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【梅雨時の腫れ傷み】

博心堂鍼灸院の、いんちょです。

先日までの暑さから、急転直下の冷たい雨降り。

朝からの雨だったりすると、体温が下がった体はなかなか起きられない。

そんな話をここ数日、よく耳にしていました。


厄介なのはそれ以前までの連日の夏日。

暑い日が続いても、梅雨時の体は発汗がまだまだ丈夫ではありません。

そのため、的確な体温調整の出来ない体は、体内に熱をこもらせやすい。

熱がこもると息苦しくなったり、いやな汗をかきながら動悸がしたり、ふらつきや耳鳴りまであると、熱中症になっているかもしれません。


そこまで症状が目に見えなくても、連日暑くて発汗できない体は、程度の差こそあれ、体内には余分な熱がこもっている。

・息苦しい
・頭痛や肩こりがある
・のぼせる
・ふらつく
・のどがやたらと渇く
・手足が火照る
・熟睡できない
・寝付けない
・寝ても疲れが取れない

こんな体内に熱がこもっている人が、急にうすら寒い湿度の高い天気の中で過ごせば、体表の血流は一気に冷まされて体の表面から血行不良が起こり始めます。

湿気っぽい空気は、カラダの表面から芯まで、徐々に冷えを及ぼしていきます。

連日の暑い日の後の冷たい雨降りの日は、カラダの表面が冷えて発汗による体温調整ができなくなるので、体表にこもっていた熱が行き場を失ってデキモノやかゆみ、肌の赤みや腫れなどの炎症症状が起こります。

暑い日の後のジメジメするうすら寒い日に、腕や足腰、おなかなどに治りにくいジンマシンのような赤い大きな腫れができたことありませんか?

ジンマシンの赤みや腫れは、2時間ほどでおさまるのですが、こうした体内にこもった体表の腫れ症状は、1日や2日ほどしつこく残ることがあります。


こうした梅雨時の暑い晴れが続いた後の冷たい雨降りの時にできるジンマシンのような腫れ症状がある場所は、秋口までカラダのメンテナンスを怠らない方がよいです。

そもそも腕肩に腫れ症状が出る人は、日頃からストレスを抱えて肩や腕にこわばりがある人。

腰やお腹に腫れ症状が出る人は、体幹部の筋肉や関節が疲れで硬くなっている人。

太ももやふくらはぎに腫れ症状が出る人は、飲食の不摂生や寝不足など生活習慣が崩れているひと。

こうしたため込んだ疲れやこわばりを抱えている人は、夏から残暑のエアコンが効いて体を冷やしたり、猛烈な連日の暑さで夏バテすると、腫れ症状が出た筋肉や関節に強い痛みが出ることがあります。

梅雨の間に発散できないたまった湿気は、いつまでも体表にとどまってはいません。

徐々に体内に侵入していって、カラダの深いところ働きや循環を邪魔します。

秋口に急に深い咳が止まらない人が、ここ数年来増えています。

意外とこうした梅雨から体内にため込んだ湿気が原因だったりするわけです。
※東洋医学ではこうした季節をまたいだ病を「温病(うんびょう):季節をまたいで体内で温存された邪気が原因の感染症のような病」といいます。


梅雨の湿気は梅雨の間に発散させておくことが肝心。

次のシーズンを迎えると、カラダが次の夏の暑さ対策に特化した体に変身してしまい、梅雨の間に発散すべき湿度をため込んでしまいます。

こうした「温病(前のシーズンにため込んだ負担)」の苗床をつくらないように、突き詰めれば毎日の過ごし方の工夫でしっかり日々の疲れや負担を取り除くことが必要です。

湿気で冷えたなと思ったら、ちゃんとお風呂につかってひと汗かくくらいの養生はしておいたら良いですね。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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