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みんなでつくる世界。

この度清世さんに、自分のnoteをイメージしたイラストを
描いていただきました。
これは企画参加特典ということだったので
他にも参加した沢山の方々がそれぞれ清世さんに
イラストを描いていただいています。
どれもすごく可愛いイラストばかり!

そこで今回は、描いていただいたイラストを使って
ある短い物語を作ってみました。
イラストについては、今回関わる全ての方々に了承を得て
使用させていただいおります。

よかったら読んでいただけると嬉しいです。

【はじまりはじまり〜】

こんにちは。
僕、カエルって言います。
仕事は郵便屋さんをやっています。

僕、好きな人がいるんです。
その子は、それはもうとってもとっても可愛い子で。
彼女は自分で羊毛教室を開いている、すごい人なんです。
生徒さんからもすごく慕われてて、本当にいい子なんです。
今度僕にも教えてくれるって言ってたけど
僕は不器用なので彼女に嫌われないか、今からすごく心配しています。
でも、ちょっと楽しみだったりもしています。

僕の好きな人は「Marmaladeちゃん」といいます。
名前、とっても可愛いでしょ?
まぁ顔もすごく可愛いんですけどね。
出会いは僕が配達で回っていた時に、彼女を見かけたのがきっかけでした。
完全に僕の一目惚れです。
すると、まさか知り合いの知り合いだったんです!
そこで僕はその知り合いに頼み込んで
なんとか彼女と友達になれたというわけです。
そんな彼女に僕は最近、デートを申し込みました。

僕、実はそのデートで、彼女に告白しようと考えています。
うぅ〜考えるだけで緊張します…。
告白ってほんと大変なイベントですね。
でも僕は決めたんです。
あの子の彼氏になるんだって…。

今日はその大事なデートの日です。
待ち合わせは18時。早く仕事を済ませなきゃっ。
この大イベントを知っているのは職場の先輩である
ウサギのゆりさん、ただ一人。
これまでもずっと話を聞いてもらっていました。
すごく優しくて頼りになる先輩なんです。
今日だって…
「あとは私がやっとくから、早く待ち合わせ場所に行きなさいっ。遅刻したら大変よっ。」
と、僕のことを気にかけてくれました。
告白が成功した暁には、先輩、何か奢らせて下さいっ!
そして僕は、急いで待ち合わせの場所に向かいました。

待ち合わせの時間の少し前に着きました。
彼女を待つこの時間だって僕には愛おしいんです。
おい大丈夫か、僕。
彼女、今日はどんな服装でくるのかな~。そんなことも楽しみな僕。
そうそう、ちゃんとプレゼントだって用意しました。

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どうです?この可愛い青い麦わら帽子。
ここ最近、暑い日が続いてますからね。
少しでも彼女の役に立ちたくて。
まぁそれに、デートにはやっぱりプレゼントですよね。
何かの雑誌で読みました。
彼女、気に入ってくれるといいんですけど…。
あ!みなさん、彼女がやってきました!

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あ……

今日の彼女は、それはそれは可愛らしい麦わら帽子を被っていた。
それを見た僕は、用意していたプレゼントの青い麦わら帽子を
さっと隠した。
彼女はもう十分に似合う、可愛い可愛い麦わら帽子を被っていたから。
それは本当に、とてもよく彼女に似合っていた。

「ごめんなさい!お待たせしてしまって…」
「全然!僕も今来たところですから。それでは行きましょうか。」

僕たちはゆっくりと歩きだしました。
お互いのんびりしたところが合うのかもしれません。
そこにはあったかい穏やかな時間が流れていました。

「今日はどちらへ?」
「もうすぐ着きますよ。あ、ここです。」

今日僕らが夕食を食べるお店はここ。
「ぬか漬け居酒屋しの」
ここは職場の先輩であるゆりさんが教えてくれたお店。
どうやら着物を着た美人女将がいるらしい。
あ、僕は彼女一筋ですけどね。みんな、そこ勘違いしないでくださいね。

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そしてここは料理も最高だって聞いたんです。
お酒も豊富に揃っていて、女将さんの見立てが素晴らしいと
評判みたいです。
僕は初めて来ましたが、すごく人気のお店なんですね。
…と、みんなにはここで色々説明しておきますね。
でも彼女には内緒です。
彼女にいい所を見せたい僕は、そんなことは軽々しく喋りません。
落ち着いた雰囲気を出し、けれど少しの行きつけ感というものを
態度でちょっとばかし醸し出したいわけです。
まぁ、正直初めてのお店なんですが…。

「ごちそうさまでした。」
長い時間ゆっくりした僕らは、お店を後にしました。
美味しい料理を食べながら、お喋りもすごく盛り上がりました。
女将さんもとっても優しい方で、僕たちを見るなり
ゆっくりできそうな奥の個室へと案内してくれました。
この配慮が僕にはすごく嬉しかったですね。
これは本当に行きつけになるなぁと思いました。
もちろん彼女と「ふたり」で…。

しばらく歩いた後、公園に来ました。
ふたりでベンチに座ります。
とうとう告白の時間がやってきました…
さっきからドキドキし過ぎて何を話しているのかわからなくなっている僕。

「あの。さっきから険しい顔をしてますけど、どうしました?もしかしたらその…私といても、楽しくないですか…?」
「そっ、そんなこと、絶対にありえませんっ!!」

つい、大きな声を出してしまいました…
彼女も驚いています。そして自分も驚いています。
僕ってこんな風に感情を出したり大声で叫んだりできるんだって…。

僕はあまり感情を表に出す方ではないけれど
やっぱり彼女の前では自分をうまくコントロールできないみたいです。
それほど好きなんだってことが、自分でもよくわかりました。

よし。今しかないぞ、僕。
頑張れ僕。

「…好きです。もしよかったら、付き合って下さい!」

うまく顔を見れないので、頭を下げて真っ直ぐに彼女に手を差し出す。
その時の僕の顔といえば、かなり酷かったと思います。
頭、下げててよかったぁ…
ぐーっと力を入れて差し出した手と腕が
小刻みに振るえているのが自分でもよくわかります。

すると突然、その手がふわっと軽くなりました。

「私でよければ…喜んで。よろしくお願いします。」

頭を上げると、僕の手を優しく包み込んで
にっこり笑顔の彼女がこちらを見つめていました。
カチコチに固まっていた全身が、じんわりと緩んでいくのを感じました。

僕らは「彼氏」と「彼女」になりました。

その夜、僕は家に帰ってきてから日記を書いていました。
この日記帳は、友達のピリカさんからもらった「ピリカ日記帳」です。
どうやらこの日記帳にずっと日記を書き続けていると
いつか「不思議なこと」が起こるらしいのです。
まだその不思議なことが起こっていない僕は
それがいつなのだろうと、密かに楽しみにしていました。

そして僕は今日も、僕の日常を日記に綴ります。
今日はとってもとっても特別な日です。
なんだかいつもより気合いを入れて書いてしまいました。
いつもはイラストなんて描かないのに
青い麦わら帽子の絵なんて描いちゃいました。
僕はふと、渡せなかった青い麦わら帽子を見ました。

「ごめんね、今日渡せなくて。彼女があまりにもよく似合う素敵な麦わら帽子を被ってたから、つい渡しそびれちゃったよ。でも今度は必ず渡すから、もう少しだけ待ってて。」

そう言いながら日記帳を閉じようとした瞬間
日記帳がキラキラと眩い光を放ち始めました。

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「何だっ!一体どうなっているんだ!?」

キラキラと光る日記帳からは、星たちが一斉に飛びだしてきました。
あまりの強い光に、僕は全く目が開けられません。
そしてそう思った瞬間、僕は気を失っていました。

……………

遠くから、可愛い声が聞こえてきました。

「パパ~。ねぇパパ~。」

身体が揺れ、ゆっくりと目を開ける僕。
目の前には僕に似た、とっても可愛い女の子がいました。

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「ねぇ、パパがママにプレゼントしたこの帽子、借りてもい~い?」

僕はぼーっとしながらも
「あぁ、もちろんいいよ。」と、自然に答えました。
その可愛い女の子は、ありがとう!と喜んで
向こうへ走って行きました。

「どうしたの?大丈夫?」

僕に声をかけたのは、僕の彼女…いや。
僕の奥さんのMarmalade、愛しのMarmaladeでした。

「うん、大丈夫。なんだか昔の夢をみていたようだ。君と出会ってから付き合うまでの、長い長い夢を…。」
「あら、そうなの?それなら私も見たかったわ、ふふっ。」

相変わらず可愛い僕の奥さんMarmalade。

さっきの可愛い女の子は、僕たちの子どもです。
あの子は、あの青い麦わら帽子をとっても気に入っています。
いつもママからあの帽子を借りて、お出かけをします。

「あの後、ちゃんと渡せたんだな…よかった。」

ひとりぽつりと言った後
僕は二人の可愛い麦わら帽子さんたちに呼ばれて
ゆっくりと立ち上がったのでした。


【おしまい】


最後まで読んでくださりありがとうございました。

今回登場人物に合わせたイラストは全て、清世さんが描いてくださった
イラストを使用させていただきました。

このイラストは清世さんのこちらの企画に参加した際に
参加特典としてプレゼントしていただけるものです。
(このように投稿することついては了承を頂いております)

清世さんに描いていただいたみなさんも、こうしてそれぞれ
清世さんへの感謝のメッセージと共に記事を投稿されています。

Marmaladeさん

shinoさん

ピリカさん

ちなみに私も投稿させていただきました。



清世さんの特典イラストには特徴があって
「あなたのnoteから妄想したあなたを5分以内でサクッと描きます。」
という趣旨のもとに描かれたイラスト、という特別な意味があります。
つまりこの可愛いイラストは、企画に参加したnoterさんそれぞれの
個性が描かれているという素晴らしいイラストなのです!

そう思ったら「この素敵なイラストを使って何かしたい!」と
もうね、ウズウズしてきたんです〜!
そこでみなさんのイラストから浮かんできた「ある物語」を
ちょっと形にしてみようかなぁと。

それが今回のこのカエルさんの不思議な物語だったというわけです。

この物語ができたのも、全てはこのイラストを生んでくださった
清世さんの素晴らしい才能と、個性豊かで多才なnoterのみなさんの
お陰だと思っております。

清世さん・Marmalade さん・shinoさん・ピリカさん。

私にこの物語を書かせていただき
本当にありがとうございました。


ではまた。



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