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教材屋の独り言

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教育関係の記事を放り込んでいます。「教材屋」と言ってますが「教材販売店」の人ではなく、「教材を作っている人」です。でも最近は広める・売る仕事の割合が大きくなってきました。軸はどこ… もっと読む
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2019年2月の記事一覧

紙で見るか、モニタで見るか

紙で見るか、モニタで見るか

河合塾の小池先生が以下のようなツイートをされていました。私は「プリントアウトして校正」に一票を投じました。

やはり紙派が多数派。でも確かにディスプレイだけで完結させる人はいるし、私もモノによっては出力せずに済ませます(とはいえやっぱり基本は紙)

以下のまとめが大変興味深く。

プリントアウトがよい理由として、視線や光、姿勢、俯瞰性、「ペンでの赤入れ行為」の意義などなど挙げられている一方、「本当

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【塾チラシ観察】塾で身につくスキルの定義について

【塾チラシ観察】塾で身につくスキルの定義について

★塾チラシの打ち出しを研究する(大げさ)シリーズです

新年度募集期につき、毎日たくさんチラシが入っております。塾通いが盛んな地域に住んでいるというのもあるでしょうが。

今回の塾は、プログラミング、英会話、作文、理科実験、絵画…と、とにかく多種多様なプログラムを導入しています。それを受けて、チラシでのキャッチフレーズは「夢をかなえる! 夢を見つける!」ということなのだと思います。

◆リンク:学

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【塾チラシ観察】一生ものの思考力を、身につける。

【塾チラシ観察】一生ものの思考力を、身につける。

「2020年度から始まる新入試を各社どう捉えているか」を日々ウォッチしておるのですが、小中学生対象の塾はさほど推していない印象です。まだまだ見えないところが多いのと「まだまだ先のこと」という感覚が(塾というより親に)あるのかなと推測します。

写真は、そんな中で新入試対応を比較的大きく打ち出した某塾のチラシ。思考力を特に推しています。

(学習指導要領の)改訂の大きなポイントは「知識を使う力」

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朝日新聞 仕事力「学びとキャリアをつなげよ」

朝日新聞 仕事力「学びとキャリアをつなげよ」

日曜日の朝日新聞といえば求人欄。いや、別に転職したいわけではないのですが、でもなんとなくいつも目を通しています。

で、求人欄のリレー連載コラム「仕事力」は、各界の著名人・専門家が自身の職業観を語るコーナーで、こちらも割と読んでおります。今月は歴史学者の磯田道史先生。

上記2週目のコラムは、就職コラムでありつつ、教育コラムでもありました。引用させていただきます。

これは近江商人の「三方良し」と

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【思い出】高校時代使っていた学参

【思い出】高校時代使っていた学参

20年前に使っていた本が今も現役、というのがあり得るのが学参。私が使っていたものを思い出してみると…

■英語↑高3時の英語の先生がZ会シンパで、学年採用しておりました。「蚊の話」とかまだ覚えてる。当時、田舎者にとっては未知の出版社だったZ会ですが、私はデザインが妙に好きで、遠くの書店まで足を運んでいろいろ買っておりました。

↑どうやら「英頻」と呼ぶのが一般的らしいですが、私達は「即ゼミ」と読ん

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【思い出】CTPとはなんだったのか

【思い出】CTPとはなんだったのか

私が新卒入社した当時は、DTP(Desktop publishing = PCで印刷データをつくる)の変革期にあたります。具体的には、QuarkXPressからInDesignへの移行期でした(私はQuarkを触ったことがありません)。

で、Indesign普及と同じ時期に盛んに飛び交っていた言葉が「CTP」です。DTPの仲間みたいですが、「Computer To Plate」、すなわちフィルム

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【表記表現あるある】つまづく

【表記表現あるある】つまづく

意外と見かける、赤字入れたくなる表記が「つまづく」です。

語源が「爪突く」のようですし、歴史的仮名遣いである「つまづく」も使用を許容されてはいますが、少なくとも教材屋的にはより一般的な「つまずく」を採りたいところです。

「いなづま」か「いなずま」かというのも、同じ問題(?)です。教材屋としては「いなずま」を採ります。漢字表記の「稲妻」から考えるとかえって混乱するという…

特に小中学生モノであ

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「ルビ  小さな働き者」

「ルビ 小さな働き者」

昨日の朝日新聞朝刊「文化の扉」欄がなかなかに興味深く。

リンク先は会員じゃないと読めないんですけど、特に(教材)編集に関わる方は楽しいと思いますのでよろしければどうぞ。

ルビを「黒い虫の行列」と呼び廃止を主張した山本有三と、「働き者の黒い虫たちを駆除すると日本語はバラバラになる」と擁護した井上ひさし。「黒い虫」って表現がなんともよいです。

そもそも「ルビ」って呼称、何の疑問も持たずに使ってい

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「●●力」はセンスが問われる

「●●力」はセンスが問われる

教育産業における宣伝文句としてよく使われるのが「●●力(が身につく!)」というものです。

既存の言葉でもよい、というかそちらの方が多い印象ではあります。最近だと「創造力」「課題(問題)解決力」「論理的思考力」あたりが刺さる印象(自分も使ってるんだけど)。

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造語の場合はセンスが問われます。実はずいぶん前に『●●力養成ブック』(仮称)という教材を担当したんですけど、元々自分が考えていたタ

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