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子どもの依存には北風と太陽の視点を

こんにちは、心理士のなべたです。

この記事では、「ゲーム障害再考」という本に掲載されている、精神科医の子どもの依存症に関する記事を読んで、私が感じたことをまとめました。


子どもの依存の特徴

子どもの嗜癖というと、物質ではエナジードリンクのカフェイン依存、風邪薬などの市販薬依存、行動の依存では、ゲーム依存、SNS依存、あるいはリストカットをはじめとした自傷行為への依存などがあげられる。

精神科医 館農勝(一部改変)

ネットやゲームへの依存は、他の依存症と比べて一つ大きな違いがあります。それは、この問題に苦しむのが子どもたちが多いということです。

大人がアルコールや薬物、ギャンブルに依存する場合、仕事を失ったり、お金の問題が起きたり、大切な人との関係が壊れたりして、自分がどん底にいることを実感します。
そして、その体験を他の依存している人たちと語り合うことが回復の大事な道のりとなります。

しかし、子どもたちは自分の依存に気づいていないことが多いです。
そのため、目先の心配な行動にとらわれ過ぎず、なぜ子どもがゲームに依存する状態になったのか、その背景をじっくりと理解することが重要です。
子どもたちにとって最善のサポートを考えるためにも、全体の状況をしっかりと見極める必要があります。

減らすより増やす

依存症を専門にする先生が、その治療姿勢を示すために、イソップ童話の「北風と太陽」を引用した。ペアレントトレーニングの基本姿勢はそこに通じるものがあると思う。

精神科医 館農勝(一部改変)

発達障害のあるお子さんを持つ保護者を助けるために、ペアレントトレーニングという方法があります。
これは、お子さんが良い行動をしたときにそれを見つけて褒めることで、良い行動を増やし、お子さんの行動パターンを少しずつ良い方向に導くというものです。

例えば、ゲームの時間を減らすことばかり気にかけていると、うまくいかない焦りや、イライラが湧いてしまうと思う。
そのため、視点を少し変えて、ネットやゲーム以外の時間が増えて、気づいたら少しゲームの時間が減っていたくらいの取り組みがよいのかもしれません。

ここで、ネットやゲーム以外の時間を学習時間に置き換えるというのは非常に難しいことなので、漫画を読んでいるのも、絵を描いているのも依存をしていない時間である、と考えることが大切です。

急いで無理に変えようとするのではなく、太陽の温かさでゆっくりと変化を促すような心持ちが大切なのです。

このように、子どもの良い行動に焦点を当て、その行動を増やすことで自然と問題の行動が減っていくというという穏やかな視点が大事なのかもしれません。


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