【寝るのは食べることよりも大事】

博心堂鍼灸院の、いんちょです。

博心堂鍼灸院へお越しになられる患者さんたちは、鍼施術を受けられるだけじゃなく、東洋医学的な健康法や、ご自分にかなった生活習慣のアドバイスを求められる方がいらっしゃる。

ぼくがすべての患者さんにお勧めするのが、ちゃんと寝ること。


ちゃんと寝るのって、現代人にはとても難しいみたい。

・昼間眠いけど、夜になると寝られない
・ついつい夜更かしして寝不足になる
・布団に入ってもなかなか寝入ることができない
・寝ても疲れが取れない
・いつも怖い夢を見て熟睡できない
・何度も目が覚めて寝足りない
などなど。


子供の時にはいくらでも寝られます。
中学生や高校生になっても、かなりの人がいくらでも寝られるっていう記憶があるんじゃないでしょうか。

これって、若さとか体力と関係があります。


生まれたての赤ちゃんは、授乳時間以外、ほぼほぼ寝ています。
こんな風に言うと、育児真っ最中の人に怒られちゃうかもしれません。
そう、赤ちゃんは頻繁に泣いて目を覚ますことがあるので、育児をされている人は、そんな夜中でもお構いなしに覚醒する赤ちゃんと向き合うため、ほぼほぼちゃんと寝ることなんてできないですよね。
※ぼくも二人の娘たちの育児で、3年ほどちゃんと寝たことがない時期が続きました。

でも、赤ちゃんは自らの発育のために、ほぼほぼ一日中寝ている。

年齢が高くなるにつれて、徐々に活動する時間と回復する時間にメリハリが出てきて、総じて寝てばかりいる時間は徐々に短くなっていきます。

そして、日中の活動する量が多ければ多いほど、回復と発育に必要な睡眠時間が多めに必要になり、若くてしなやかな体は泥のように眠ることで、効率よく体力を回復させながら、カラダの発育を促します。

こうしたことは、20歳くらいまで続きます。


寝る子は育つといいますが、内臓機能や骨格が一人前に育ち切るのに生まれてから約16年から18年の歳月が必要になります。

器である肉体が十分に発育した後に、精神の発育がようやく追いつくのがだいたい20歳。

20歳を過ぎても、親知らずが生えそろうまでは、実は肉体の完成ではなかったりします。
こうした心身ともに体が十分に発育しきると、女性の場合21歳から28歳の肉体的なピークを迎えて妊娠出産に備えると、東洋医学の書物では書かれています。


ただただ毎日過ごしているだけでも、20歳くらいまでは体が必然的に良い睡眠をとりたがり、良い睡眠をとれるようなコンディションで過ごせるわけです。

ところが20歳を過ぎると、そもそも大人は睡眠時間が少なくて済むようになります。

子供の時のように体が発育するわけではない。
そのため、発育に必要な深い睡眠は不要になるわけです。
このころから、よく眠れないなんて言い始めたりするわけです。

とくに更年期以降は、肉体的な体力が自然と衰えます。
寝ることも体力ですから、更年期に差し掛かるころからいっそう熟睡できなくなります。


そうはいっても、回復力も低下する発育期以降の体は、食べて体を育てるよりも、食べこなしたり疲労回復させることに力を注ぐことは必要です。

そう、年を重ねていくうちには、食べて体の成長するエネルギー補給をするよりも、休んで体内の飲食物を処理したり、疲労物質の解毒ろ過をする手間がかかるようになるわけです。

自分の前腕の相を見てみましょう。

・前腕の手の甲側の肉付きが細くやつれているようなら、疲労回復に必要な睡眠が十分に足りていません。

・前腕の手のひら側の肉付きがムチムチしているようなら、食べこなすことに必要な睡眠が十分に足りていません。


前腕がやつれているなら、疲れをためない工夫をしたらよいですし、肉付きが余るようなら食事量を節制するとよいというわけですね。

良く寝られるようにするには、寝る必然を作ることが大切です。


食べることに重きを置くと、ついつい過食になりすぎて胃もたれします。
食べることよりも寝ることを大切に考えて、就寝前の食事や過食、消化の悪い食材の偏食は控えるようにしましょう。

また、疲労回復には十分な血流をおこせる体力が必要です。
日中だけじゃなく、寝る前にも適度な運動や入浴習慣をもって、回復に必要な血流を促しながら過ごすこともかないます。
※就寝前はあまり体が興奮するとよくないですから、筋トレというよりはリズミカルな運動を工夫するとよいですね。


現代人はカラダは怠けているけど、頭は疲れている。
目や頭を過剰に疲労させるテレビやスマートフォンの長時間の視聴は、睡眠効率を悪くします。

入眠困難や悪い夢を見るなどの睡眠の質の低下、熟睡感がないなどが気になるようなら、そんな目や頭を過剰に刺激・疲労させる機会を上手に加減したらよいですね。

飲食同様、カラダに取り込むことを減らしながら、回復効率を高める習慣を持つことで、健康寿命を長らく保つことがかないます。

何か何かのご参考まで。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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