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2分で読める子育てエッセイ№827『それがなくなった分』

成長を感じたまさかの瞬間。制服のスカートのアレ。

小6の娘の卒業式を無事に終え帰宅した。
「いい式だったね」
とワイワイやっているワタクシとダンナが普段着に着替える横で、主役の娘はいつまでもなかなか着替えない。
今日が最後になる小学生の制服だから、気持ちは分からんでもない。
「たーくさん写真を撮ったし、両方のおじいちゃんとおばあちゃんにも送ったよ。そろそろ着替えてごはんにしよう」
とワタクシ声をかけた。
「う~ん」
と、なにか気になっている様子の娘。
「小学校の制服、名残惜しい? でも安心して、中学校も同じような形のスカートですから!」
箱ひだスカートのアイロンがけをワタクシがもう数年するの? 自分でやればいいよ、教えるよ? と、ほんのちょっぴり恨み言を込めて娘に言うと、娘はちょっぴり笑ってこう返事した。
「そうなんだよね~、色合いも形も似ているし、変わり映えしないんだけど・・・」
こんどはニヤッと笑ったかと思ったら、娘はこう言った。
「知ってる? 中学校のスカートになると、まる子ちゃん卒業なんだよね~」
何のことかと思いポカンとしていると、娘がこう続けた。

「中学校の制服、吊りスカートからふつうのスカートにランクアップだよ? ほら小学生のまる子ちゃん、吊りスカートでしょ?」

え! ・・・あっ!

「もう、私、スカートを吊らなくても大丈夫だから。それがなくなった分、成長したってことだよね」

あ! 本当だ。まる子ちゃん吊りスカートだ!
気が付かなかった~、と娘の言葉にうんうんとうなずいていると、娘がサラッとこう言った。
「その分アイロンがけが減るね! お母さん、もう6年間、スカートのアイロンがけお願いしま~す」
そう爽やかに言い切って、さっさとどこかに消えていった。

もしかしてそれが言いたくて、着替えをせずに待ってたの?
もしかして、うんうん、のタイミングを見計らってたの?
ひょーっ! 
ワタクシ、メッチャ油断しすぎたことに気がついた。

吊りスカート・・・。卒業おめでとう。




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