目指すことが決まればスッキリする
組織づくりで必要なことは、
・人の違いを理解する(人材力)
・組織の進む目標や仕組み(組織力)
・多様な人材が目標に向かうためのコミュニケーション(関係力)
この3つが必要だということをお話しています。
特に組織力については、当たり前?だけど意外とモヤっとしていることが多いです。
目標(目指すこと)を決めるためにやったこと
前回書いたこの会社の続きです。
どの方向で今後ビジネスを進めるかという話を、経営層の方に集まって話してもらう機会を持ちました。
私のやったことは難しいことは言わずに
・目標(目指す方向)がわからないと人が増えてもバラバラになる。
だから目標を決めてほしい。
・言葉の定義を揃える
・いつの話をしているのか時間を揃える
この3つです。
特に言葉の定義ですが、
ビジョンというと会社のHPなどにかっこいい言葉が並んでいると思います。ビジョンは映像という意味なので、その言葉を聞いて社員がどんな風に自分たちが働いているかイメージできるものでないと伝わりません。
戦略はゴールに向かうための方向性や考え方を示すシナリオです。何をやってどこを目指すのかという大まかなゴールです。
こんなことを事前にお話してからスタートしました。
お互いの背景を聞いて理解する
社長から出てきたことは
・駅に直結したビルのオフィスに入って、カッコよく仕事している
・○年後は50人くらいになっている
というようなことでした。
他の方から「どうして50人なの?今の人数ではいけないの?」という質問が出ました。
最初は聞かれて困っていましたが、社長の過去の経験で人数が少ない時代に育休で休む人が同時に二人出て大変な思いをした。人数が多い方がお互いに助け合えるかなと思ったそうです。
50人いれば助け合えるかというと、また違った問題もあるので正しいかどうかは別ですが、過去の経験から「助け合える環境をつくりたい」という思いがあったようです。
そしてこの会社は専門知識が必要な会社なので、50人いると業界のTOP1%に入るのだとか。だからカッコいいなと思って目指したいと思ったそうです。
質問した方から「それですよ!そういうの聞きたかったの!!」と言われて社長は照れくさそうに「言ってなかったっけ」と笑っていました。
この状態になるために何をやるか
ある方から「これはこれでいいけど、どうやってこれを達成させる?」という投げかけがありました。
私「今まで言っていたのがビジョンです。で、その話は戦略になりますね」と伝えて、まずは現在の事業の内容をざっくり確認して、これがどうなったら良いかを聞いてみました。
この会社は低価格帯の商材と高価格帯の相談業務などを提供していて、低価格帯は安価だけどかなりの数はあって、売上の主力である。
高価格帯の方は、少人数で売上に貢献しているようです。
社長以外の方に「○○さんだったら何やりたいですか?」と聞いてみると、
「××業界に特化したものを自分はやっている。これをもっと伸ばしたい。今はマンパワーが足りなくて断っている状況。自分がいなくても仕事が受けられる状態にしたい」
「低価格はニーズがあるのはいいけど、むしろもっと専門知識を活かした高付加価値と思えるようなものを提供していきたい」
これを社長にどう思うか確認したところ
「いいと思う。最終的にはクライアントの社長から個人的なことまで相談されるようになってほしい。それってかなり相手から信頼されているってことでしょう。社員がそうなってくれたらいいな」
ここまで共有したところで、経営層のストーリーが繋がったようです。
本当はすでに社内にあった
この会社は未経験からの採用も積極的に行っていて、働き方もかなり自由に組めます。
現在の低価格帯のものは未経験者が知識を積んでいくための位置づけに変更して、社員に求める最終ゴールは「社長の真のパートナー」
社員は「いつまでにどのレベルを目指すか」を自分のキャリアプランを考えて決めてもらう。そのための制度づくりや個人面談を検討していくということになりました。
実は「社長の真のパートナー」というフレーズはすでに会社のHPに書かれている文言でした。
たぶんなんとなく書いていたのだと思いますが、今回話し合いをしたことで、この言葉がつながったようです。
今回私がサポートしたのは何か新しいものを生み出したわけではなく、今のビジネスのどこにどう力を配分していくか経営層でつなげただけです。
2時間程度の話し合いだったのですが、ある方が「あ~スッキリした!今日だけでも参加して良かったよ。早くこれに沿った人事制度作ってほしい!」
まあまあ、そんなに焦らないでください(笑)
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