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「もう、いいんじゃないか」じゃ、全然ない

必要とあればタクシーを使うし、グリーン車しか選択肢がなくても惜しいとは思わない。

後輩のごはんはもちろんご馳走するし、金額不明の隠れ家的なバーにひとりでだって入っていける。

ほしいものは値段を気にすることなく買えるようになったし、いらないと思えば元の値段がいくらであっても手放せる。

ホットペッパービューティーで最安値のネイル屋さんを探すし、いま1番気に入ってる服はユニクロの黒いスエット。お酒のお金と東京の家賃はさすがに高いと思う感覚ではいて、もちろんいつもいつも無条件でお金を使いまくれるわけじゃない。

でも「ここ」ってタイミングで、お金を理由に諦めることがなくなったくらいには大人になれたし、年収があがるたびに金額に見合うと認められたんだと思うと嬉しくなる。

「もう、いいんじゃないか」

なにに対しての「いいんじゃないか」か、具体的な話はしなかったけれど、きっと「働くこと」「結婚を蹴ってまで独身でいること」「東京にいること」いろんなことに向けての父の本音。

きっと寂しんだと思う。

でも、まだまだ全然「いいんじゃない」。ゴールを決めてるわけじゃないから完成形なんて想像できないのだけど「仕事で成果を出してお金を稼いで、不自由なく生きてる」って今が、楽しくて楽しくてしょうがない。

子どものときに画用紙の両面がいっぱいになるまで絵を描いたり、猫を追いかけ続けてケガに気づかなかったり、知恵熱出るくらい勉強したり、それと同じくらい、きっとあたしは今に夢中になってる。

だから、

今しか行けない旅行に行こう。今しか飲めないお酒を飲もう。今しか作れない思い出を作ろう。お父さんも一緒に。

まだ、お父さんの夢を叶えてあげることも、贅沢を贈ることもできないけれど。

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