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【ココロを養う鍼施術】

博心堂鍼灸院の、いんちょです。

先日、書棚を整理整頓しました。
東洋医学の書物が元々は多かったのですが、近年、東洋占術のお仕事もはじめてから、易占の書籍をはじめ東洋思想や哲学の書物もずいぶん増えました。

僕はあまり本をコレクションするようなことをしていないのですが、必要に迫られて新しい書物を求めていくうちに、蔵書は次第に増えていく。


東日本大震災以降、鍼施術での心理面への施術効果というものに、着目して過ごしてきました。

一般的な東洋医学の書物だと、各論的な心理症状に対しての方法論が記載されています。
でも、肝心な心の構造や心理面の不調和から身体不調への機序については、書物の行間を読み深めていくくらいしか、探り出すことができませんでした。

そこで発想を変えて、鍼灸学校在学中に学んでいた東洋占術。
特に易占に関しては、人の心理面への東洋医学アプローチを促してくれるような記載が満載。
そんな東洋占術という方面から、人の心理面の不調和を整えるような洞察を深める学びを改めて取り組んできました。


東日本の震災が起こる前から、妊婦さんや育児ママたちから、カラダのことや心理面、育児に関するご相談事をずいぶんいただいていました。

東洋医学的な養生法をその都度ご紹介させていただき、ずいぶん知識を役立てていただく機会がありました。

こんな困った問題に対する具体的な対処法を、鍼施術の時間を使いながらお伝えしてきました。
心に抱える具体的な問題への対処法がわかるだけで、気持ちの重荷は軽くなる。

あるいは、東日本大震災の後、先々の不安を抱えられる方々から、未来に対しての心配事をいろいろご相談いただくこともありました。
先の見えない不安って、実は人間独自のもの。
動物は先の心配なんかしませんからね。
こんな未来への不安に対するココロの対処法などは、東洋占術の技術を借りて、易占のフィールドで鍼施術と合わせてご相談に乗らせていただきました。

ものの考え方や道理ということを、対話を通しながら具体的に鮮明にしていくことで、自ら作り出していたアリもしない不安要素が払しょくされて行きます。
世間一般の不安心理が、ひとりひとりの不安心理を助長する。
現在のコロナ禍も同様ですね。

だから今年に入ってからも、そんな不安心理と向き合う時間を、鍼施術と合わせて易占の時間と称して、対話の時間をずいぶん持たせていただいています。


また、ご自分の体力や精神力に見合わないライフスタイルで過ごされている人は、常に心に不満を宿している。
これに関しては、鍼灸師になったころから向き合わせていただく人の心理面のケアですね。

これも東洋占術の知識を深めることで、人のココロの養い方にまで深められるように、鍼灸施術と合わせてココロのわだかまりを吐き出す機会を設けて対処させていただいています。

ほんとうは自分の身の丈、ココロの強さにかなったライフスタイルに切り替えられたらいいのだろうけど、それがなかなか難しい現代社会。

人に話ができれば済むことなのかもしれないけど、そんなおしゃべりに都合の良い相手がなかなか見つからないのも、今のご時世なのでしょう。

鍼施術の時間に、そんなおしゃべりの時間を設けることで、すさんだココロがクリアになって、心身を滋養する機会になるみたい。


僕の書棚を整理整頓する中で、並ぶ本を眺めながら、ずいぶん鍼施術で取り組む患者さんたちの相が変わってきたなぁと感じるこの頃。

心まで養うことが必要な現代社会。
鍼施術でそんなお役に立てるように、今は東洋占術の研究を深める時間を多くとっているこの頃です。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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