仮決め

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吉田という男

西加奈子の「地下の鳩」。 そこに出てくる「吉田」という、40歳のキャバレーの客引きの男性が、一目惚れをした人に似ていて、動揺してる。 40歳。脆くて、弱くて、栄光の記憶にしがみついて。でも、そんな弱さを見せないように立居振舞って、自分を大きく見せようとする姿が、自虐的で、恥ずかしくて、可愛くて、めっちゃ人間くさくて、まっすぐで、正直で、眩しい。 そんな主人公が、大好きだった人に似てる。ちょっとだけ。 「僕にも定期的に連絡をとって飲む女性がいて、でもその女性は結婚をして

    • 朝時間.jpには、なれない

      朝6時を過ぎたころ、窓辺に吊るしたカーテン代わりの洗濯物の隙間から射し込む光で目が覚める。 沖縄の部屋は、晴れの日に目覚ましはいらない。 睡眠が十分足りていたらそのまま起きて、足りてない朝と二日酔いの朝は惰眠を貪る。掛け布団カバーは真夏でもふわふわが好きだ。 ベッド横にある体重計の“ピッ”の電子音がアラーム代わり。増える一方の体重で夢を醒まして、申し訳程度の筋トレをする。この筋トレがなかなかのお気に入り。血液がからだ中に巡ってくれるせいか、1日のガッツが湧いてくる気がし

      • 梅雨が明けたその日から

        「あと1ヶ月」「あと1ヶ月」って言い続けた “1ヶ月後” がついに今日。 東京は小雨。霧が濃くて、空はいつもより2階層低い。昨日までジメジメ暑かったのに、なんだかちょっと朝は肌寒かった。 母に「行ってくるよー」の電話をして、12時50分、飛行機は濃霧のなか離陸。 別に縁起を担ぐタイプでは無いけれど、なんだかパッとしない天候に私のこれからが反映されているような気がして、正直ちょっと、気分が滅入った。 窓の外はずっと薄暗い雲。機体は揺れてずっと不安定。 きっと怖いんだろう

        • ほんとうは沖縄なんて行きたくない

          7月から沖縄。それが決まって1ヶ月。 もう、沖縄の部屋も決めて、ルームシェアも解散。片道切符の搭乗券も用意して、あとは東京を離れるのみ。 でも、ほんとうは沖縄なんて行きたくない。 沖縄行きが決まってから、隙があれば東京を焼きつけるために飲み歩いて、6月の仕事は早々に投げ出した。 平日。月曜日の午後3時。いまもコインランドリーで発泡酒を飲みながらこれを書いてる。 7月から沖縄。 入社して1年。「沖縄に来てくれないかなあ」をのらりくらりかわして、東京と沖縄を行ったり来

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        吉田という男

          好きなこと

          朝の日差しで起きる休日の朝 猫のふわふわなお腹に埋もれること みんなで成果を出せたとき 美味しいお肉を頬張るひとくちめ 好きな人に会えたとき 頑張ったあと いいにおいに包まれること きちんと整えられたベッドにダイブ ほどよいお酒のふわふわ 本の世界 恋人の横顔 すべすべな肌 偶然 高揚する服を着てる日 素敵な出会いがあった夜 暇の持て余し

          好きなこと

          ごわごわが治る頃には

          家族、プライベート、仕事が目まぐるしく変化して、ついに、ってとこまで来た。 デッドラインに届くと、ひゅるるるるるるるって急降下して、モロに体に出るタイプだからつらい。今回は、顔まわりにアレルギー。 目の周りと頬が赤くって、ごわごわ。 髪、洗顔、化粧水、風、汗、日差し。全部がいたい。 こういう風に体に出て「あ、けっこうキツかったんだ」って気づくのは、私の悪い癖だと、毎回こうなるたびに思う。 でも、いくらキツくても、もう悔しさで心をいっぱいにしたくない。 Uターンして

          ごわごわが治る頃には

          「もう、いいんじゃないか」じゃ、全然ない

          必要とあればタクシーを使うし、グリーン車しか選択肢がなくても惜しいとは思わない。 後輩のごはんはもちろんご馳走するし、金額不明の隠れ家的なバーにひとりでだって入っていける。 ほしいものは値段を気にすることなく買えるようになったし、いらないと思えば元の値段がいくらであっても手放せる。 ホットペッパービューティーで最安値のネイル屋さんを探すし、いま1番気に入ってる服はユニクロの黒いスエット。お酒のお金と東京の家賃はさすがに高いと思う感覚ではいて、もちろんいつもいつも無条件で

          「もう、いいんじゃないか」じゃ、全然ない

          明日、実家から東京に戻ります

          平成最後の年越しなのにもかかわらず、31日からインフルにかかって、いま5日。あたしも紅白歌合戦で米津玄師みたかったなあ、って昨年に後ろ髪を引かれつつ、やっとスマホの画面をみても頭痛がしなくなってきました。 スノーボードも酒もおあずけで、できることと言ったら「読書」「メディア積読を読み漁る」「note記事の購読」「ツイッター」くらい。 とんだお正月だと思ったけど、いつもはお酒とお餅でぷくぷくにカラダが膨れ上がるのが、今年は知識が膨れ上がったのが不幸中の幸いかも。 頭はパン

          明日、実家から東京に戻ります

          今日で禁酒がおわります

          11月18日から1か月禁酒しました。 「なんで?」ってほぼ全員に聞かれるのだけど、理由はただの好奇心。お酒を飲むようになってから1か月も禁酒しているなんて自分史上初なので、感じたことをレポります。 1、とりあえず3日目がきつい幸い(?)禁酒初日は風邪をひいたおかげで、お酒より葛根湯に軍配があがって、お酒に手を出さずにすみました。2日くらいこじらせて全快した3日目。ビールの誘惑が襲ってきたのだけど「1か月お酒飲まないから!」とルームメイトたちに盛大に宣言をしてたおかげで「こ

          今日で禁酒がおわります

          生きてるうちに叶えたい100のこと

          お酒を飲む前にエッセイを書くルールにしてたけど、1ヶ月禁酒実験をはじめてしまったのでネタが無い&今まで酒で潰れてたぶん、夜の時間がすこぶる長いから、人生と向き合ってみました。 1 とりあえず理想の体になりたい もう本当に引き締まった良い体になりたい。なんかシャウエッセンみたいな肌がパリッとした感じ。わかるかな。 2 華奢〜っ!!!ってなりたい ぱっと見で華奢さがわかる女性になりたい。ただでさえ身長高くて「デカっ」て思われがちなので切実。 3 顔ちっちゃ〜っ!!!!!

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          とある最高に堕落した日々の翌日

          初日の話はここから。 「きもちわるい」 その言葉と一緒に目覚める朝を、何度迎えたことか。 5時就寝、8時起床。 定期が切れていたから駅へ。 平日のど真ん中。世間は仕事する人で溢れている。そして、仕事だったはずの二日酔いの私。 定期を1ヶ月で買うか、3ヶ月で買うか、6ヶ月で買うか。ほぼ毎日飲みに行く隣駅まで買うか、隣駅まで買うと差額はどれだけか。何回往復すると定期のほうがお得なのか。そんなことを、ちまちまちまちま考えながら券売機の前で眉間にしわを寄せていると 「な

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          下睫毛にマスカラを塗るのをやめた

          今日、鏡をみてふと「下睫毛にマスカラ塗らないでみよう」と思って、塗らないでメイクを仕上げてみた。 なんだかそれだけで、ちょっと年相応な女性になれた気がした。 童顔が過ぎるぶん、若くみられることは嬉しいのだけど、30歳という年齢になって、少しの年相応さや、色気が欲しいと思ってきた最近だったから、朝から嬉しい発見。 いつもと違う自分になれたようで、少しだけ気分が上がる。 思えば、メイクを覚えた頃からメイクの濃淡や、眉毛のカーブ具合、リップの色合い、アイラインの跳ね方ひとつ

          下睫毛にマスカラを塗るのをやめた

          靴とステップ

          LINEが小説のようなものになりました。 ----- 「帰り道が寒いです」 「なら、踊ったらいい」 踊るべきだこんな夜には。ステップを踏むのだ。 「初めてサイドステップを踏めた日のことを覚えていますか」 「あの日は暑い夜でした」 暑さのせいか月は霞んでいて、霞んだ月がこっちを見て笑っているみたい。月に向かって履き潰した靴を蹴り上げたことを昨日のように覚えてる。 踵の磨り減ったその靴は、数年前に働き出した兄が買ってくれたもの。泥だらけで薄汚れたこの靴

          靴とステップ

          とある最高に堕落した日々の初日

          仕事を終えて、友人の誕生日ということでいつもの酒場に。 約束はしていないけれど「きっといるよね」の予想だけで、リクエストされた紅芋タルトの大箱を抱えて吉祥寺へ向かう20時10分。 お酒を飲んでいなくても、気分が高揚していると、ちょっと浮き足立つような奇妙な気持ちになって、J-POPの懐メロをシャッフルで再生。青い珊瑚礁と、ずるい女。 向かっている最中に別の友人からLINE。 「いるよ!まだ素に近い!」 なんだそれ。と思いながら、心なしか早足。ちょっと肌寒くなってきた

          とある最高に堕落した日々の初日

          お酒が好きな理由を並べました

          大好きなものの話をしよう。 お酒がすごく好き。 ひとりで気ままに、外で飲むお酒が好き。 初めて入るお店の扉を開けるとき、ちょっと高揚するところ。 ひと口目が喉を通るときの「きゅ〜っ」。 いつものお店で会いたい人たちに会えた瞬間。 落ち着けるホームが増えていく感覚。 隣の人とのくだらない会話。 仲良しの店員さんからの「おかえり」。 常連の方々のウェルカム体勢。 間近ではじまる恋。 酔いながら聞く仕事論。 ちょっとだけ白熱するバトル。 こぼれる名言。 ふ

          お酒が好きな理由を並べました

          今日みたいなこんな日は

          書きたいことがあるのだけど、なんだかまとまらなくて。やりたいことがあるのに、なんだかやる気になれない。そんな日がたまに巡ってくるけれど、なんだか今日がそのそれ。 いま降っている細かすぎて霧なのか雨なのかわからないどっちつかずな天気みたいな気持ちで、ただコーヒーを消費して、言葉とまとまりきらないフレーズを書き散らしてる。 朝から気持ちよく目が覚めて、いつものリズムで家を出たはずなのに、どこかで掛け違えてしまったみたい。 でもでもでも 今日の格好がなんだか可愛い気がしてい

          今日みたいなこんな日は