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受け入れられる喜び〜自分の本音を暴く旅⑥〜

沖永良部島へ来て、知り合いは一人もいない。
いろんな場所へ案内してもらい、いろんな人に会わせてもらったが、
「移住を検討している」と言うと、みんな「ぜひ来て下さい」と歓迎してくれる。
お散歩でたまたま出会った人と話しても、「来たらいいじゃん」とかね。
とある商店を一人で訪ねて、話してると、私のことを「この人いい人だわ。私人を見る目はあるからね。おいでおいで、この店手伝って」ついでに私のことを「大きい子供がいるように見えない。独身かと思った。かわいいかわいい」とか言ってもらえて、嬉し恥ずかし。結構、どこでも若く見られたな。スッピンだから、逆にそうかもしれんけどね。

とにかく、帰途に付くまで、最初の人から最後の人まで、移住を歓迎してくれた。

この、よう知りもしない人を、無条件に受け入れてくれる感じは、とても嬉しかった。私だから、じゃなくて、みんなにそうなんだと思う。なんちゅー人達じゃ。

とりあえず何びとも受け入れる、ていうのはいいなぁ…日々で実際に関わるようになると相性とかやっぱりあるのかもしれないけど、そこから距離感とか関係性を創って行けばいいんだもんね。

昨日の出来事を書こう。
最後の一日は、完全にぶらっと観光をしようと、前日にバス情報をリサーチ。
余談ですが、この島、バスは乗る時も降りる時も、バス停じゃなくても好きな所に止まってくれるんです。めちゃイイでしょ⁉
泊まってる宿のおばあちゃんに教えてもらったように、朝、道路でバスを待っていると、普通の乗用車が私の前に止まった。運転手の女性は「田皆岬まで行く方ですか?」と私に聞いた。
「そうです」
この女性は、そのおばあちゃんとこでレンタカーを借り、そこで私の情報を聞いたらしく、目的地が近かったから声をかけてくれたのだ。
「良かったら乗って行きませんか?」と。
私は、私と同世代に見えたその女性に甘えさせてもらった。
この島の人は皆良い人だと聞いていたけど、マジでそれを実感する。
その前日も、たまたま商店で出会った老夫婦が、私を宿まで車で送ってくれたところだ。
女性は、島の人には珍しく車を持っておらず、息子を病院へ連れて行くためにレンタカーを借りたのだった。
目的地の田皆岬へ着くと、「また1時間後なら寄れるから来てみるね。いなかったらいなかったでいいから」と言い残し、去って行った。
私は、1時間という時間を気にせずにその場を楽しむことにした。
無邪気な自分。好奇心旺盛な、冒険を好む自分に逢った。行き当たりばったりに動き、トイレに行きたくなったのもあって、最初に車で降ろしてもらった場所を目指し、恐らくこっちだろうという道をブラブラ歩いた。無事到着し、トイレへ駆け込む。そしてトイレから出ると、前に車が1台止まっていて、向こうの方で女性が一人海の方をキョロキョロと歩いていた。私は自分が乗せてもらった車がどんなだったのかなんて全く見ていなくて、女性も後ろ姿で距離もあって自信はなかったが、「ともこさん!?」と声をかけてみたら、ドンピシャだった。その女性の名前は、ともこさん。時計も見ていなかったのに、タイミングがバッチリだった。なんてこった。

車に今度は小5の息子さんも乗っていた。病院に連れて行くんだって。私は次に行く場所は決めていなかったので、ともこさんの行く場所を聞き、それならここで降ろして下さい、とリクエストした。念の為に、LINEを交換しようと提案してくれた。また迎えに来てくれるらしい…。え、マジで?

その場所で降ろしてもらい、また私はマイペースで楽しんだ。小腹が空いたので、お店を探しつつ、次の目的地も決め、そこへ向かって歩いていた。
すると、ともこさんからLINEが来た「今どこにいますか?」私は、グーグルマップから精一杯の情報を返信した。でも、ここって、どこも同じような風景(サトウキビとススキだらけ)で、目印らしいものはあまり無いのよ…これで会えなくても、もう私は一人で行くつもりだった。店だと思ったとこに着いたら全然店じゃなく、食料にありつけなかったので、側に見つけた自販機で私には珍しくジュースを買い、フラフラしていると… ともこさんが来た!車は相変わらずどんなのだったか覚えていなかったけど、声をかけてくれた。
病院の帰りらしい。息子さんは結構元気に見えるけど、学校を休むことにしたんだって。
で、三人でのドライブが始まった。
お店じゃなかった店の話をすると、息子さんが菓子パンをくれた!お腹空いてたからめちゃ嬉しかった💕 ていうか、息子、元気じゃん笑
で、私が行こうとしてた目的地に向かっていたものの、ともこさんが別の場所を提案してくれ、私はこだわりなかったので、それにノった。
とても美しいビーチへ行って、息子も一緒にしばらく砂浜で遊んだ。私がその子の名前を砂浜に書いたのをきっかけに、ともこさんは全員の子供の名前を書いた。なんと、ともこさんは8人の子持ちなのだ。しかも、私と同じシングルマザーだった。

具合悪い子があまり風に当たってはいけないと、そこそこに車に戻り、また別の目的地へ、ともこさんの提案のままに。今度は息子は車に残し(もちろん行きたがってたけど)女二人で楽しんだ。ウミガメを二匹見ることができて、ともこさんも喜んでいた。それが私も嬉しかった。もちろん、ウミガメを見れたことも。亀って、実は私のキーな存在なの。

お昼になった。
お昼ごはん食べたいな…と思っていたら、「お昼どうしますか?」と、ともこさんから聞いてくれた。レンタカーを夕方まで延長したとのことで…どうやらとことん付き合ってくれるらしい。驚きである。
また、ともこさんの提案のままに、お昼も食べられ、観光もできる場所へ向かった。
息子は、やはり元気。ずっとスマホで動画見たりゲームしたりしている。正直、その音はうるさかったけど笑。
鍾乳洞へ行き、の前に私のリクエストで先にご飯にした。腹ペコだったもんで。
今度は息子も一緒に三人で鍾乳洞を楽しんだ。体調は良くなっても、鍾乳洞でケガすんなよ、という話で…学校休んでまさか鍾乳洞でケガしたとは言えまい。

てなわけで、本当に夕方までともこさんは私に付き合ってくれた。ガソリン代も受け取ってくれなかった。「私も嬉しかったから」って。地元の人は、普段逆に海も観光地も行かないらしくて、息子共々楽しかったみたい。たまたま仕事もこの日は休みだったんだって。この一日で、この島の殆どの道を走ったんじゃないか?と言ってた。なんて展開!…バスでは絶対に叶わないことだった。
ともこさんとは、ドライブしながら結構話した。お互いの離婚の話や子供の話、なぜ私が移住を考えているのか、なぜこの島を選んだのか…など。ともこさんと息子とのやりとり、息子への悩み、息子の行動、どれもリアルだったなぁ… 息子さんも私に質問してくれたりしたんだよ。

本音を言えば、バスには乗ってみたかった面はある。ここのバスは、観光用ではなく生活用なので、バス停から観光地までは30分くらい歩くこともある。そういう、スムーズじゃないアクセスに私はとてもそそられる、それに、どこでも止まってくれるバスなんて体験したことないから。
でも、バス代浮くのもそうだけど、地元の人と話しながら過ごせるなんて、こんなチャンス、対話飢えの私には捨ててらんねぇ。
それと、またきっと私はバスに乗る機会があるだろう…なぜなら、きっと私はここに住むだろうから…そんなこともきっちり頭を過ったりして。
しかも、終わってみたら、息子付き…子供の本音を掬い上げたい私にとって、子供とも過ごせるというお宝付き💰✨であったのだ。

それにしても、
ともこさんも、息子さんも、見ず知らずの私を、逢ったその時から受け入れてくれたんだよ。嬉しいよね。

両手を広げて待っている、
そんなふうに私もなりたい。

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