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小さなことから、ひとつずつ  〈強い不安や、不安症のこと〉

強迫症ではないけれど不安感が強くて生きづらい人がいるかもしれません。
私自身は10代の頃はまったく強迫症はなかったけれど、小学生くらいの頃から、ずっと強い不安とつきあってきたような感じです。
例えばちょっとしたからだの不調や違和感から、何か悪い病気にかかっていたらどうしよう?とすごく心配になったりすることが頻繁にありました。
病気不安症という名前で呼ばれています。
気になり始めると止まらなく、楽しみなことがあっても頭の片隅では心配していたりしてとても苦しかったです。
 
私は気がとても小さく過敏で繊細であるHSPと呼ばれる気質でもあり、また不安症強迫症などになりやすい気質をもっているのだと思います。
強い不安がある多くの人はこんなふうに思うかもしれません。どうしてこんなに不安になるのだろう?こんなことが気になる自分はおかしいから、気にしたらダメだ、心配になる気持ちは無視しよう…と。
私はそう思いましたがまったく自分の不安の感情をコントロールすることはできませんでした。そういった心身の病気であるということも知らなかったため、不安になってしまう自分を責めてしまうこともつらかったなぁと思います。
 
それと同時に、その頃家庭の中で対話が乏しかったので、胸の内を誰にも話せず、ひとりで抱え込むことになりよくなかったと思います。
思ったことを話すことができる。ほっとできる、安心できる、笑える…そういうところからなんでも大丈夫になっていくのかもしれません。
生まれ持った自分の気質・体質、環境やストレス等が絡んでいるのだろうと思っています。


※本の著者によって「不安症」または「不安障害」と、病名の呼び方が異なっています。

よかった本の紹介①
小学校高学年くらいの年齢の子が読んでもわかりすいように書かれています。
わかって私のハンディキャップ⑤ 不安しょうがい いつも不安で心配なの 
ルーシー・ウィレッツ、ポリー・ウェイト:著

水澤都加佐:監修 
 
不安になり止まらなくなる。なにか悪いことが起きたらどうしようという心配が頭から離れない。不安の対象は、友だち、学校、テスト、健康、家族にかかわることなどあらゆること。不安の感情はとても強くコントロールがきかないので、目の前のことにも集中ができなくなって苦しい…。
そういった内面の様子が子どもの視点から書かれていて、不安症(不安障害)の概要に関してとてもわかりやすいと思います。

 一度不安になると、「もしこんなことが起きたらどうしよう」、「あんなことが起きたらどうしよう」って、次から次へと不安になるの。
 いろんなことが、くり返し頭にうかんで、それについて考えれば考えるほど、よけいに心配でたまらなくなるのよ。心配するのをやめようとふりきっても、すぐに心配がもどってきてしまう。            

『わかって私のハンディキャップ⑤ 不安しょうがい いつも不安で心配なの』
ルーシー・ウィレッツ、ポリー・ウェイト:著 (p13より抜粋)


よかった本の紹介②
「不安症」に気づいて治すノート  原井宏明:著
 
自分の抱える強い不安感や強迫観念について本やネットで今まで調べてきましたが、強迫症のみならず不安症に関する本もあまり多くはないような感じです。強迫症を専門で診ておられる原井宏明先生の不安症についての本が私は納得がいき、とても参考になりました。
不安症はその中で、社交不安症パニック症などがあり、種類や症状について体験談をまじえて書かれており、とてもわかりやすいです。認知行動療法についても詳しく書かれています。

不安が果たす役割とは?
 そもそも、不安は先祖が生き延びるために必要な感情でした。狩猟採集時代、アフリカのサバンナに住んでいた私たちの先祖は、肉食動物や猛毒を持つ生き物、隣村の好戦的な部族などから身を守るために、過敏でいなければ生きていけない環境だったことでしょう。適切なときに不安を感じることで、身を守ってきたともいえるのです。
 しかし、文明の進歩によって環境が変化し、安全、清潔になった現代では、不安の役割は変わってきます。私たちの先祖が感じていたような不安を強いられるはずはありません。
 多くの人は、安全、清潔になった今の社会に適応すべく、不安とも折り合いをつけながら過ごしています。でも、ときに私たちの自分の身を守ろうとする部分が過度に働き、いわゆる不適応を起こすことがあります。その結果、生活を妨げるような不安症が引き起こされることがあるのです。

『「不安症」に気づいて治すノート』 原井宏明:著
(P46~47より抜粋)

「不安」の感情は本来、外敵や危険から身を守るために生き物すべてに備わっている必要不可欠な感情であると言われている。そう言われるとなるほどと思うし、自分を守ろうとする大切な「感情さん」なんだ…と愛おしくも思えます。
自分でコントロールできないほど強い不安があると生活にも多く影響してしまい本当につらいけれど、「不安」を忌み嫌わなくてもいいんだな…と思えてきます。


参考になった本
HSPと不安障害 「生きているだけで不安」なあなたを救う方法 
高田明和:著
最近この本を読みました。
 
タイトルに不安障害とありますが、冒頭に「本書で言う不安障害は病気というより、人一倍不安になりやすい人ぐらいに考えておいてください。本書が『HSPと不安障害』というタイトルになったのは、どちらも不安感が強く、生きづらさを抱えていること。両者には重なる点が多く、どちらとも言えるような人がかなりいるからです。」と書かれています。
 
どういったときに人は不安を抱きやすいのか、不安を抱きやすい状況、不安の種類、それからどういう気質の人が不安が強くなりやすいのか等、繊細すぎるHSPの気質の人が感じやすい不安との比較も交えて書かれています。
コロナ禍の社会において不安が強い人が増えており、また不安を抱えやすいHSP不安症(不安障害)の人にとっても生きづらい時代が続いているであろう中、原因・対処法を学んで不安から逃れてほしい、という筆者からのメッセージが全体を通して書かれています。
不安になってしまうのは人にとって自然なことであり、様々な問題が多くある現代社会では誰しもが強い不安を抱えやすい…そう思えることで少しほっとできるなぁと、私は感じました。
 
また、私自身が悩んできた不安症の強い病的な不安と比べるなら、この本で取り上げられている、人間関係や職場における不安、経済的な問題に対しての不安等は、現実が変化していく中で自然と薄れたり軽くなっていく不安だと私は思っています。
(現実的な問題に対して抱く不安と比べて、不安症強迫症の不安や強迫観念は驚くほど長く続き、えんえんと薄れていかないものでした。同じことに対して十年以上も変わらず不安になったり心配していました…!)



坂口恭平さんの『躁鬱大学』。双極性障害との付き合い方など。元気が出てきます♪
いろんな工夫して薬を飲まないことにしているところも共感できる。
私も受診していた頃飲んだりしていましたが、なるべく最低限の量にしたかったので、
そういう希望をわかってもらえる先生をこつこつと探しました。


もともとほとんど外食しないのだけど友人がご馳走してくれた。
ダシのかかった黒い衣の天丼。お陰でお腹いっぱいに♪