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エンジニアだった彼、メルボルンでマーケットのスタッフになるの巻

大学を卒業してエンジニアとして就職した彼は、出会った当初から「エンジニアの仕事が好きなのかどうか分からない…」と言っていた。

アメリカで働いていた頃は毎日同じことの繰り返しで自分が成長しているのかどうか分からないと悩み、東京に来てからは満員電車と働き詰めに心がポキッと折れ、日に日に目が死んでいったため

それならいっそのこと全く違う仕事と全く違うライフスタイルを体験してみたらどう?

オセアニアのチルな地域で一緒に暮らしてみない?と提案したのは去年の夏のこと。

彼は、日本人オーナーが経営するマーケットのスタッフとして働くことになった。

器や豆皿、ハンドメイドの玉ねぎポン酢などを販売している可愛らしいマーケットだ。お寿司バーも併設されているらしい。

彼の仕事は仕入れた品物を運び、開封し、管理することとお店での接客。

日本人の常連さんからローカルのお客さんまで色んな人がやってくる場所らしい。

トライアルを無事に終えて

マーケットで働くことになった!!ってニマニマしながら報告してくれて

もらったばかりのエプロンとお店のTシャツを纏って得意げにポーズをキメている彼の姿を見て、私はとても嬉しくなった。

イキイキとした表情をしていたからだ。

接客業で人と関わることが多いことから

「今日は○○さんとこんな話をした」的なみやげ話を聞けるのも楽しい。

ゆくゆくは玉ねぎポン酢もみやげに持って帰ってくれたら嬉しい。


彼は7年前に私と出会った頃にはすでにエンジニアで、初デートには「あとで仕事するから」とノートパソコンを持参していたのが印象的だった。

アメリカは車社会で、日中は会社のビルの中にいるから太陽の下を歩くことがほとんどないと言っていたのも印象的で

在宅ワークの時は細長いゲーミングチェアに座って永遠にパソコンと向き合っていた。

そんなこんなで

窓からお日様が差し込むマーケットで、動き回りながら人と関わっている彼の姿がこれまでと真逆すぎるがゆえにあんまり想像つかないのだけど

180度違うからこそ毎日がフレッシュで、発見の連続なんじゃないかと思う。

この体験を機に人と直接関わるタイプの仕事っておもしろいなぁと感じるかもしれないし

あるいは

画面と向き合うタイプの仕事が実は合ってたんだなと気づくきっかけにもなるかもしれない。

今までの自分なら選ばなかった道を選ぶことで新たな自分や選択肢との遭遇があるだろうし

ありとあらゆる発見がありそうで、いい機会になるのではないだろうか。


彼はエンジニアの仕事からは一旦離れたものの、最近は趣味でサイト作りを楽しんでいる。

今年に入ってからワンピースのカードゲームに激ハマりしていて

戦略を立てるためのサイトが欲しいから自分で作ってみることにしたらしい。

1日の終わりに今日はここまで進んだと教えてくれて、完成したらカード仲間に使ってもらって、問題がなければリリースするそうだ。



「やらないといけない」を手放して

「やりたい」に少しずつ励むようになって

去年の夏に輝きを失いつつあった彼の目は

キラキラとした煌めきを取り戻した。


オーストラリアに来てよかったなと思った。

南半球のゆったりとした国。

平日に大人がビーチで日向ぼっこしている街。



ビルの代わりにヤシの木。



これまでいた場所とは全然違う場所で

全然違う仕事をして

全然違う人に出会って

全然違うライフスタイルを送ると

ああ、こういう生き方もあるんだなって知れる。

それは例えるならば

目の前に新たな道が1本追加されたような感じで

その道を選ぶか選ばないかはさておき

こんな道も、あんな道もアリなんだ

って思えることは

この先の人生で、大きなお守りになるだろう。

この道しかない

これしか知らない

だから引き続き進み続けるしかない

そう思うと

ときに窮屈で苦しくなってしまうから。


新しい経験をすることは

目の前に道を1本増やすこと。



ビザはまだまだ残ってる。

引き続き、お互い楽しもうぞ(^-^)



私はフィッツロイマーケットに行きました
タグがトランプなの最高

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