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信仰(読書感想文)

 この「信仰」というタイトルに強烈に惹かれて、苦手だと思っていた村田沙耶香さんの本をまた読んでしまった。そして驚いた。

 さ、腰据えて読み切るぞ、と読み始めたものの「信仰」というタイトルの話は一瞬で終わり、次の話が始まった。そう、これは短編集だったみたい。

 ただ、短編だからと言ってサラッと終わる筈もなく、どれも心にズーンと重いものを残す。さすがの世界観。
 
 でも今まで数冊読んできた村田沙耶香さんの本の中では私は一番好きだった。読みやすくて、陥りやすい。

 読んでいる間は温度を感じず冷たく感じてしまうけど、読後はなぜかどこか人肌くらいの温度をポーッと感じている様な不思議な感じ。しばらくこの中の話を何度も思い出してしまいそう。
 
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<心に残った言葉(順不同)>

●「ちょうどいい、大人が喜ぶくらいの」個性的な絵や作文が褒められたり、評価されたりするようになった。

●「自分にとって気持ちが悪い多様性」が何なのか、ちゃんと自分の中で克明に言語化されて辿り着くまで、その言葉を使って快楽に浸るのが怖い。

●Kとマツカタは、彼らの中で、何度も咲いた。

#英語の先生 の日常
#読書日記2024
#book10
#信仰
#村田沙耶香

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