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指導医の観察眼にあっぱれ!<嘘をついたのは、初めてだった>

「嘘をついたのは、初めてだった 講談社編🐾」

嘘をつくってどんな時だろう。
その場を誤魔化すために咄嗟についた嘘や、計画的につく嘘もある。

嘘の内容としては、浮気や殺人、窃盗などの事件ものから、日常の些細なことまで幅広くある。
どちらかと言うと嘘はマイナスな印象が大きいが、嘘をつくことによって雰囲気が和んだり、嬉しくなったりすることもあるだろう。

そのような嘘をタイトルとした作品が本作で、29人の作家が「嘘をついたのは、初めてだった」の一文から始める本作は、子どもから大人まで嘘をつく人たちが登場する短編小説である。

ちょっとした嘘が災いとなって事故につながること内容や、嘘の言葉であっても受け止める人にとっては幸せなひと時になる内容もあり作家たちの幅広い感性に驚かされる。

その中でも夏川草介さんの「死神の微笑」は、研修医が患者に自分の都合で嘘をつくことから始まる。
問題患者を転院するための嘘であるが、予想通り患者は納得しない。さぁ、どうしようという時に問題患者があることを発言し。。。

嘘をつくことはいけないと教えられたわたしたちであるが、
時により、ある方向に導く転換的な言葉にもなりえる、と気づかされる。

同席していた指導医の観察眼に”あっぱれ”と言いたい!😉✨



講談社

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