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見た目の分厚さに負けていた書籍たちと向き合うシリーズ_『人材開発・組織開発コンサルティング』

こんにちは。事業を通じて明るい未来を拓くため、組織と人の持てる力を解放したい なおさん です。「見た目の分厚さに負けていた書籍たちと向き合うシリーズ」として、本の感想をご紹介しています。

読みたい、読みたい、と思いつつ実現していなかった立教大学経営学部 中原先生の「人材開発・組織開発コンサルティング 人と組織の「課題解決」入門」、ようやく読むことができました。

以下、感想です。

  • あとがきで示されていた、「葛藤」も抱えたままで、これからも進んでいく、という中原先生の熱い思いに、畏敬の念を禁じ得ないです。

  • 人材・組織領域においては、「科学知」は適用の限界設定が複雑にならざるを得ず、原理原則の精度は3割程度。だからこそ「科学知」に加えて「臨床知」も駆使して、固有解を紡いでいく態度が求められる、という宿命について、納得しました。

  • それを理解することで、若い頃には、経営や組織のベストプラクティス本を読むと「結局、勝てば官軍・・・と聞こえる。」と感じていたことも、さほど酷く間違っていたわけではなかったかもしれない、と思いました。

  • そもそも、組織と人は生モノ。明日は今日と異なる出来事が起こるし、人の意見も感情も昨日と今日で同じとは限らない。ましてや、多様な人が集まって各々の立場を前提に行動するのですから、必然的に複雑な力学がはたらきます。

  • そういう曖昧で複雑で、論理と感情のあいまった世界に真正面に向き合いつつ、目的を叶えるため、動きを見極め自ら動きを生成すること。「科学知」も「臨床知」も駆使しながら、清濁合わせ呑みつつ、踏ん張って成し遂げていくこと。実はその「葛藤」こそが、「人事」という仕事の本質的な魅力だと言えるかもしれません。

  • 急に思い出したのは、新卒で「組織と人をwin-winにしたい。人事になろう。」とキャリアを選択した時のことです。深く思考するということができていない未熟者でほとんど直感に従って生きているだけでしたが、会社を選んだ軸は単純に「多様な人がいて、多様な現場がある企業のほうがいい。」でした。自分でもまったく自覚のないままに、実は、より難易度の高い「葛藤」の魅力におのずと引き寄せられたのかもしれない、などと振り返りました。

すっかり書籍の本論からは逸した感想になりました。人材開発・組織開発コンサルティング、社内・社外問わず人材開発・組織開発に携わる方に、根本的なアプローチを指南する極めて分かりやすい教科書です。これからの実践における行動変容に役立てたいと思います。皆さんも、分厚さに負けずに、ぜひお手にとってみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました!



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