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教材屋の独り言

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教育関係の記事を放り込んでいます。「教材屋」と言ってますが「教材販売店」の人ではなく、「教材を作っている人」です。でも最近は広める・売る仕事の割合が大きくなってきました。軸はどこ… もっと読む
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記事一覧

教材屋にとっての「神は細部に宿る」

教材屋にとっての「神は細部に宿る」

久々に、「あー教材作っているなぁ」と実感できる仕事をしました。

本文の一文一文、一語一語に対して、辞書を片手に「もっとよい表現はないか」「この表記が適切か」ということを吟味していく仕事。正直、何も手を入れなくても及第点ではあるのです。このこだわりは、ほとんどの読者には気づかれないかもしれない。それでもベストを目指すという作業。

表記・表現って、ルールを決めて機械的に作業していくのが楽なのです。

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【塾チラシ観察】AIとのコミュニケーション能力を上げる

【塾チラシ観察】AIとのコミュニケーション能力を上げる

朝日新聞とのコラボ広告を発見。角川ドワンゴ学園による小中学生向けプログラミングスクール「Nepps」が4月に開校だそうです。

興味深いフレーズがちらほらと。

AIを作り、改造し、賢く使うこと。
これからの時代を生きる小中学生に必要な力を、実践的なプログラミングを学び、身につけます。

ということは、「AIを作り、改造し、賢く使うことができる力」が必要なんだよ、ということか。すべての人がAIを作

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「私大難化」記事を読んで

「私大難化」記事を読んで

巷で話題の私大(の文系)難化の記事。

●上位進学校の生徒が滑り止めとして私大を受けた
●指定校推薦の利用者が増えた結果、一般入試の合格定員が減った

いずれも、入学定員管理の厳格化による安全志向の高まりによるもの、のようです。あと、新入試を見据えた浪人回避も。

この指摘がどこまで的を射たものなのかはちょっとわからないのですが(首都圏だけという説もある)、「難化」と言われると「試験が難問化した」

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某塾の「生きる力を育むためのお約束」

某塾の「生きる力を育むためのお約束」

娘が4月から某塾に通い始めるので、保護者ガイダンスに行ってきました。

父母比=1:2。そんなもんかもしれないし、でも休日なんだからもっと父親がいてもいいような気も。

いろいろ伺いましたが、印象的だったのは「5つのお約束」。

①なんでもやってみる
②自分の頭で考える
③他人の邪魔をしない
④間違えることは怖くない
⑤苦手、嫌い、できない 言いません。魔法の言葉は『できる』

特に④は是非浸透

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大学時代の研究について #自己紹介

大学時代の研究について #自己紹介

1. プロローグ今から20年前、第一希望(本当は第二希望)の前期試験に落ち、後期に受けた第二希望の大学に進学した当方、受験生時代も入学後も…

特定の学問というよりは、いろんなことを学びたい!
だから「総合科学」「人間科学」的な学部学科で学びたい!(これで割と志望校が特定できるかも)

という熱い思いがあり、文系ジャンルの授業にいろいろと出ておりました。

2. やっぱり自分は教育だ「社会調査実習

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【参加メモ】探究学習をデザインする@成城大学

【参加メモ】探究学習をデザインする@成城大学

個人的にホットなテーマである「探究」について勉強すべく。

■本題の前に本イベントは「成城大学FD・SDシンポジウム」としての開催だったのですが、FD/SDとは何なのか不勉強で知らず…

FD=Faculty Development(大学教員の教育能力を高めるための実践的方法)
SD=Staff Development(事務職員・技術職員又はその支援組織の資質向上のための実践的方法)

だそうです

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教育系ライターって意外と少ない?

教育系ライターって意外と少ない?

今の私の仕事は、言うなれば広告宣伝営業販促ジャンルの統括なんですけど、困ってることがひとつ。

教育情報系で力のあるライターさんが周りにいない。

広告や販促のための媒体(パンフやらフリペやら)をいろいろと製作せねばならないのですが、そこで必要なのが教育に明るい&書ける人。取材してまとめるのではなく、いわゆる文教施策や教育トレンド、進学情報(塾予備校事情含む)を常にウォッチしていて、クライアントの

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【オピニオン欄】中学入試、方程式はNG?

【オピニオン欄】中学入試、方程式はNG?

なかなか興味深いテーマ設定。政治ネタもいいけど、こういうオピニオン記事をもっと増やしてほしい…

中学受験で方程式は使えるか?
●本来は中学校で学習する内容
●受験塾では(積極的には)教えていない
●入試で使っても減点にはならないらしい

ということです。そうなんだ…。そして話はたびたびネットで話題になる「かけ算の順序問題」や、「既習漢字以外使っちゃダメ問題」に…

小学校で方程式を教えないのは理

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【新聞より】高校入試、教科横断型の試み

【新聞より】高校入試、教科横断型の試み

神奈川県の公立高校入試で、教科横断型・思考力重視の出題(自己表現検査)が広がりつつある、という記事。背景には新学習指導要領や大学入試改革がある、と。

埼玉県ではかつて一部で行われていたが、問題作成・採点サイドの負担がネックとなり?なくなったとのこと。千葉県の「自己表現検査」は筆記試験ではなく、採用しているのは中堅校が中心らしい。

湘南ゼミナールの部長コメントが興味深く。

資料や文章を読み込ん

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【読書メモ】私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む

【読書メモ】私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む

Kindleセールで飛び付いたのですが、良書でした。

私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む
ポール・タフ (著)/高山真由美(訳)(英知出版)■評価:★★★★★アメリカの事例ベースではあるが、教育に携わる人、そして親は読むべき本だと思います。

■よかった点①非認知能力の再定義ここ数年のホットワードである非認知能力について再定義しつつ、生育環境・学習環境の重要性を説

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【参加レポ】次代を拓く子どもの育て方

【参加レポ】次代を拓く子どもの育て方

有楽町で開催された「朝日チャレンジフォーラム」に参加してきました。小学生の保護者を対象としたイベント。小学生の親として…というよりは教育コンテンツ・サービス開発に携わる者として勉強のため…以下備忘録としてメモを。

「AI時代の新子育て論 〜プログラミング教育の先にあるもの〜」
石角 友愛 さん
・「アレクサネイティブ」という言葉がこれから来る
・「AIバイリンガル教育」がこれからは重要。
 →A

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【塾チラシ観察】高まる私学人気&思考力と表現力

【塾チラシ観察】高まる私学人気&思考力と表現力

今日のチラシはご存じ日能研。

■ このワード、ご存知ですか?

「このワード、ご存知ですか?」はなかなか興味深く。「グローバル教育」がちょっと浮いていますが(一般語に近い気も。共学化もそれ自体は…って感じ)、知ってるようで知らない言葉が並んでいるように思います。どうやら私学の教育を表すキーワードのようです。

■ 高まる私学人気上のキーワードの説明があるかな…と思ったら、ほとんどの言葉はチラシの

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埼玉県立高入試・解答速報記事への出稿状況

埼玉県立高入試・解答速報記事への出稿状況

(またも寝かしつけ寝落ちで更新途絶える…やはり朝更新のほうがよいか…?)

2月28日に実施された県立高校入試。翌日の新聞で別刷り特集が出ておりました。気になったので下段の広告出稿状況を見てみました。

1面(国語)→銀行

教育ローン+ガン保障付住宅ローンの紹介でした。確かに合格が見えたら次は入学手続き、教育資金に目が向くタイミングで地元銀行が広告を出すのは有効なように思えます。

2面(国語)

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紙で見るか、モニタで見るか

紙で見るか、モニタで見るか

河合塾の小池先生が以下のようなツイートをされていました。私は「プリントアウトして校正」に一票を投じました。

やはり紙派が多数派。でも確かにディスプレイだけで完結させる人はいるし、私もモノによっては出力せずに済ませます(とはいえやっぱり基本は紙)

以下のまとめが大変興味深く。

プリントアウトがよい理由として、視線や光、姿勢、俯瞰性、「ペンでの赤入れ行為」の意義などなど挙げられている一方、「本当

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