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お坊さんが叩いている木魚は、眠気覚ましのためにある!?

葬式などの法要や仏事の際、お坊さんは念仏を唱えたり、お経を読んだりします。
このとき、お坊さんの手元に注目してみてください。お坊さんが片手でポクポクとリズムを刻んでいるものがありますね。

これは木魚と呼ばれる仏具です。
その名前の通り、木でつくられた魚の形をしています。表面には魚のウロコが彫られていて、内部が空洞になっているため、ポクポクときれいな音が鳴ります。

リズムを刻むだけなら、ただの空洞の木でよかったはずですが、そもそもなぜ魚の形をしているのでしょうか。

木魚のルーツ

木魚の起源は17世紀にまでさかのぼります。
もともとは隠元禅師が中国から持ち込んだ「魚板」でした。これは魚の形をした板で、人を集めるときに叩いて鳴らすものとして使われていました。隠元禅師はほかにも自身の名前がついたインゲンマメや煎茶道など多くの事物を日本へ取り入れた人物です。

この魚板が、のちにふっくらとした形になっていき、木魚となって読経や念仏のリズムをとるのに用いられるようになりました。

魚の形をしているのは、昔、大変怠け者のお坊さんがいて、畜生道に堕ちて魚になってしまったという故事から、修行中のお坊さんたちがその二の舞にならないように、という戒めだそうです。

眠気覚ましのため!?

故事にちなんで魚の形をしていたわけですが、じつは別の説もあります。

それは、眠気覚ましのため

座禅などの厳しい修行に明け暮れるお坊さんですが、彼らも人間。修行の最中であっても眠くなることがあります。ですが、もちろん読経を聞いている最中に寝るなどあってはなりません。

そこで、眠るときにも目をつぶらないと言われていた魚を模した仏具を傍に置き、眠らないようにという戒めにしたり、どうしてもというときにはそれを叩いて寝ないようにしたというのです。


魚には瞼(まぶた)がありません。常に水中で目を開けて過ごしているわけですね。
そのため、昔は魚は眠らないと言われていました。この考えから、眠気を祓うために魚の仏具がつくられたといわれています。
もちろん、魚は眠らないわけではなく、目を開けたまま睡眠状態にもなります。

今日は会社の机で2時間も寝てしまったので、この雑学にしてみました。もう怒られなくなりました。

物足りない方もいるかもしれませんので、眠っている可愛い猫ちゃんでもご覧ください。▼

Ⓒオモシロなんでも雑学編集部

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