尺しゃくも短みじかき所ところあり、寸すんも長き所あり。

一尺は一寸よりも長いことは決まっている。しかし、その長い一尺のものも、長いがためにかえった役に立たないことがあり、短い一寸のものも、短いがためにかえって役に立つこともある。
人にはすべて長所短所があるが、その用い方によって善よし悪あしが決まるものである。（屈平くっぺい「卜居ぼっきょ」）
簷尹えんいんが屈原くつげんにいった言葉。

・屈原 → 前343年1月21日頃～前278年5月5日頃。中国戦国時代の楚の政治家、詩人。楚の将来に絶望して入水自殺。春秋戦国時代を代表する詩人。中国において詩が作者名を伴って記録、記憶されるようになったのは、屈原が出現してからのことである。
・簷尹 → ？
・尺寸 → 一尺は約30.3ｃｍ。一寸は約3.03ｃｍ。ちなみに、一分は約3mm。一厘約0.3mm。
・卜居 → 土地をうらなって住居を決めること。転じて、よい土地を求めて住居を定めること。また、その住居。