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どうして私は評価されないの?その疑問に答えます。(3/3)

どうして私は評価されないの?連載。今回が最終章になります。
まだ、以前の内容をご覧になっていない方は以前のnoteをまずはご覧になってください。
第一
第二

今回はこの第一章、第二章のnoteを書いての編集後記。

これを社内向けに発行したのには理由がある。今多くの会社がWebマーケティング人材の離職や退職に悩みを抱えている。

それは僕の会社も同様だ。

事件が起こったのは、創業1年半たった時だった。

当時は、ボスマネジメント真っただ中の会社ではアンチ長橋組が発生して6名中4名がチャットで遊んでいた。

「口癖は忙しい」「難しくてできません」に対して「いいからやれよ」「2時間で終わる仕事だ!」こんな厳しい事を言うだけで全然プロセスを管理していなかった。

確かにビジネスは結果で管理するべきなんだけど、メンバーのプロセスに目を配らないと途端に遊びだす。

腐ったミカンは周りに伝染すると言われて、アンチ長橋の代表格社員に問い詰めた。

その翌日、彼は退社。そのままアンチ長橋の4名が一斉に退社となった。

なぜ、こんな事になったのか当時はわからなかった。

社員と向き合えない経営者

当時の僕はまさにその状態だった。売上を上げる事に必死で一緒に働いてくれるメンバーに配慮をしていなかった。

人間には誰にも存在承認、意欲承認、行動承認というものを持っている。

当時の僕は、このどれも与えてあげれていなかった。アンチ長橋メンバーは基本的な承認欲求を満たせないから批判を繰り返していたわけだ。

再度社員を募集し10名ぐらいの組織になったころ、本格的にマネジメントに取り組む。

・社員は何を求めているのか?
・働く目的は?
・どんな承認が欲しい?

色々と考えて、とにかくマネジメントをボスマネジメントからリードマネメントへ変えた。

がんばった社員に対して「素晴らしい!」「すごいね!」「ありがとう!!」

毎朝仕事のプロセスに対して賞賛をするリスプラポイントなるものも、この時期から始めた取り組みだった。

社風とマネジメント方法を変革する事で今まで高かった離職率は極端に下がり、2年間は離職者0だった。

だが、組織はそんな簡単なものではなかった。

社員が30名を超えてくると、そもそもこの仕組みに共感しないメンバーが現れる。アンチ長橋を彷彿させるが、彼らの言っていることは正しい。

「成果を上げない奴を誉めてどうするんだ」
「別に賞賛されるような仕事していません」
「上司がそもそもポイント採ってないじゃん」

ビジネス的に考えれば正しいし、僕もその考え方に賛同だ。

でも、存在承認や行動承認を与えてあげないとみんな辞めちゃうじゃん!!

承認型マネジメントを続けた結果、年間2500万円以上の粗利を生み出すプレーヤーが5人まとめて退職していった。

一人一人面談したり、飲みに連れて行って何度も引き留めた。それでも誰一人として止まらなかった。

組織の心理、そこで働く人の心理はもっと複雑なものなんだ。承認したり誉めたり、リードマネジメントに変えるだけでは根本的な問題は解決していない。

ここから再度、組織運営について学び始める。

たどり着いた結果は、、、ビジョン、ミッション、ロイヤリティの3つだ。

一つはビジョン。この会社が何のために存在するのか、どこに向かっているのか。社員の進みたい方向や行きたい未来に連れて行ってくれる会社なのかを示す必要がある。

次にミッション。日々の活動目的を示す事。何のためにこの仕事を追求するのか?仕事に価値を与える。雑務、日々のルーティン、すべてがこのミッションの一部であると理解できる状態を作り出す。

経営者は結論、このビジョン、ミッションに対してどれだけ近づいているか、進捗を示せばいい。というかその進捗度を表現できるのは経営者しかいない。

目指すべきゴールに対して、近づいてるのか、遠ざかっているのか、これを社員に示せないと存在承認が満たされない。ビジョン、ミッションは具体的に落とし込むと数字になる。

数字だけは市場からの評価次第。
価値のあるサービスを提供していれば、自然と上がっていくし、ライバルよりも劣っていれば自然と数字は下がっていく。

このビジョンやミッションに対する進捗度だけが経営者、社員ともに平等かつ公平に下される評価、承認なのである。

だからビジョンやミッションから導きだされた数字を経営目標に置き、そこから導きだされたKPIを社員の人事考課に置く。

KPIが達成されれば評価は上がるしKPIを達成できなければ評価は下がる。

社員のKPIは経営目標の数字と連動しているので、KPI未達であれば経営目標も未達になるし、KPI達成できれば経営目標も達成される仕組みだ。

これが社員の存在承認を満たす。

結論、社員の成果がそのまま経営目標の達成につながる。社員の未達がそのまま経営目標の未達につながる。

社員自身が会社の数字を動かしていて、がんばれば会社は儲かって給与として反映されるし、その逆もしかりだ。

社員に対する言葉での承認は難しい。
社員一人一人と全く同じ時間を過ごせるわけではないし、人によってかける言葉が変わってしまうから。

でも市場からの評価は公平。一人のミスが会社の信用を落とすし、一人の成果が会社の評価を上げる。

市場からの評価でマネジメントしないと無駄な錯覚や誤解を生み続ける組織となる。50名規模で低迷した時期も、これを理解してからようやく70名規模を超えてきた。

まだまだ小規模企業だけれど、100名の壁の突破が見えてきたところ。

最後は企業ロイヤリティ。

企業に対する愛着や忠誠心。これを育めるかがトップの責任

多くの人は市場評価と自己評価がズレる。これは誰もがそう。自分自身の評価と市場評価が一致しない。がんばってるのに評価されない。これだけやってても数字が上がらない。

これが組織になると更にズレが生じる。
仮に自分が市場平均値より+10の評価をもらえるがんばりをしていても、他メンバーが-30を生み出していたら、あなた(会社)の評価はー20となる。

それが嫌で独立するメンバーもいる。
+10を生み出したら、+10をきっちりもらいたい。こういうタイプは独立をしていく。自分の頑張りをダイレクトにもらいたいのであれば、独立がいいと思う。

僕自身も組織をもって、たまに一人でビジネスやったらもっと楽になるのに...。と思った事がないかというと嘘になる。

それでも僕もこのリスティングプラスという会社が好きだ。愛着がある。忠誠心がある。この会社は、社内ベンチャーで立ち上がった会社。最近まで100%株を持つオーナーが別にいた。

結果的には株を譲ってもらえて、無事マネジメント・バイアウトを果たし、オーナーになったわけだけれども、そこに至るまでに様々な葛藤があった。

アドバイスをもらった経営者の皆さんからは、株を譲ってくれないなら別会社で独立しろと言われるケースの方が圧倒的に多かった。

個人貸付ではなくて、出資を受けた無知だった自分がいけないのだけれども、それでも自分で伸ばした会社なのに何も権限がないなんて学べば学ぶほど意味わからなかった。

ただ、、リスティングプラスに対するロイヤリティは社内でも一番の自負がある。簡単には諦められなかった。もっと自分で責任が取れる状態で経営をやりたかった。どちらも諦められなかった。

だから1年半もの間、前オーナーと交渉を続けた。
自分個人よりもこの会社を勝たせたい。この会社の市場価値を高めたい。もっと社会貢献できる会社にしたい。

こんな想いが強い事に気が付いた時、きっと一緒に働いてくれる社員のみんなもレベル感はあれどロイヤリティを持ってくれているということに気が付いた。

One for all, All for one

という言葉があるけれど、一人は会社の為、会社は一人の為に、個人に尽くすのではなくて、価値を高める事にフォーカスする。

全員が個の為ではなく、会社の価値を高める事にフォーカスできれば上手く行く。

結果、会社の価値が上がれば、そこで働く社員の価値も上がるから、Win-Winになるわけ。一人でやることも素晴らしい事だと思う。でも人生時間は有限なわけで関われる人と時間には限りがある。

独立や転職が人脈のリセットという話ではもちろんないんだけど、会社の為&自分の為に、頑張ってくれる仲間の力を最大限に使えるのは、やはり組織の魅力だと思う。

一人で進むよりも、スピードが速い。
風邪で休んでても誰かが会社の価値を高める仕事をしてくれてるし、Aの仕事をしているときに、仲間がBの仕事をしてくれている。

一度の人生だからこそ、いっぱい楽しみたい!ビジネスもプライベートもいっぱい楽しみたいわけ。であれば、組織でやった方が早く取り組める分、色々楽しめるよね?

もちろん、人が増える数だけ苦労があるけれど、毎日焼肉食べると飽きちゃうように、苦難と快感が一緒にあるから、また楽しい。組織ってそんな感じ!

ロイヤリティの高い組織は、圧倒的なスピード力と忍耐力が発揮される。
簡単な事では崩れない。攻め時は圧倒的スピードで攻める。最後は企業ロイヤリティがどれだけ高い会社を作れるかだなとつくづく思う。

もちろん、まだ道の途中。全然、上手く行ってない(笑)

すべてが上手く行ってないし、
もっとシビアに考えないとダメだよ
もっとビジネス的に考えないとダメだよ
もっと無感情でやらないとダメだよ

先輩経営者達には良くアドバイスをもらう。

でも僕は、One for all, All for oneの組織を作りたいんだ。なりたい自分を描く、なりたい組織を描く。これは僕の挑戦。

みんなでいろんな苦難を乗り越えたい、みんなで顧客貢献、社会貢献を実感したい。

だから結果で評価しないといけないし、言葉ではなく人事制度で社員を評価する。

だから働く社員には第一章、第二章で述べた、以下を求める。

素直さ→ビジョンミッション理解力
スキル→価値創造力
信じる力→ロイヤリティ

につながっていく。

矛盾しているようで、矛盾していない。
僕が目指すべきゴールは、今の繁栄ではなく、未来の繁栄だから。

以上

第三章を書きながら、組織への考えと経緯を振り返る良い機会になりました。最後まで読んでくださった皆さん、ありがとうございました!
引き続きがんばります!

長橋真吾?リスティングプラス?という方は僕のtwitterへどうぞ♪

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