾くか

          ピアノ教室集客の手法とテンプレート5カ国語版

          今回は、ピアノ教室の生徒集めのための、実際的な方法とテンプレートを掲載。これからピアノ教室(または他の楽器でも)を始めようとしている方、新しくウェブサイトを作成し、生徒の幅を広げたいと考えている方、また5カ国語(日本語、英語、スペイン語、中国語、韓国語)で作成しているので、多国籍な生徒にアプローチしたい方にもお勧め。副業として検討中の方にも利用価値がある。 誰もが簡単にウェブサイトサイトを作成することができる今、無料で使えるサービスを使用しない手はない。ただ、ウェブサイトも

          有料
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          ピアノ教室集客の手法とテンプレート5カ国語版

          一度弾けた曲が弾けなくなっても、残るもの

          楽器演奏は日々鍛錬の連続で、これを怠ると、一度流暢に演奏出来た曲でも、弾けなくなってしまう。しかしだからと言って、その練習や経験が無駄になる訳ではない。今回は、苦労してマスターした曲が例え弾けなくなったとしても、そこから得られるもの、残るものについて、技術的側面から書いてみる。 例えば、左手に音域の広いアルペッジョが多い曲(ロマン派などに多い)を練習したとすれば、その曲自体が弾けなくなっても、似たようなアルペッジョの曲は、次からずっと楽に弾くことが出来る。手の返しやくぐりが

          一度弾けた曲が弾けなくなっても、残るもの

          トリルの指使いに関する考察

          今回は、ピアノを弾く際のトリルについて深掘りする。トリルとは、2音(重音で3音、4音の場合もたまにある)を、2本(または音数に応じた指数)の指を使って素早く交互に弾くことで、記譜上は、通常tr.またはtr.〰で表記される。中級以上の曲には頻繁に登場し、ピアニスティックな華やかさを添える。慣れるとほとんど労力も使わず、無意識に操作出来るのだが、最初はコツが掴めない場合があるかもしれない。 手の指は構造上、親指とその他の指に分けられる。これは物を掴むときを思い浮かべれば、その機

          トリルの指使いに関する考察

          どこまで完成度を求めるか 

          音楽の演奏は、常にただ一度きりのものであり、同じものは二度と再現出来ない。そして演奏能力も、形あるもののように保存することは不可能である。録音録画は可能だが、演奏能力自体がいつまでも維持できる訳ではない。つまり、完成形というものが存在しないのである。レパートリーにしている曲であっても、毎日変動し、明日は今日より納得がいくのか、今日が頂点なのか、本人にも予想はつかない。 一度はほとんどパーフェクトに弾けた曲なのに、しばらく遠ざかっていたら、全然弾けなくなってしまったという経験

          どこまで完成度を求めるか 

          ピアノ練習時の疲労を分析

          楽器は体を駆使して演奏するものなので、全く疲れないということはない。少なくとも、パソコン作業をしたり、机に向かって勉強したりするよりは、ずっとエネルギーを消費する。頭も体も満遍なく使うし、何より高度な集中力が必要だからだ。但し、2、3時間程度で筋肉痛になるとか、一点が痛くなるという場合には、やはりどこかに不要な力がかかっており、無理な弾き方になっていると考えられる。人の体はひとつひとつ違う上、他人の感覚を共有することは不可能なので、この無理な体の使い方の原因や改善法を探るのは

          ピアノ練習時の疲労を分析

          外国語学習と語学試験の盲点

          あまり音楽と関係ないのだが、音環境に関する考察ということで、常々感じている外国語学習、とりわけ音声試験の盲点について、考えを書く。 外国語を学ぶには無数の方法があり、どれが合うかは人それぞれだ。また、要求される分野にもよる。瞬時に通訳出来るような音声コミュニケーション重視なのか、アカデミックで専門的な文章作成能力が必要なのか。もちろん目標がそこまで高くない場合もあると思うが、能力の証明として、様々な語学検定試験を受けることは、語学習得の過程において王道と言っても良いくらい、

          外国語学習と語学試験の盲点

          管弦楽器声楽の皆様へ ピアノ伴奏を依頼するときにお願いしたいこと

          今回はソリストがピアノ伴奏を依頼する際に、伴奏者側からお願いしたいことを書く。身近な伴奏者に頼む時、是非思い出して頂きたい。 1、曲目を変更するくらいなら、完全に決定してから楽譜を頂きたい。 伴奏ピアニストは、渡された楽譜を初見ですぐ弾ける人が多いが、だからと言って練習しない訳ではないし、本番で、わざわざ初見で弾きたいと思う人はいない。依頼されたものは丁寧に譜読みをし、ソロ楽器がより魅力的に聴こえるよう、様々な工夫を考える。それなりに時間を費やして準備する。変更するくらいな

          管弦楽器声楽の皆様へ ピアノ伴奏を依頼するときにお願いしたいこと

          Silvio Rodriguezの音楽

          キューバのシンガーソングライターにSilvio Rodriguezという、超有名な人がいる。自国は元より、ラテンアメリカ圏全体に広く知られており、長い音楽人生で多くの曲を生み出した。彼は作曲し、歌詞を書き、ギターを弾きながら歌う。音楽は秀逸で、ギターの腕前も素晴らしく、美しい隠喩が散りばめられた歌詞は、虜になる。 数年前、キューバに滞在した時も、通りで、公園で、泊めてもらった家で、たくさんの人が彼の音楽を演奏しているのを聴いた。Playa Girónという場所を歌った曲があ

          Silvio Rodriguezの音楽

          速いパッセージで躓いた時に修正すること

          ピアノを弾いていると、どうしても速いパッセージが上手く弾けないということがあるものだ。そんな時は、闇雲に同じことを繰り返しても、手が疲労するだけで、時間が無駄になる。何をどう見直せば、効率的に、短時間で弾きこなせるようになるか、考えてみる。 前提として、どれほど複雑で、入り組んだ音型の連なりでも、最小単位まで分解すると、必ず基本テクニックで弾ける音型となる。弾けない弾けないと言っている場合、まだ分解が足りない。試しに、隣り合う2音だけ弾いてみると、簡単に弾けるはずだ。 部

          速いパッセージで躓いた時に修正すること

          ピアノ伴奏に関しての備忘録

          先日、コンクールで4人伴奏した翌日、別のコンクールを聴きに行くという、ピアノ伴奏について考えるのにもってこいの機会があったため、改めて思うところを記しておく。 コンクールというのは、往々にして、出場者の曲が被る。これは、いわゆるコンクール映えする、上位を狙える曲というのが、ある程度限られているということもあるし、存分にテクニックや表現力を披露できる曲を選ぶと、どうしても同じような曲になってしまうという、仕方のない面もある。 こういった状況から、コンクールでは同じ曲を、続け

          ピアノ伴奏に関しての備忘録

          メキシコ映画”Ruido”

          メキシコへ短期留学に行ってきた。メキシコとの付き合いは10年以上、スペイン語との付き合いも長く、幸運にも50時間の個人授業をみっちり受けることが出来た。社会問題やその歴史的背景など、多岐にわたるテーマについて、毎日先生達と意見を交わし、単に語学の習得に留まらない、非常に充実した時間だった。 後半の授業でメキシコ映画を鑑賞し、その要約や批評を書くという課題があったのだが、この映画が非常にインパクトがあったので紹介する。原題はRuidoといい、2022年制作、「ざわめき」という

          メキシコ映画”Ruido”

          プロセスが楽しいから楽器を演奏する

          楽器の習得というのは地味で地道なもので、ものの弾みで出来るようになるとか、ある日突然マスター出来るとかいうものではない。それなりの腕前になるには、日々の鍛錬が欠かせないし、さぼっていると、一度出来るようになったことも、たちまち衰えてしまう。 あれだけ練習してマスターした曲が、しばらく離れていたら、演奏出来なくなってしまった、というのはよく聞く話で、これはプロ・アマチュア問わず、頻繁に起こる現象だ。だからレパートリーにしておくべき楽曲は、練習を欠かせない。ステージ上で軽々と演

          プロセスが楽しいから楽器を演奏する