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アドラー心理学関連本        あるサラリーマンたちのランチ②

喫茶『ファニング』のマスターです。

今日も松岡さんと佐藤さんはいつもの席で何やら熱く語り合っています。

ふむふむ、今日はアドラー心理学について話しているみたいです。

佐藤:松岡よ、君に勇気はあるか。

松岡:急になんだよ、気持ち悪い。

佐藤:我々には勇気が必要なのだよ。

松岡:勇気って、たとえばどんな?

佐藤:たとえば……。そらお前、嫌われる勇気だろう。

松岡:ん?なんか聞いたことあるぞ?

佐藤:お、松岡ですら聞いたことあるってことはやっぱりベストセラーってすごいんだな。

松岡:あ、そうか、一時すげえ流行った本じゃん。なに、いまさらその話?

佐藤:お前、アドラー心理学なめんなよ?

松岡:アドラー心理学?なんじゃそりゃ?

佐藤:そうだよなぁ。アドラー心理学って全然知られてないんだよなぁ。ま、俺も最近知ったんだけど。

松岡:なに、怪しい系のやつなわけ?

佐藤:まぁ、怪しいといえばかなり怪しいな。なんせ人は皆、今すぐに幸せになれるとか自由とは人から嫌われることであるとか言う学者がいる学問だから。

松岡:やべぇじゃんよ。てか、それに影響されちゃってる佐藤もやべぇって。

佐藤:松岡よ、俺と同じ沼にハマろうじゃないか。

松岡:沼ってわかってんならやめとけよ。

佐藤:いやいや沼って悪い意味じゃないって。アドラー心理学はまじですごいから。

松岡:ほう、じゃあ何がどうすごいか説明してみて。

佐藤:そんな簡単には説明できん。

松岡:なんじゃそりゃ。

佐藤:ただな、アドラー心理学を理解して使いこなせるようになったら今よりも幸せになれる。それは言い切れるわ。特に松岡みたいな素直でポジティブな人間がアドラー心理学を実践したら人に幸せを伝染させるような人になれると思う。

松岡:佐藤、まじで今日変だぞ?褒めても奢らねぇからな。

佐藤:チッ、バレたか。

松岡:バレバレだわ。

佐藤:いやいやそんな冗談はいいんだよ。とにかくな、アドラー心理学はすごいんだ。よし、じゃあ、WELL 幸せに生きる方法って本にあった図を元にかいつまんで説明してみるわ。


松岡:うわ、なんじゃこりゃ、ムズい言葉ばっかじゃん。パスしていい?

佐藤:まぁ聞けって。こうしてみると確かに難しいって感じるかもしれないけど、アドラー心理学ってめっちゃ現場主義なんだよ。

松岡:心理学が現場主義って、どゆこと?

佐藤:この本では工学って呼ばれてるけど、アドラー心理学の基本をツールとして使いこなせたら自己受容できて対人関係での悩みがかなり少なくなるんだよ。しかも即効性あり!

松岡:ますます胡散臭いな。そもそも自己受容ってなんだよ?自己肯定ならよく聞くけど。

佐藤:そこの違いは本によっても違うんだけど、俺の解釈としては自己肯定って自分のポジティブな面に目を向けて認めるみたいなイメージで自己受容はネガティブな面も含めて受け入れるみたいなイメージなんだよ。まずは自分っていう存在を理解して全てを受け入れる。いいか悪いは関係なく。そもそもいいか悪いかなんてあくまでも社会にとって判断基準だし。いや、話がそれそうだ。アドラー心理学の基本はこの自己受容。そもそも哲学っていう部分が身につかないと人は幸せにはなれない。

松岡:自分を理解して受け入れて、他者を信頼して人や社会に貢献できれば幸せってこと?

佐藤:まさに。松岡ってやっぱり飲み込み早いな。

松岡:褒めても奢らないっての。

佐藤:このくだり、毎回だな。

松岡:そういうの、なんかいいだろ。てかさ、この哲学ってある意味当たり前なこと言ってるだけじゃね?

佐藤:そうなんだよ。だから理想論でしょって切り捨てられがち。でもここには1つアドラーから大切なメッセージがあると俺は思ってる。

松岡:メッセージ?

佐藤:幸せも不幸も全ての鍵は対人関係にあり。人は1人では生きていけない。これだけは真理だろ?

松岡:確かに。佐藤、すごい真理に気付いちゃってるじゃん。

佐藤:ま、勇気シリーズの本に書いてあるんだけどね。

松岡:なんじゃそりゃ。褒めて損したわ。でもさ、自己受容と他者信頼はツール?とか使って自分でどうにかできるかもだけど、貢献なんて社会や他人ありきだしコントロールできなくない?

佐藤:それがさ、できるんだよ。もちろん、それを判断するのは自分ではないけど、少なくとも自分は幸せな気分にはなれる。はず。

松岡:なに、なんか含みがあるな。

佐藤:実はさ、俺もまだちゃんと理解できてなくて。本にもあったけど、アドラー心理学は少しずつ実践を重ねて理解していくものらしい。筋トレで筋力を鍛えるみたいにアドラー筋を鍛えるんだよ。

松岡:アドラー筋。なんかウケるな。まぁでも言わんとしてることはわかる。意識的に実践していってなんていうか実感とともに理解していくみたいな。読書とかもそうだもんな。知ったからってすぐにどうこうってないけど、人と会話したり他人の行動見たりふとしたときにあの本はこういうことが言いたかったんだなぁとか思うし。

佐藤:確かにそうかも。だから俺は松岡に共有してアドラー筋トレ仲間を増やそうとしてるわけ。

松岡:こういうのは誰かとやる方が意識づけしやすいもんな。じゃあ、今日は手始めに1つだけなにか教えてくれよ。

佐藤:そうだなぁ。じゃあ、目的論について話してみてもいいか?俺も話しながら理解を深めたいし。

松岡:よろしくお願いします。

佐藤:目的論を語る前にまず原因論について説明させて。目的論の対義が原因論って感じなんだけど、俺たちのほとんどがこっちで問題に対処しているから幸せになりにくいって言われてるんだよ。

松岡:原因論。聞いたこともないな。

佐藤:俺もそうだった。簡単に言うと原因論は悪いとこを見つけて直すってこと。

松岡:いやいや、それ、普通にいいじゃん。何がダメなんだよ?

佐藤:ダメってわけじゃなくて、対人関係においては原因論だとうまくいかないことが多いんだって。

松岡:なるほど。あくまでも対人関係を軸に考えるわけか。じゃあ肝心の目的論はどんな考え方をするんだ?

佐藤:目的論は悪いところの反対を見つけてそこにフォーカスする。

松岡:終わり?

佐藤:うん。

松岡:いまいちピンとこないな。具体例とかないの?

佐藤:具体例か。そうだな。本にあったのは親子とか夫婦の例だったけど、せっかくなら身近なとこでないかな。あ、そうだ、総務の足立係長、気が利かないで有名じゃん?

松岡:あぁ、よく言われてるな。飲み会とかでも自分の分しか注文しないとかみんなの分取り分けないとか。コピー用紙とかも少なくなってるのわかってても補充しないらしいし。

佐藤:その足立係長の気が利かないについて原因論で関わるとどうなる?

松岡:そうだな、飲み会に関してはまぁしゃーないとしても仕事のことではやっぱりもう少し周囲のことも考えてほしいから補充するように注意するかな。

佐藤:そう、注意だな。それでもダメなら叱るってことになるか?

松岡:まぁあんまりにもひどかったら指導は必要じゃないか。

佐藤:じゃあ、目的論で関わってみて。

松岡:気が利かないの反対は気が利くで、そこにフォーカスするんだな。ん?でも気が利かない人の気が利くにフォーカスするってめっちゃ難しくないか?そもそも気が利くポイントが少ないから気が利かないって言われてわけで。

佐藤:そこうまく見つけるんだよ。あるいは促すでもいい。例えば、足立係長の前でなんか落とす。それを拾ってくれたら、気が付いてくれてありがとうございますって感謝するとかな。そうすることで足立係長の意識を気が利くポイントに向ける。それを続けていくと意識がそっちに向きやすくなっていいところの発生率が上がるってわけ。

松岡:理屈としてはわかるよ。そんなにうまくいくかなって疑う気持ちはあるけど。

佐藤:まぁ根気がいることではあるよな。でもさ、そうやって人のいい面とかいうかポジティブな面に目を向ける意識が自分についたら変にイライラすることが減ると思わない?

松岡:たしかに、それはあるかも。言われる側に立つと注意ばっかされてたらやる気もなくなるし反発したくなるしな。

佐藤:それなんだよな。結局、コミュニケーションって相手に立場になって感じたり考えたりするとうまくいきやすい。わかっていてもってとこはあるとしても意識することが大切なんだと思う。

松岡:こうやって佐藤と話したことでそこに意識が向いてるし、定期的にこんな話をすることがアドラー筋トレになると。

佐藤:that's right!

松岡:無駄に発音いいな。

佐藤:松岡くん、目的論に無駄にはいらないね。

松岡:いや、いる!

佐藤:どうでもいいわ!

松岡:まぁ、佐藤がそこまで熱くなってることだし俺も読んでみるわ。幸せになりたいし。

佐藤:一緒にアドラー筋、鍛えようぜ。結果にコミット!

松岡:パクリやめい。

佐藤:さ、今日もあと半日、頑張ろうぜ。

そうして2人は雨上がりの午後に飛び出していった。

私もね、密かにアドラー筋、鍛えているんですよ。

それはまだ秘密ですが。

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