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「生きるために必要だった」ことありますか?寺地はるなさんの本

架空の犬と嘘をつく猫 著者:寺地はるなさん

またまた、寺地さんの本のご紹介です!

私はこの著者は素敵だと思うと、次々と同じ著者の作品を読む傾向がありますが今回も寺地さんの本を手に取りました。
ひと言で表すと、さすが寺地さん😊と心が満たされました。

寺地さんの小説に出てくる人物は、様々なタイプがいますが
それぞれの心情や背景がわかりやすく描かれていて、
「この人はどうして・・・」というような疑問は出てきません。

また、登場人物の名前も大きなカギになるのが寺地さんの特徴です。
今回の登場人物の名前は、山吹(男性)、紅(女性)、頼(女性)とありますが
これらは名字ではなく、名前なのです。
文中にそれぞれ名前の由来について説明がありますが、名前の由来を知って
読み進めると「あぁ、そうか」と頷き、さらに登場人物に共感するかもしれません。

また、この本は1988年から始まって5年後に移り、最後は2018年と30年の
家族の変遷を描いています。
8歳だった山吹は38歳になり、改めてこの家族との関係を振り返りつつ
明日へとつなぐメッセージも含まれています。

小説の一部を ご紹介します。

現実にはないなにかを拠りどころとして生きることは、むなしいことでしょうか。
でも、現実にはなくても、心の中には確かに「ある」、それは
「確かにそこにある」ということなのです。
生きるために、必要だったから、そこにあった。

私は子どもの時から、本に支えられて生きることが多かったので
この言葉が心に響きました。

生きるために、たくさんの本と出合えてよかった。

あなたは、生きるために必要だっものはありますか?




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