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全部ひっくるめての自分であること 〈気質・体質、HSPのこと〉

とても敏感であったり繊細な人々のことをさす、HSPという概念があります。(病気や発達障害ではなく気質のことをいう。)
私自身、気が小さい、過敏である、共感しやすい…などの自分の気質・体質をずっと自覚してきて、HSPにばっちり当てはまると思っていますが、自分の強迫症に対応することで手いっぱいだったので…、あらゆることに敏感すぎる、こういう体質なんだなと思い、それ以上は特に気にしてはきませんでした。

よかった本の紹介④
 
最近になり、ご自身がHSPでありながらHSP専門カウンセラーでもある、武田友紀さんのエッセイ『雨でも晴れでも「繊細さん」』を読んでみたら、武田さんの言葉の表現がとても豊かで繊細で、読んでいると気持ちが落ち着いてくるような素敵な本だなぁ~と感じました。
武田さんがご自身の柔らかな感性を大切にして、さまざまなことに幸せを感じながら生きる日常のことや、日々の想いが綴られています。
(HSPについてもたいへん詳しく書かれています。)

 HSP(Highly Sensitive Person)は「とても繊細な人」のことで、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した概念です。まわりの人が気づかない小さなことにもよく気づき、深く考えます。アーロン博士によると、5人に1人がHSPなのだそうです。
 HSPは日本では「とても敏感な人」「敏感すぎる人」と訳されていますが、私は親しみを込めて「繊細さん」と呼んでいます。

 ひといちばいたくさんのことを感じ、深く考え、味わう。
 大変な面もあるけれど、私は、繊細な気質がとても好きです。

『雨でも晴れでも「繊細さん」』 ”はじめに”より抜粋

HSPの人々がもつ性質についての記述です。

HSPの4つの性質(DOES)
 アーロン博士は、この気質の根底には以下の4つの面(DOES)が必ず存在するといいます。4つのうち1つでも当てはまらない場合には、おそらく「繊細さん」ではありません。

・D…深く処理する(深く考える)Depth
 あらゆることを過去の似たような経験と関連づけたり、比較したりして、意識的にも無意識的にも深いレベルで処理する。さまざまな選択肢を考慮するなど、他の人が通常考えない深さまで考え、直観力に優れていることが多い。複雑なことや細かなことに目を向け、表面的なことよりも本質的なことを考える傾向にある。

・O…過剰に刺激を受けやすい Overstimulation
 人一倍気がつき処理するため、人よりも早く疲労を感じやすい。大きな音や光、暑さや寒さ、痛みなどに敏感だったり、楽しいイベントでも刺激を受けすぎて疲れたり、興奮して目が冴えて眠れなかったりする。感じすぎた刺激を流すために、ひとりの時間や静かな時間が必要。

・E…感情反応が強く、共感力が高い Emotional&Empathy
 共感力が強く、他者の意思や気持ちを察しやすい。HSPは非HSPよりもミラーニューロン(共感を生む働きをするといわれている神経細胞)の活動が活発だといわれている。事故や事件のニュース、暴力的な映画などが苦手な傾向にある。

・S…些細なことにも気づく Sensing the Subtlety
 小さな音、かすかな匂い、相手の声のトーンや視線、言葉の微妙なニュアンスなど、他人が見逃している些細なことにもよく気づく。気づく対象は様々で個人差がある。

『雨でも晴れでも「繊細さん」』 p56~60 より抜粋


「私はどう感じているのか」
「本当は何をしたいのか」・・・

自分のこころとからだに耳をすませて自分の本音とつながって生きることの大切さについて書かれていて、とても共感しました。
(私はまだまだ自分自身との関わり方が上手くいかないのですが…。)
 
こころの病気とまでいかなくても、仕事、人との関係、家族関係などにおいてつまづくことを繰り返している方も多いかと思います。
特にHSPの人は敏感すぎたり、物事に対してHSPでない人に比べてずっと感じやすいため、社会生活の中で生きづらさを感じてしまう人が多いのではないかと思います。
そんなときに、もっと強くならなくちゃ、自分も周りの人と同じようにならなくちゃ…と思ってしまいがちですが、そうではなくて自分が本当に感じていることや自分の感覚の方を大切にして、あるがままの自分で生きることの方が素晴らしいんだと、この本は伝えてくれていると感じます。
繊細だと社会の中でぶつかってしまうかもしれないけれど、
それでもきっと大丈夫だよと。


* 武田友紀さんのHP 繊細の森

* エレイン・アーロン博士の日本語版HP   The Highly Sensitive Person
(HSPセルフテストが掲載されています)


ときどき出かける心地いいカフェにて。ハートクッキー


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こころは目に見えない部分です。
HSPは気質のお話ですが、心(精神)の病気、発達障害と診断されたりなど、いろいろな名前がつくことがあるかと思います。
 
こころの問題などで悩んでいるとき、
私は、まずは「自分がどう感じているか?」ということかな~と思います。
自分が感じていることが一番大切なことだなぁと思います。
 
先の武田さんのお話にもありましたが、
自分がどう感じているか?をじっと感じてみる。
なにが自分をつらくしてるんだろう?、本当はどうしたいんだろう?
自分にとって大事なこと、自分にとっての幸せってなんだろう?…など。
リラックスできる場所でお茶を飲んだりして、ほっとひと息しながら
感じてみる。
 
治療やカウンセリングなどに対してどうしたらいいか?と迷うときなども。
(治療やカウンセリングは受けても受けなくてもよいのだし、行ってみて違うと思ったら止めてもいいし。また他に自助グループに行ってみる方法や、いろいろな代替療法などもあるかと思います。)
 
ひとりで考えているとネガティブな思考に傾き、時間ばかりどんどん経ってしまうことも多いと思います。
(私はその悪いパターンにハマり、ひとり思い悩むことで多くの時間を使ってしまいました…。)
立ち止まりひとりで自分に向きあうことも、誰かに話してみたり相談することも、どちらも大切なことだと思います。
また自分のことを言葉にする、言葉にできるってとても大きなことだなぁと感じています。