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L’Arc-en-Cielの音楽の魅力を7つのジャンルでご紹介 〜第七弾 抵抗編〜

L’Arc-en-Cielの魅力を7つのジャンル(恋愛、愛情、哀愁、愛執、運命、未来、抵抗)でご紹介する本シリーズ、最終回の第七弾は抵抗編です。周りの理不尽な人たちや、現状に抵抗する曲をピックアップしています。

L’Arc-en-Cielはジャンルにとらわれないバンドだと思いますが、今回ピックアップした7曲からは、彼らの「ロックバンド」としての一面を垣間見ることができます。何かに抵抗する曲なので、「抗議文」という形で解釈してみました。

では、さっそく見ていきましょう!


抵抗編

Round and Round

(作詞:hyde 作曲:hyde)

社会への抗議文
【子供じみた大人ばっかりの社会がぐるぐる回っとってしんどいわ】

心の痛みを知らん子供みたいな大人は嫌いや。自分の頭をぶつけるくらいのことがない限り、傷付けるのをやめへんからな。ほんまに、今まで一体何を教わってきたんや?痛みがわかるようになるまで、こっちへ来んといてくれ。

あんたの世界は全然理解できへん。救いようのないほど歪んどるわ。
笑えもせんし、知性もないようなお遊びをしとるけど、そんなくだらんとこから出る方法がわからへんのやったら、ママに聞いてみたらえぇんちゃう?(きっとあんたは自分ではわからんやろからな)

この社会は、自然の上に造られてビカビカ光って、壊れたまま僕らを乗せてぐるぐる回ってるんや。その歪みの連鎖反応はもう止められへん。

僕らは大切な人のことを想ったり、穏やかな気持ちに満たされたりするけど、
この社会は、自然の上に無機質に造られてビカビカ光って、壊れたまま僕らを乗せてぐるぐる回ってるんや。危ないこともいっぱいあるけど、そんな中でも明日へ進んで行かなあかん。おかしくなってまいそうなほどぐるぐる回ってるこの社会で、歪みの連鎖反応はもう止められへんからな。

Peeping Tom

(作詞:hyde 作曲:hyde)

マスコミや一部のファンへの抗議文
【覗き魔さんへ】

明日晴れたら、何も気にせんと恋人手を繋いで、一緒に外へ行きたいんよ。

…あんたら、会ってもないのに、何で僕のこと何でも知ってんの?こっちは何もしゃべっとらんのに。朝起きる時間とか、眠れへん夜のこととかまでお見通しってマジかよ。うんざりするわ。もうすぐ夏が来んのに。マジでくだらんわ、何ちゅう悲劇や。

明日晴れたら、心が安らぐまで恋人と一緒にいたいんよ。えぇ季節が来るんやから、心ゆくまで楽しみたいわけよ。そやから、頼むから、もうちょっとそっとしといてほしいわ!

ほんまのことは耳元でそっと囁くくらいにしとくわ。開き直らんとやってられへんからな。あんたら、影みたいに、地球の果てまで僕について来るつもりなん?イライラするわ。そんな気分でいるのも嫌やから、心を鎮めるために雨の音を聞いたんや。

明日晴れたら、何も気にせんと恋人と手を繋いで、一緒に外へ行きたいんよ。心が安らぐまで恋人と一緒にいたいんよ。
…あんたら、先入観に凝り固まった目で見てたら、ほんまのことなんか何もわからんようになるで。そやから、頼むから、もうちょっとそっとしといてほしいわ!

HEAVEN’S DRIVE

(作詞:hyde 作曲:hyde)

マスコミへや一部のファンの抗議文
【しつこいあんたらから逃れて楽園へ行きたい気分や】

まだ満足せぇへんのかい?次は何が欲しいんよ?罪の意識もないあんたらの飢えた欲望に、骨まで食われそうやわ。ほんまに、ほっといてくれよ!

あんたら、こっちがあんまり知られたくないようなことを取り上げて、苦しんでるのを見るのが好きなんやろ。カメラのレンズの向こうでいやらしくこっちを見てるあんたらに弄ばれて、自由のない囚人みたいな気分になるわ。

壊れそうなほどのスピードで連れ去って欲しいわ。世界に火をつけてしまいたいくらいや。楽園へ行きたいわ。もう、明日はどうなってもえぇから、今夜は笑いあかそうか。あんたらみたいなモンがおる場所から抜け出すための、新しい箱舟に乗ってな。

あんたらに身体が毒されていってるわ…あんたらの捕虜みたいなもんや。悪夢ばっかり増えてもうて、誰も手に負えんわ。

眩しいくらいの日差しに恋焦がれてるんよ。全部吹き飛ばして、楽園へ行きたいわ。しつこいあんたらに足を引っ張られて、変なこと報道されて罰を受ける前に、新しい箱舟で恋人と自由にどっかへ行ってまいたいわ。とにかく、世界は生まれ変わるんや。

壊れそうなほどのスピードで連れ去って欲しいわ。世界に火をつけてしまいたいくらいや。楽園へ行きたいわ。もう、明日はどうなってもえぇから、今夜は笑いあかそうか。新しい箱舟に乗って…さぁ、カギを手にして駆け出すんや。あんたらみたいなモンがおる場所から抜け出すための、新しい箱舟に乗ってな。

Perfect Blue

(作詞:tetsuya 作曲:tetsuya)

マスコミへの抗議文
【めっちゃ天気えぇのにあんたらのせいで外にも出れへんわ】

めっちゃ天気が良いから外へ行きたいけど、この街には僕のことを隠し撮りして逃げていくような奴らがいっぱいおる…いったい、あんたは誰や?

あんた、ヘラヘラ笑ってるけど、その裏でやってることの罪深さを全然わかってへん。同じ目に遭わんと、これっぽっちもわからんのか?

しかも、あることないこと記事にして金儲けしてるんやろ。吐き気がするわ。
何ちゅうか、そのルールを無視してる感じは、赤信号でも猛スピードで突っ切っていくサンデードライバーみたいやで。

あんた、ヘラヘラ笑ってるけど、その裏でやってることの罪深さを全然わかってへん。同じ目に遭わんと、これっぽっちもわからんのか?

僕にできることは、中指を立てることくらいやで。

あんた、ヘラヘラ笑ってるけど、その裏でやってることの罪深さを全然わかってへん。同じ目に遭わんと、これっぽっちもわからんのか?
何ちゅうか、僕らはバンドとしてあんたらにネタを提供してんのに、恩を仇で返すようにプライベートまで狙いにくるっちゅうのは、まるで飼い犬に手を噛まれてるみたいな気分やわ。…気付いたらもう、周りは視線だらけや。おいおい、ここは動物園ちゃうんやで。

bravery

(作詞:tetsuya 作曲:tetsuya)

一部のファンへの抗議文
【あんたらには真実を知る勇気がないんよ】

言葉ってどうしても足りん部分があるから、どれだけ伝えようとしたって、ほんまのことは伝わらへん。あんたらに優しくするだけやったら、バンドとして守らなあかん部分を守れなくなるし、その反対に、バンドとして正しくあることだけにこだわってても、その辺の深い意味はあんたらには伝わらへん。

写真撮られる時は笑顔にするけど、そんなん作り笑顔やし、笑顔の下に隠してる気持ちなんか絶対わかれへんやろ。

だから、「昔は良かった」なんて言わんといてくれ。あんたら、あの頃の何を知ってるって言うんや?そんな言葉、これからもずっと言わんといてくれ。そんなこと言って、俺らの世界を壊さんとってくれ。わかる?あんたら、「今はあんまり良くない」って思ってるんやろうけど、俺らの音楽を聴いてたいって望んだのはあんたらやし、俺らがそれに応え続けて「今」の形になってるわけやん。つまり、あんたらが「今はあんまり良くない」って思ってる「今」を望んだのは、あんたらなんやで?

あんたら、俺らの綺麗な一面しか知らんやろし、そこだけ見て憧れて好きになってくれてるのかも知れへん。そやから、俺らの心の傷みたいなモンはわかれへんと思う。

あんたらが信じたいと思ってることは、真実ちゃうんやで。それにいつまでもしがみついて、真実から目を背けてるから、何かモヤモヤした気持ちになってるんちゃうん?そんな何もかも上手くいってるような人なんか、おらんできっと。そんなん、あんたらが勝手に作った世界やろ。

あんたら、「昔は良かった」なんて言うけど、いったい何を見てきたって言うんや?それに、ほんまに見てきたような顔して何でも言うけど、表の部分しか見てないあんたらに何がわかるっちゅうんや?本当のことなんか絶対言うわけないやん。

今の俺らのことが気に入らんのやったら、ついて来なくてもえぇし、見なくてもえぇんやで。邪魔せんといてほしいんよ。俺らの決めたことなんやから。

だから、「昔は良かった」なんて言わんといてくれ。あんたら、あの頃の何を知ってるって言うんや?ほんまに、そんな意地悪なことばっかり言わんといてくれ。俺らが選んだ道が間違ってるんやったら、人気なくなってもうバンドとして残ってないはずやろ?あんたらには、真実を知る勇気がないんよ。

いろいろ言うたけど、あんたらは俺らを支えてくれてるし、俺らも音楽であんたらを楽しませるつもりやで。

STAY AWAY

(作詞:hyde 作曲:tetsuya)

現状への抗議文
【僕を汚すくらいやったら、あっちへ行ってくれ】

いろいろあったけどそこから抜け出して、僕は自由を手に入れたんや。あえて言うなら、運が良かったんやと思う。

敷かれたレールに沿ってどこまで行けるっちゅうんや。(そんなん無理やろ)
そやから、そこから抜け出せたのは運が良かったんやと思うわ。

同じことを繰り返すような未来には興味ないんよ。あんたの未来は、僕が向かってる方向とは別。あっちの方やで。さぁ、あんたは自分に挑戦したら?

俺らを汚すくらいやったら、あっちへ行ってくれ。

新しいことに挑戦する機会っちゅうのは誰にでも平等なんやから、僕のやることにうるさいこと言わんといてな。気分が沈んでまうから。…たぶん僕は運が良かったんやと思うわ。

しつこく絡みついてくる奴らにはもう、うんざりなんよ。影踏みみたいに僕の影を追いかけるのはやめて、さぁ、あんたは自分に挑戦したら?

僕を汚すくらいやったら、あっちへ行ってくれよ、すぐに。僕を悩まさんとってくれ。

生まれながらにして僕は、無法状態みたいに自由なんよ。石ころを蹴って転がっていく方へ進んでいく感じで、僕は自分に挑戦するわ。

僕を汚すくらいやったら、あっちへ行ってくれよ、すぐに。

浮かぶ雲みたいに、誰も僕のことを掴むことなんかできへん。何もかも壊して、自由の元に生まれたんやから。

Killing Me

(作詞:hyde 作曲:hyde)

現状への抗議文
【もう耐えられへんねん】

ちょっと手を伸ばしたら栄光をつかめるんかも知れんけど、それもいつか終わるわけで、何か、俺がほんまに実現したい夢が無駄になってるような気がするわ。

正直、何処へ向かうんか全然知らんけど、爆音を出しながら夜を明かしてる。

でも、胸に空いた風穴はもうどうしようもないんよ。愛情をもらったとしても、零れ落ちてしまう感じやわ。

もう耐えられへんねん。この気持ちを癒すために、壊れそうなくらいの甘い口づけでもしてくれ。きっとこの状況は変われへんと思うけど、誰か、止めてくれへんかな。あんたの口づけにいつまでも溶けてたいわ。あんたが口づけをやめて目を開けたら、また耐えられなくなりそうやから、いっそのことそのまま目を開けんと、口づけしたままでいてほしいわ。でももう時間切れや。

大義名分みたいなモンもあるんやろうけど、それで地の果てまで塗りつぶたらえぇんちゃうん?俺はもう、そんなん知らんフリして、無邪気に笑っとくわ。俺の未来は誰かの指先で転がされてるみたいやわ。

もう耐えられへんねん。この気持ちを癒すために、壊れそうなくらいの甘い口づけでもしてくれ。きっとこの状況は変われへんと思うけど、誰か、止めてくれへんかな。

俺は俺で、いつまでも変わらん愛情を与えてくれる人たちを見つけたから、
現状にもう耐えられへんねん。この気持ちを癒すために、壊れそうなくらいの甘い口づけでもしてくれ。きっとこの状況は変われへんと思うけど、誰か、止めてくれへんかな。

あんたが俺の傍から居なくなる前に、この気持ちを癒すために、壊れそうなくらいの甘い口づけでもしてくれ。あんたの口づけにいつまでも溶けてたいわ。あんたが口づけをやめて目を開けたら、また耐えられなくなりそうやから、いっそのことそのまま目を開けんと、口づけしたままでいてほしいわ。でももう時間切れや。

いかがだったでしょうか?以上7曲が、現状に抵抗するL’Arc-en-Cielの歌でした。
作詞者、作曲者を見ると、hydeとtetsuyaが大活躍でしたね。

今回で、このシリーズも最終回です。L’Arc-en-Cielについて、合計49曲取り上げていろいろお話ししてきましたが、結局言いたいことは一つです。それは、「L’Arc-en-Cielの曲はとても魅力的で素晴らしい」ということです。

このシリーズが、初めてL’Arc-en-Cielを知る方にとってはその手引きとして、長年のファンの方にとっては「そういう解釈もあるんだ」という読み物として、楽しんでいただけたなら幸いです。

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最後まで読んでいただいて、ありがとうございます!