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ピアノ伴奏の手引き 本番前の合わせ練習で確認すべきこと
今回は、ピアノ伴奏に的を絞り、ソリストとの練習で必須と思われることを書く。
ピアノ伴奏はほぼあらゆる楽器、声楽や合唱に必要とされるので、必ず需要がある。特に目的を決めず、アンサンブルの経験それ自体を楽しむこともあるが、今回は本番のための合わせ練習という前提で書く。
本番前に何回練習するかは、ソリストとの相談によるが、おそらくそこまで回数はかけられないという場合が多いと思う。お互いごく近所に住ん
暇を持て余すのは何故か 楽器はいかが?
「暇だ」とか「やることがない」が口癖の人々がいる。これは何かに没頭する喜びを知る人々にとって、理解し難い感覚なのではないかと思う。時間がいくらあっても足りないくらい夢中になるものがある人々がいる一方、常に暇を持て余す人々がいるというのは不思議な感じがする。思うに、自分が主体となって、何かに能動的に取り組むとき、人間は暇など感じなくなるはずだ。常に受動的で、あわよくば何か面白いことが降ってこないかと
もっとみる消費ではない創造の楽しみ 楽器演奏の醍醐味は
今、どちらかというと、受動的な娯楽がメインとなっている。既に存在するもの、提供されるものを、消費するというスタイルである。動画視聴、音楽鑑賞、スマホゲーム、ネットショッピングなどなど、能動的に何かを作り出して楽しむという作業が少なくなっている。
無論これらもやり方によっては能動的になり得る。複数の動画を継続的に視聴して、動向を分析したりすれば、それは単なる消費ではなくなる。しかしながら、大部分は
演奏会にもおすすめ 弾き易く且つ弾き映えするクラシックピアノ曲
ピアノは他の楽器に比べて、大変多くの独奏曲がある。これは恵まれているとも言えるが、選択肢が広い分、逆に曲探しに手間取ることもある。今回は、頑張れば初級上程度、中級者なら苦労なく弾ける、弾き映えするクラシックピアノ曲のおすすめである。演奏会などの参考になれば幸いである。ただし、コンクールはテクニックをいかに魅せるかという別の観点から選曲が必要になるため、あくまでも一般向けという視点である。
弾き映
多くの作品を短期間弾くか、少ない作品を長期間弾くか
楽器演奏をする時、練習する時、上達を目指す時、レパートリーを維持する時、習い事であれ、独学であれ、趣味であれ、プロフェッショナルであれ、必ず一度は考えると思われる点について書いてみる。
時間は有限である。ひとつの作品を演奏するには必ずその分の時間が必要だ。難易度が高ければ、練習時間もそれなりに必要だ。そのため、数多くの作品を弾こうと思えば、必然的に一曲にかける時間は短くなる。逆にひとつひとつに時
ピアノ教室集客の手法とテンプレート5カ国語版
今回は、ピアノ教室の生徒集めのための、実際的な方法とテンプレートを掲載。これからピアノ教室(または他の楽器でも)を始めようとしている方、新しくウェブサイトを作成し、生徒の幅を広げたいと考えている方、また5カ国語(日本語、英語、スペイン語、中国語、韓国語)で作成しているので、多国籍な生徒にアプローチしたい方にもお勧め。副業として検討中の方にも利用価値がある。
誰もが簡単にウェブサイトサイトを作成す
一度弾けた曲が弾けなくなっても、残るもの
楽器演奏は日々鍛錬の連続で、これを怠ると、一度流暢に演奏出来た曲でも、弾けなくなってしまう。しかしだからと言って、その練習や経験が無駄になる訳ではない。今回は、苦労してマスターした曲が例え弾けなくなったとしても、そこから得られるもの、残るものについて、技術的側面から書いてみる。
例えば、左手に音域の広いアルペッジョが多い曲(ロマン派などに多い)を練習したとすれば、その曲自体が弾けなくなっても、似
トリルの指使いに関する考察
今回は、ピアノを弾く際のトリルについて深掘りする。トリルとは、2音(重音で3音、4音の場合もたまにある)を、2本(または音数に応じた指数)の指を使って素早く交互に弾くことで、記譜上は、通常tr.またはtr.〰で表記される。中級以上の曲には頻繁に登場し、ピアニスティックな華やかさを添える。慣れるとほとんど労力も使わず、無意識に操作出来るのだが、最初はコツが掴めない場合があるかもしれない。
手の指は
どこまで完成度を求めるか
音楽の演奏は、常にただ一度きりのものであり、同じものは二度と再現出来ない。そして演奏能力も、形あるもののように保存することは不可能である。録音録画は可能だが、演奏能力自体がいつまでも維持できる訳ではない。つまり、完成形というものが存在しないのである。レパートリーにしている曲であっても、毎日変動し、明日は今日より納得がいくのか、今日が頂点なのか、本人にも予想はつかない。
一度はほとんどパーフェクト
外国語学習と語学試験の盲点
あまり音楽と関係ないのだが、音環境に関する考察ということで、常々感じている外国語学習、とりわけ音声試験の盲点について、考えを書く。
外国語を学ぶには無数の方法があり、どれが合うかは人それぞれだ。また、要求される分野にもよる。瞬時に通訳出来るような音声コミュニケーション重視なのか、アカデミックで専門的な文章作成能力が必要なのか。もちろん目標がそこまで高くない場合もあると思うが、能力の証明として、様
管弦楽器声楽の皆様へ ピアノ伴奏を依頼するときにお願いしたいこと
今回はソリストがピアノ伴奏を依頼する際に、伴奏者側からお願いしたいことを書く。身近な伴奏者に頼む時、是非思い出して頂きたい。
1、曲目を変更するくらいなら、完全に決定してから楽譜を頂きたい。
伴奏ピアニストは、渡された楽譜を初見ですぐ弾ける人が多いが、だからと言って練習しない訳ではないし、本番で、わざわざ初見で弾きたいと思う人はいない。依頼されたものは丁寧に譜読みをし、ソロ楽器がより魅力的に聴こ
Silvio Rodriguezの音楽
キューバのシンガーソングライターにSilvio Rodriguezという、超有名な人がいる。自国は元より、ラテンアメリカ圏全体に広く知られており、長い音楽人生で多くの曲を生み出した。彼は作曲し、歌詞を書き、ギターを弾きながら歌う。音楽は秀逸で、ギターの腕前も素晴らしく、美しい隠喩が散りばめられた歌詞は、虜になる。
数年前、キューバに滞在した時も、通りで、公園で、泊めてもらった家で、たくさんの人が
速いパッセージで躓いた時に修正すること
ピアノを弾いていると、どうしても速いパッセージが上手く弾けないということがあるものだ。そんな時は、闇雲に同じことを繰り返しても、手が疲労するだけで、時間が無駄になる。何をどう見直せば、効率的に、短時間で弾きこなせるようになるか、考えてみる。
前提として、どれほど複雑で、入り組んだ音型の連なりでも、最小単位まで分解すると、必ず基本テクニックで弾ける音型となる。弾けない弾けないと言っている場合、まだ
ピアノ伴奏に関しての備忘録
先日、コンクールで4人伴奏した翌日、別のコンクールを聴きに行くという、ピアノ伴奏について考えるのにもってこいの機会があったため、改めて思うところを記しておく。
コンクールというのは、往々にして、出場者の曲が被る。これは、いわゆるコンクール映えする、上位を狙える曲というのが、ある程度限られているということもあるし、存分にテクニックや表現力を披露できる曲を選ぶと、どうしても同じような曲になってしまう
メキシコ映画”Ruido”
メキシコへ短期留学に行ってきた。メキシコとの付き合いは10年以上、スペイン語との付き合いも長く、幸運にも50時間の個人授業をみっちり受けることが出来た。社会問題やその歴史的背景など、多岐にわたるテーマについて、毎日先生達と意見を交わし、単に語学の習得に留まらない、非常に充実した時間だった。
後半の授業でメキシコ映画を鑑賞し、その要約や批評を書くという課題があったのだが、この映画が非常にインパクト