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【料理エッセイ】アンドレさんからの手紙 - 豆乳スープの絶品レシピ

 アンドレさんから手紙が届いた。フルネームはペペ・アンドレ。新代田の伝説的なレストラン、中級ユーラシア料理店 元祖 日の丸軒のマスターで、わたしが学生時代からお世話になっている唯一無二の恩人だ。

 アンドレさんには多くのことを教わった。まるで潜水艦の中みたいな薄暗い店内で、「ターメイヤ」や「海賊おじや」など、他にはない美味しい料理を食べさせてもらった。そして、一晩中、ショスタコーヴィチの交響曲を聴きながら、ワインを飲みつつ芸術談義に花を咲かせた。

 イヴ・クラインの青色だったり、新古今和歌集のモダニズム性だったり、細江英公の『鎌鼬』の凄さだったり、……。綾野つづみというペンネームも、アンドレさんに能の演目『綾の鼓』を教えて頂いたことに起因している。

 先日、「横尾忠則 寒山百得」展に行ったのだって、アンドレさんに声をかけてもらったからだ。

 このとき、アンドレさんにnoteのことを話した。小説を書くために始めたけれど、試しに書いた料理エッセイの評判が良く、最近はその投稿にハマっている、と。

「もし、みなさんにご紹介できるレシピとかあったら、教えてくれませんか」

 そんな風に図々しく頼んでもみた。

 わたしは自炊の基礎をアンドレさんに学んだ。小松菜の煮浸しやポテトサラダ、カレー、パスタに至るまで。毎日食べる家庭料理として、美味しさと健康のバランスが取れた素敵なレシピを伝授してもらった。

 健康は大切だ。ぜひ、一人でも多くの人に、アンドレさんの料理を知ってもらいたいと本気で思ったのだ。

 そして、昨日、アンドレさんの手紙が届いた。ありがたいことに豆乳スープのレシピが記されていた。

豆乳スープ

材料 : 豆乳・カブ・牡蠣・チキンコンソメ

①カブの皮を剥き6カット。カブを少し炊く。

②豆乳・牡蠣・チキンコンソメ入れて炊く。OK。出来上がり。

他に長芋・里芋などをいれてもよい。
牡蠣がよいですが鶏肉でもよし。

※すべて白色で

 以上、簡単過ぎる!

 というわけで、昨夜、早速作ってみた。

 結論、めっちゃくっちゃ最高だった。

 ひょっとして、これは牡蠣の一番美味しい食べ方なのではなかろうか? それぐらい、海のミルクと豆乳の相性は抜群。旨味が溶け出たスープは強過ぎる。無限に飲んでいたかった。

 また、ホクホクなカブも堪らなかった。口の中に入れるだけでとろける甘さ。これからの季節、身体を温めるのに欠かせない。

 ところで、アンドレさんの料理が素晴らしいのは、常に色彩を重視しているところ。食材のカラーが統一されているあたり、さすがは芸術家だと感服してしまう。

 かつて、白菜のブレゼの作り方を教えてもらったときのこと。使う調味料は白だしやホタテ出汁で、絶対に焦がしてはいけないと注意された。

「白菜は白いお化粧が似合うから」

 そう理由を言われたとき、なるほど、料理はアートなのだとわたしは悟った。

 いま、アンドレさんは絵と向き合っている。手紙の裏面には素敵な作品を描いてくれた。

 みなさんもぜひ、アンドレさんの絶品レシピを参考に豆乳スープをお試しあれ!




マシュマロやっています。
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