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展覧会レポ:アーティゾン美術館「石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 野見山暁治」

【約2,600文字、写真約40枚】
アーティゾン美術館の「石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 野見山暁治ぎょうじ」を鑑賞しました。写真をメインに、その感想を書きます。

結論から言うと、1)アーティゾン美術館所蔵の質が高く、センスの良い作品を数多く見ることができるため満足度は高い、2)5階・4階のコレクション展は、企画展と同レベルでメインのような存在、3)好きな作品をじっくり見たり、自分の新たな「好き」を発見できる良い機会でした。そのため、アートに興味が薄い方にもおすすめです。
アーティゾン美術館のコレクション展の良さが1mmでも伝われば幸いです。

※このコレクション展(4階・5階)は、以下の投稿の続きです。

展覧会名:石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 野見山暁治
場所:アーティゾン美術館
おすすめ度:★★★☆☆
会話できる度:★★★☆☆
ベビーカー:ー
会期:2023年12月9日[土] - 2024年3月3日[日]
休館日:月曜日
住所:東京都中央区京橋1丁目7−2
アクセス:京橋駅から徒歩約5分
入場料(一般):1,800円
事前予約:した方がいい
展覧所要時間:1時間弱
混み具合:ストレスなし
展覧撮影:全て撮影可能
URL:https://www.artizon.museum/exhibition/detail/562

▶︎「石橋財団コレクション選 特集コーナー展示 野見山暁治」感想

メインビジュアルは、新収蔵作品であるパウル・クレー《双子》

✔️5階(石橋財団コレクション選)

石橋財団は、19世紀後半の印象派から20世紀の西洋近代絵画、明治以降の日本の近代絵画、第二次世界大戦後の抽象絵画、日本および東洋の近世・近代美術、ギリシア・ローマの美術など現在約3,000点の作品を収蔵しています。5階、4階ではこれらコレクションの中から選りすぐりの作品をご紹介します。

公式サイトより

この展覧会のキュレーションには、特にストーリー性はありません。ただ、石橋財団の素晴らしい作品を見る・愛でることができます。また、ほぼ全て撮影が可能な点も嬉しい点です。

5階と4階の2フロアにわたって、約 100点の作品が展示されています。近年、新たに収蔵したパウル・クレー 《双子》、《小さな港》や、荒川修作 《クールベのカンヴァス No.2》なども紹介されています。

アーティゾン美術館のコレクションは、作品、展示方法ともにセンスが良いと感じます。アーティゾン美術館に行く際、私は企画展を楽しみにすると同時に、コレクション展を見ることも毎回楽しみにしています(都内では、東京国立近代美術館のコレクション展も好きです)。

本展はコレクション展です。そのため、今回の投稿は、印象に残った作品をパラパラと紹介することにとどまります。

展覧会の風景
ピエール=オーギュスト・ルノワール《すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢》:近くにいたご婦人曰く「アーティゾン美術館といえばこれよね〜」とのこと
エドゥアール・マネ《自画像》
エドガー・ドガ《右手で右足を持つ踊り子》
ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》
クロード・モネ《黄昏、ヴェネツィア》
アンリ・マティス《石膏のある静物》
ヴァシリー・カンディンスキー《3本の菩提樹》:新収蔵作品。カディンスキーっぽさを感じさせない風景画
ジョルジョ・デ・キリコ《吟遊詩人》:2024年開催予定の東京都美術館「デ・キリコ展」は興味あり
パウル・クレー《双子》:新収蔵作品。子供の顔が二つ重なっているように見える
荒川修作《クールベのカンヴァス No.2》:「グレーを忘れろ」と、見るものの思考形式に揺さぶりをかける作品
ジョアン・ミロ《絵画》
マーク・ロスコ《無題》:ロスコの作品は撮影不可の場合が多い。しかし、これは撮影ok。今年こそ、DIC美術館に行きたい
草間彌生《無題(無限の網)》
藤島武二《天平の面影》:重要文化財
クリスチャン・ダニエル・ラウホ《勝利の女神》
「ビューデッキ」:現在は横に大きなビルが建設中のため、ほぼ何も「ビュー」できない

✔️4階(特集コーナー展示 野見山暁治)

野見山暁治(1920-2023)は、長い画業のなかで具象と抽象のあいだを漂う独特の画風を確立しました。特集コーナー展示「野見山暁治」では、石橋財団が所蔵している野見山暁治の作品全7点からその魅力に迫ります。近年新たに収蔵した3点は初公開となります。

公式サイトより

4階には「特集コーナー展示 野見山暁治」が設けられ、新収蔵作品3点も展示していました。さらに「石橋財団コレクション選」の後半部へと続き、野見山氏が関わりをもった美術家たちの作品を紹介する構成でした。古美術室には、琳派の作品も見ることができました。

アーティゾン美術館のブックレットは毎回、カラー刷りで説明も非常に丁寧。これを読むだけでも来る価値がある
野見山暁治 関連年表
野見山暁治氏の説明

野見山暁治氏(私は名前も存じ上げなかった)は2023年、102歳で逝去。かつて、村上隆は「芸術家は死んでから評価される」とテレビ番組で言っていました。その意味では、今後、野見山暁治氏の名前を見ることも増えてくるかもしれません。

野見山暁治《タヒチ》
野見山暁治《振り返るな》
野見山暁治《かけがえのない空》
野見山暁治《予感》:新収蔵作品
尾形光琳《孔雀立葵図屏風》:重要文化財
青木繁《海の幸》:重要文化財
アンリ・マティス《画室の裸婦》
アンドレ・ドラン《女の頭部》:新収蔵作品。ローランサンとも親交が深かったドラン
ジョルジュ・ルオー《エルサレム》:パナソニック美術館の「ルオー展」も記憶に新しい
アルベルト・ジャコメッティ《ディエゴの胸像》
藤田嗣治《猫のいる静物》
猫がかわいい
藤田嗣治《横たわる女と猫》
猫がかわいい(2回目)

▶︎まとめ

5階を6階から見た展覧会の風景

いかがだったでしょうか?私はこのコレクション展は、アーティゾン美術館の6階で企画展を見た後のご褒美と捉えています。あまり時間はかけず、お気に入りの作品をじっくり見たり、自分の新しい「好き」に出会える良い機会だと思います。そのため、アートに興味が薄い方にもおすすめです。アーティゾン美術館のコレクション展の良さが1mmでも伝われば幸いです。

▶︎今日の美術館飯

★3.2/2foods 銀座ロフト店 (東京都/銀座一丁目駅) - プレーンドーナツ (¥345)、アイスオーガニックジンジャーレモネード (¥391)

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