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いたかもしれないタコ図鑑 no.2 ノウエンダコ

ノウエンダコは約700万年前から500万年前まで生息していたかもしれないタコである。タコなので化石は見つかっていない。

ノウエンダコの最大の特徴は、海藻を栽培することである。栽培の目的は以下4つである。
1 食料となる魚をおびき寄せるため
2 自分の身を隠すため
3 非常時に食べるため
4 卵を産み付けるため

最大の目的が魚を呼ぶためである。ノウエンダコは好みがうるさく、個体によって好きな魚が異なる。よって、ノウエンダコが栽培する海藻も好みの魚によって変わるので、栽培する海藻の種類も決まっていない。また、栽培していることが魚にバレてはいけないので、違和感を持たれないように気を使って海藻を並べる。人間の目には自然に生えているようにしか見えないが、ノウエンダコ同士ではなぜか誰が植えた海藻かがわかるらしい。

栽培した海藻の範囲がそのまま縄張りになる。よって、畑の範囲が広ければ広いほど縄張りが広がるのだが、一匹だけで管理するとなると限界があるので、たいていは皆同じくらいの面積の縄張りになる。中には卑怯なノウエンダコもいて、他のノウエンダコが栽培している海藻の中に自分がほしい海藻を見つけると盗んでしまうこともある。もちろん見つかると喧嘩が始まる。他人の海藻を盗むノウエンダコは何故か年をとった個体が多い。

天敵は海藻を食す生き物達である。特にブダイの仲間は幼虫である。ブダイの仲間はすごい勢いで海藻を食べてしまうので、姿を見かけたらご近所同士が一丸となってブダイ退治に乗り出す。このときは協力しあうことが多い。

大変繁栄していた種だったが、500万年前の地磁気逆転による温度環境の変化により絶滅してしまつた。非常に残念である。

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