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香辛料道楽 キャラウェイシード編

スパイスカレーを作るうえで、目指したい味といえば神保町のインド風カレーエチオピアである。
休日などは今でも長蛇の列ができる、いわずと知れた老舗で、様々なスパイスを使った複雑な味わいが実に美味。何とか再現できないものかと挑戦してはいるものの、まだまだ足元にも及ばない。

チキンカレー。目指せエチオピアの味である。

名店の余裕か、店内には使用している12種のスパイスについての解説が貼り出されている。このくらいのネタバレは痛くも痒くもないということらしい。しっかりメモをして、後日買いそろえることにした。形から入る性格である。

クミン、コリアンダー、ターメリック、カルダモンなどのメジャーどころは近くのスーパーでもそろえることができるのだが、この時苦労したのはフェンネルとキャラウェイだった。
横浜駅の成城石井に行ってやっと見つけた。
フェンネルのほうは参考にしているカレーの本にも載っており、ミールスにも使うようだったが、一方のキャラウェイのほうは、今一つわからない。エチオピアで使っているのだから間違えはないとは思うのだが。

キャラウェイは和名を姫茴香(ひめういきょう)といい、スっとした爽やかさとほのかな甘味が特徴とのこと。
私が買ったのはmascotのものだが、容器にはザワークラウトやコールスロー、ビーフグーラッシュのほかライ麦パンやクッキーに入れるといいと書いてある。
カレーは積極的にすすめられていないのだが、そこをあえて使うあたりはエチオピアの名店たるゆえんか。きっと試行錯誤の末たどり着いたのだろう。

スイーツとの組み合わせでは、イギリスのシードケーキというのがあるそうだ。
先日テレビで見たのだが、現在はポピーシードが一般的とのことだが、本来はキャラウェイシードだったのだという。
アガサ・クリスティがミス・マープルの作品内で「ほんもののシードケーキ」かどうかをレストランで尋ねるシーンを描いているのだが、これはキャラウェイシードを使ったものなのだという。

スパイスを使った料理というとカレーばかり作っているのだが、たまにはスイーツを試してみるのも面白いかもしれない。

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