【育児の始まり】

博心堂鍼灸院の、いんちょです。

今はほぼほぼご縁がないのですが、以前はご妊娠中の患者さんの安産に向けての鍼施術をさせていただいていました。

助産院との伝手ができて、そこからご紹介の妊婦さんが、安産のお灸ケアや逆子対策として、鍼施術を求めてお越しになられていましたね。


意外と東洋医学の知恵が、妊婦さんや産後のママたちに好評でした。

というのも、通り一遍の医学的な知識や一般常識的な妊娠の流れとは全く異なり、妊婦さんお一人お一人に合わせた話になるので、我が事として僕の話に耳を傾けてくださっていたみたい。

東洋医学にももちろん、一般的な妊婦さんの体の仕組みというのがあります。
でも、これは言ってみればひな形で、ここからどのくらい、どの方向へずれているか、個性を持っているかで、それぞれの妊婦さんに合わせたお話をするわけです。


ちょっとユニークなのは、妊娠中から育児はすでに始まっているということ。

赤ちゃんが生まれてきて、へその緒が切り離されてからが育児のスタートではない。

お腹の中に赤ちゃんが納まったという自覚を、妊婦さんが自覚されたときから、お腹の中の赤ちゃんとの関係が始まります。

お腹の中の赤ちゃんと、どうやってコミュニケーションをとりながら妊娠期間を過ごすことができるかで、生まれてきた赤ちゃんとの向き合い方に差が出てきます。


ご妊娠中、なにも問題なく心配なく出産されるようだと、産後の育児はママの心理的な負担がなく1年ほど過ごせるかもしれません。

ご妊娠中、いろいろ課題があるようだと、産後育児スタート1年間は、やはりそれなりに大変かと。

ご妊娠中の赤ちゃんとのコミュニケーションの手ごたえは、産後生まれたての赤ちゃんとのコミュニケーションのミニチュア版、というところでしょうか。
胎児期の赤ちゃんは、すでに人格が備わっていて、ママとのかかわり方を積極的にアピールします。

頑固だったり、活発だったり、マイペースだったりというのは、お腹の中にいるときそうであれば、産後の傾向もいっしょ。


赤ちゃんの発育が急成長な産後1年は、ママの方でもどうやって赤ちゃんと接したらよいか、わからなくなることがあります。
でも、妊娠中の赤ちゃんとのかかわりを思い出してみると、産後もそれほど変わらないんじゃないのかな。

※産後1年すると立って歩いて、いろいろ自覚と主張をもって過ごし始めるので、育児する人は楽できませんね。
2歳になると言葉が始まるから、コミュニケーションも複雑になるし、3歳になれば自我が急速に強くなるので、親子の対立もたびたび起こる。
これも赤ちゃんの自立への道筋だから、付き合ってあげないわけにはいかないのですが。


お腹の中であまり胎動のない赤ちゃんは、生まれてからもそれほど活発ではない。
スローペースな赤ちゃんだったら、発育中に見られる様々な反応もゆっくり目立ち始めていく。

お腹の中でたびたび逆子になる赤ちゃんは、自己主張が強いので、比較的よくなく赤ちゃん。
抱っこをたびたび要求されるけど、抱かれると暴れるので、ちょっとかかわるには根気が必要、などなど。


鍼施術にお越しに慣れる妊婦さんには、そんなご妊娠中の経過をうかがうとともに、生まれてからの赤ちゃんとのコミュニケーションのアドバイスを先回りしてお話しておく。

赤ちゃんが生まれてからも産後のケアや乳児ケアを求められれば、そんな生まれてきた赤ちゃんとの付き合い方をアドバイスがてらお話しつつ、ママの愚痴やお悩みを受け止めさせていただく。


病院や助産院などとは違う鍼灸師としての妊娠期間中から産後育児期間にかけてのかかわり方ってあるのだよねぇ、なんてことをちょっと思い出してみましたとさ。

最後までお読みいただきありがとうございます。


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