見出し画像

他人に報告(報連相)するということ(3)~報告の際の心掛け~

過去2回にわたり、報告する際の自己性格の認識、報告書を作成する際の留意観点などについて紹介してきました。

報連相の最終回として、「報告書の作成」ならびに「報告する際、した際」に取るべき行動様式について紹介します。「心掛けていて欲しいという観点」で捉えて頂ければと思います。



■報告すべき基本事項

ここで報告すべき基本的な内容(モレてはいけない項目)について、再度まとめてみます。
以下のような項目が、抜けていないかを意識して下さい。

① 計画(スケジュール)
・担当分の作業スケジュール(何を、何時までに)
・自身が担当する範囲、役割(理解度認知)
・与えられた作業(具体的、何を(受け持ち要件))
・求められている技術とその充足度認識
・受け持ち規模(本数、ステップ数、機能数など)
・プロジェクトの全体スケジュールを併記(位置づけの提示)
[スケジュール記載における留意事項]
 ・作業分割を行うこと(分割単位は、2~3日程度で終わる内容に)
 ・スケジュールは、分割単位で引くこと
 ・出来るだけ「定量的に表現」すること

 ② 実績の報告
・報告時点までの作業内容を記載すること
・作業項目ごとに出来るだけ定量表現をすること
・現物を何時でも見せられる(提出できる)ようにしておくこと
・日報の場合は「時間単位」を基本とすること
・週報の場合は「日単位」を基本とすること
・月報の場合は「週単位」を基本とすること
 
③ 進捗の報告
・計画値と実績の差異を報告すること
・計画値と実績値を明記し、差を認識すること

④ 課題の報告
・実績と進捗状況において、課題並びに課題になり得る事項も記載すること
・推進していく上で、懸念やネックとなるのではと感じたこと、気づいたことを、率直に進言(報告)すること(「ま、いいか」「まだいいか」は、厳禁!)
・前回までの課題は、解決したのか、していないのかを明記すること
・残課題を、明記すること
・課題の発生日時を明記すること 
・誰向けなのか(回答を求める先、または発生元(元凶))について、明記すること 

⑤ 対策案
・残課題に関する解消見通し、自分なりの対策案を考え、提示すること
・対策については、「相談事項」として報告することもあり
・自分で対処可能なことなのか、或いは支援が必要なのかを明記すること
 
⑥ その他(留意事項(注記)、連絡事項、相談事項など)
・作業をするにあたって気づいたことや、不安事項があれば、臆することなく明記(報告)すること 
・相談事項については、「単にどうしましょうか」と問うのではなく、「こうしたいがどうか」といった形で行うようにすること 

■報告するということ

報告は、そのプロジェクト全体を円滑に推進することに加え、自身の作業をもスムーズに遂行するという目的において不可欠なコトです。(早期発見、早期対応の実現)

① 必ず、フィードバックを求める事
・上司、リーダーは、忙しさや本人が解決できる、するだろう(そう指示した)という思い込みや、当たり前感(自分の常識)などから、「往々にして対応が疎かになることが発生する」ということを認識しておくこと。
・その際、一定の期間(自分が意識したリミット)が経ってもノーアンサーの場合には、「必ず、どうなっているか」を自ら確認する行動を取ること。相手を慮って、そのままにすることが無いようにすること(「沈黙は金ではない」ということ)。
・プロジェクト運営にあたって、何事も「先送りしない」こと。

② 解決しない、していないと思ったら
・このままでは、解決できないと感じたら、躊躇することなく「エスカレーション」すること。
・直属の上司、リーダーが動いていないと思ったら、さらなる上位者へのエスカレーションを行うこと。
・最終的には、「社長まで行く、行っても良い」と考えておくこと。それが、会社という組織にいることの意味(優位性)であると認識しておくこと。

③「独りよがり」には、ならないこと
・課題認識、相談事項なども含め、報告内容が「独りよがり」になっていないか、常に意識すること。
・多面的、複眼的にモノを観て、考える癖をつけること。(全体を俯瞰すること)
・謙虚さを忘れないこと。特に、課題発生元(要因)を特定することで、決して「個人攻撃」、「貶めること」にならないように留意すること(そうなっていないか、常に意識すること)。

■報告する際の取り組み姿勢(行動様式)

言うまでもなく、報告(報連相)するという行動が大切なのではなく、「何を伝えたいか、どんな答えを求めたいか、それが発生した要因や、阻害する要因は何か」を、キッチリと伝えられないと意味はありません。

① 「常に考える」こと(常に相手がいる仕事だと認識すること)
・盲目的になるな、何事も鵜呑みにするな!
・相手を理解する努力を怠るな!(相手の立場にたった報告を)

② 「おせっかい」であること(不干渉は、悪!)
・良い意味で、他(他チーム)への干渉を怠るな!
・気づいたことは、発言(助言・発信・支援)せよ!(躊躇しないこと)

③ 「目配り」を怠らないこと  (思わぬ所に落とし穴)
・自分のことだけに埋没せず、常に周りを意識しよう!
・「重箱の隅を突っつく」「石橋を叩いて渡る」ことも必要!


3回にわたり、「他人に報告(報連相)するということは」ということで紹介しました。報告において、最も肝要なことは「やってます」「順調です」「少し不安です」といった、「曖昧な言い回し」での報告はしないことです。

報告書を作成し報告する際に、今一度考えてみて下さい。

次回は、IT関連への就活を目指す新卒者の方々向けに、学びのキャリアを活かす、働く「場」というテーマで、紹介したいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?