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【子供の体調】

博心堂鍼灸院の、いんちょです。

鍼灸師さんは医者じゃない。
だから、病気病名のことは、よくわからない。

よくわからないというのは、専門家じゃないからね。

もし、鍼灸師さんで病気のことがよくわかっているという人がいれば、それは現場に立つお医者さん並みに、現場知識と経験が豊富なのだろうね、と患者さんは思うんじゃないかな。

そんなわけで、僕は患者さんに対しては、病気病目に関しては専門家じゃないから、よくわからない、と素直にお伝えします。

程度問題なのかもしれないけど、どちらかといえば、よくわかっている言葉に対する責任も持てないし、最新情報を常にアップデートできる環境にいない分、専門外だから知らないで通した方が、誠実なんじゃないかと常々思っているわけですよ。


そうはいっても、そんな医者さんのところを回ってきても、自分の子供の体調不良が解決しないので心配、という親御さんからご相談をいただくことがたびたびあります。

なるほど、自分自身のことであれば、何となく察しがついたりするのだろうけど、目の前で苦しむお子さんのこととなれば、医者さんに言われる説明だけじゃ納得できないことがあるみたい。

実際、病院で診てもらって、病名を伝えてもらって、薬を出してもらって、経過を見ているけど、目の前の子供の調子が悪いので、不安で何とかしたいという親心というやつは、こらえようもないのでしょうね。


そんなとき、ふむふむこんな状態かねぇと、東洋医学という医学ではないユニークな視点で、目の前で苦しむ子供ちゃんのことを新たに認識することができれば、意外と親のココロの負担は軽くなる。

子供ちゃんの体調不良は、とても厄介です。

なにしろ経過が速い。

目の前で刻一刻と変化する体調不良と向き合うと、これから先、どうなっちゃうのだろうと不安になる気持ち、よくわかります。

僕も自分が鍼灸師さんじゃなかったら、どれだけたじろいじゃうだろうと、我が身に置き換えると、目の前でたたずむ親御さんの気持ちがよくわかる。


そんな経験をこの春から梅雨にかけて、何度か経験しました。

過去には産後の赤ちゃんから始まり、中高生くらいまでのお子さんたちとのご縁がたくさんありました。

今はほぼほぼそうした若年層の方を鍼施術する機会はないですね。

それでも時々、駆け込みで子供ちゃんの鍼施術のご依頼をいただく。


目の前で苦しむ子供ちゃんのことを診るのですが、表面的な苦しみよりも、内に秘めている強い生命力の方に、僕の目は向いちゃうんですよね。
症状が激しいほど、元気を秘めているってこと。

そんな元気が旺盛だから、激しい症状を繰り広げられる。

こんな発想が無かったら、目の前で悶えて、うめいて、泣きながら苦しむ姿は、ただただ周囲の大人を不安と混乱に導いていっちゃうだけなのかなぁ。

たいていこれほど激しい症状を訴えてこられる子供ちゃんは、一度病院に受診されている。

そんな病院帰りということもあり、僕は鍼灸師さんとしてできるだけのことを、できる分だけ施してみる。


経過が速い子供ちゃんだからこそ、施術の時間が大人並みに必要になります。

現状から次のステージに変わるのが速いから、ものの5分くらいで施術を終えてもいい。
でも、目の前でもっと苦しむ姿に変わっていたり、別な症状が出始めると、引き続き苦しんでいる子供ちゃんを戻されても、親御さんは心配になっちゃいますよね。

だから僕は、子供ちゃんの体力と回復の状態を見ながら、カラダが一区切りつくところまで、おカラダを拝見する。


一見楽になったように見えても、まだまだ回復傾向であれば、そのあとの不調や不機嫌の予測をお伝えするようにしています。
同時に施術の継続の必要性までも。

一度の施術で経過が落ち着く子供ちゃんもいますよね。
病院帰りにぐったりして鍼施術を受けに来られて、鍼施術を受け始めてから急に夏が上がって、そのまま汗がドーっと出て、不機嫌に泣いていた子が、穏やかにスースー寝息を立てて、カラダが落ち着いていくとか。
風邪の経過がこんな感じ。

目の前で著しく変わる子供ちゃんの様子を傍らでのぞき込んでいる親御さんは不安かもしれないけど、元気のある子供ちゃんの経過は、こんな感じでとても速い。


最近では、こんな劇的に変化する子供ちゃん達とのご縁がありませんが、程度の差こそあれ、大人も子供も若者も、元気が備わってさえいれば、それなりに変化が現れます。

人の元気って、やっぱりエネルギーなんだよねぇって感じる思い出話だったとさ。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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