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【料理エッセイ】君たちは粉わさびと粉カラシを知っているか?

 子どもの頃から、わさびもカラシも当たり前のようにチューブを使ってきた。あるいはお弁当などについている小さなパック。

 でも、冷蔵庫のストックが切れ、スーパーで新しいものを買おうとするたび、棚にキラキラ光る缶々が並んでいるのは知っていた。

 きっとプロが使うんだろう。そんなことを思っていた。ただ、ここは業務用のお店じゃないし、他のお店にもたいてい置いてあるではないか。つまり、一般家庭でそれなりに愛用されているということでは?

 なぜだろう。チューブはすごく楽なのに、わざわざ手間をかける理由がどこにあるのか。たぶんだけど、答えはひとつ。美味しいからに決まっている。

 先日、そんな推論が働いて、ものは試しと緑と黄色の缶を手に取った。

 衝動的に買ってしまったので、どうすればいいかわからなかったが、横っちょのところにちゃんと説明が書いてあった。

 まずは任意の容器に適量の粉を入れる。

 そこに適量の水を加える。

 スプーンなどで練り上げる。

 これで完成かと思ったら、数分間、空気に触れさせないことが必要らしい。なんでも揮発性が高いから、香りを閉じ込めなくてはいけないんだとか。

 カラシも同様にひっくり返す。

 あとは表に戻して、それぞれ普通にわさびとして、カラシとして、お刺身や焼売につけて食べればいいのだけれど、なるほど、キレのある辛さが鼻を抜け、かなり美味しい。が、目を見張るほどの感動があるわけではなかった。

 なんて言ってしまうと、手間がかかる割に微妙だなぁって気がするかもしれない。違う、違う、そうじゃ、そうじゃなーい!

 この美味しさは開けたてのチューブと同じ美味しさ。だから、馴染みのある美味しさではあるけれど、毎回これが味わえる点に最大の魅力があるのだ。

 チューブの場合、どうしても冷蔵庫の内ドアのところに長期間保存される運命にある。望むと望まないとにかかわらず、日々、香りは落ちていってしまう。

 粉なら毎回、新品を楽しめる。面倒さえ我慢できれば、こんなに素敵なことはない。

 そんなわけで、我が家はわさびもカラシもチューブから粉に切り替えることに決めたのだが、だったら、ついでにアレンジレシピも作ってみたいといろいろ調べた。

 すると、テレビでもお馴染み日本料理「賛否両論」の笠原さんがYouTubeで完璧なメニューを紹介していた。

 その名も白菜のからし漬け。ざく切りにしたタコと白菜に塩を振り、砂糖をまぶし、粉カラシをファサッと投入。お酢とみりんを揉み込んで一晩寝かせれば、簡単に完成。

 これは最高過ぎた! お漬物は買ってこなくてもいいさも? ってレベルで超絶品。ご飯のおかずにも、お酒のアテにも、万能もいいところ。やめられない、止まらない。

 ただ、タコはちょっと高いんだよね。ってことで、最近はカニカマに変えて、野菜もそのとき安いものを使って、最近のわたしはすっかり漬け物マニアと化している。 

カニカマと白菜のカラシ漬け
カニカマときゅうりとキャベツのわさび漬け

 なにせ、缶に入った粉末のわさびもカラシも量が多いので、あれこれチャレンジしやすくていい。

 マヨネーズに混ぜれば、簡単にわさびマヨネーズも、からしマヨネーズも簡単に作れる。

(ただ、一回、水で練り上げる必要があるので注意。粉のまま油と混ぜると苦くなっちゃうらしく、失敗しました……笑)

 さてさて、そんな風に缶のわさびもカラシも可能性が無限大。日常の当たり前をあえて変えてみると発見があって面白いですね!




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