【「正常値」にくるしむ】
博心堂鍼灸院の、いんちょです。
5月初旬は急に暑くなったり、涼しくなったり、風が強かったり、急に雷雨になったりと、急転直下の天候不順。
人の体はこうした「天候の変化」に、つねに適応するように「変身」をつづけます。
もともと体力のあるひとや、順応力のある体質の人は、こうした「天気の変化」に対して、「いちいち不調を訴える」ということがありません。
ただ、今年のような気温が一日の内に10度以上変化する日が、連日あるとか、気圧の急な変化による暴風とか、突然の雷雨による気圧と湿度の変化には、たいていの人が「体調を翻弄」されてしまう。
こうした異常気象が続くと、血圧や脈拍などの数値が、平均値を超えることもあるみたい。
平均よりも高くなったり、逆に平均値に満たない、なんてことも。
とくに気圧や気温、湿度の以上は、「体が血流を調整」するので、こうした循環器系の数値に変化が起こりやすいのでしょうね。
東洋医学では「数値を計る」ということをしません。
むかしむかしは、血圧計などなかったからですね。
だから患者さんから、「数値」に対する直接的な相談をされても、「僕たちはそうした医学的なこと、数値に関することって、お調べしたりお伝えすることができないんですよ」と、「医師法」に違反してしまう旨をお伝えします。
ただ、「数値」が「高く」なったり、「低く」なったりする東洋医学的な理由(もちろん仮説ですが)なら、お伝えすることができます。
患者さんの中には、つねに「平均値」でなければと、ご自分の体調よりも「平均値」を保てるように、薬などでコントロールされようとされている方もいらっしゃる。
このあたり、担当のお医者さんと、十分相談してくださいね、とお伝えしておく。
そのうえで、「平均値でなければ」とこだわり苦しまれている方には、この時期、「天気の急変」が「カラダの特定の場所に負担をかける」ということをお伝えしたり、「季節にかなう体づくり」をカラダ自身が積極的に進めるとき、こうした「平均値からの誤差」が生じることがあるかもしれない、なんていうお話をすることがあります。
寒い時には、血圧が上がりやすいし、暑ければ呼吸数や呼吸自体が大きくなることもありますよね。
初夏のころ、まだ「汗をかく」ということが上手でない人は、体温調整するカラダの働きが、きっと「季節」においついていない。
急に暑くなった時、息苦しくなったり、暑さで動けなくなってしまったり、あるいは、めまいや動悸に苦しむかもしれない。
季節的なこうした症状に対しては、東洋医学では古くからの経験があるため、そのたび対処させていただくことがあります。
※もちろん、事前に医療機関を受診してもらうことを前提に。
とくに「数値が上がる」っていうのは、「体が頑張っている」か「たまっているものを吐き出せない」のどちらかが理由。
血圧が高いなんていうのは、カラダが頑張りたがっているから。
たとえば、走るときとか、人前で話をするときとか、「血圧をあげたほうが都合がよい」「血圧をあげる必然がある」ときは、フツーに「正常値」を超えてしまう。
問題なのは、「何もしていないのに血圧が上がる」こと。
頑張る理由がないのに、血圧が上がるって、おかしいよね、ということ。
でも、カラダが「さむがって」いるようなら、血圧は「フツーにあがる」。
別に気温が低くもないのに「体が寒がる」ことって、シチュエーションとしては、ひんぱんにあります。
「体が寒がる=十分な血流(温かい血の流れ)が行き届いていない」ということ。
要するに、体のあちこちが「凝って」いて、「血行不良」を起こしていると、一時的に「血圧は上がりやすい」ということになります。
※「アテローム硬化(血管が硬くなり、血栓ができやすい血管のコンディション)」などで、「血圧が高くなる」場合には、脳梗塞や心筋梗塞予防に投薬が必要なのは、「体の構造」から理解できるところ。
ただ、急に血圧が上がった、というときなどは、カラダの「冷えを感じるこわばり」が取り除かれると、「急に血圧が上がった」という不安が取り除かれることがある。
運動していないかもしれないけど、カラダは「運動=血圧をあげる」ことを必要とするコンディションであるときも「ある」ということですね。
一日の内でも「血圧」はフツーに変動しやすい。
「正常値」に振り回されて、恐れ苦しむ人もいますが、このあたり、お医者さんに相談して、理由を求めてみたら安心できるでしょう。
もし、もう少しユニークな「カラダのとらえ方・考え方」を求めてみようかな、なんていうときには、東洋医学を専門とする鍼灸師さんに、カラダの仕組みのことや「数値に関する東洋医学的アイディア」を聞き出してみても、安心材料の幅が広がるかもしれないですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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