夏休みの思い出/小学校の木造校舎
「僕の昭和スケッチ」14枚目
夏の思い出…と言っても遠い日の夏休みの思い出だ。
ある朝、在所の従兄弟と魚釣りに行こうという事になった。ついては、従兄弟が裏の小学校で蜂の子を取って餌にすると良いと言う。岐阜県黒野村での事だ。
「刺されたらかなわん」と私が言うと、
「刺されはせん、秘技蜂の巣落としじゃ!」
と彼はにべもなく一蹴。
そして、どこからか細長い竹を持って来ると、それで蜂の巣をつつき始めた。
「落ちたら隠れるぞ、ハチに刺されるからの。じゃが、しばらくほっとけばハチはおらんようになるでな、そこが我慢じゃ」
そう言って、彼は高い木造校舎の蜂の巣をつつき始めた。
すると、驚いたことにあっという間に蜂の巣は地面に落下し、難なく餌は手に入ったのだ。恐るべし、秘技蜂の巣落とし。
そして、それを持って近くのミミズ川へ行き、蜂の子を付けた針を垂らすと…まさに入れ食い状態!
ウキの沈み方で水中で魚が狂ったように餌に飛びついているのが判った。
「どうや、このエサならアユでも食うぞ!」
と従兄弟は誇らし気に鼻をふくらませた(笑)
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