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フードロスってなんだろうと考えてみた話

フードロスとはいったい何のことか

SDGSとかいって、ここ何年か注目されている「フードロス」だけど、ずっと昔から食品捨てるのもったいないよね、って言われながらも、肌感覚ではあまり解決していないように思っています。

何を「フードロス」というのだろうか、といろいろ調べていくと、どうやら言葉の定義が違うらしい。
「フードロス」と「食品廃棄」は意味が違うようだ。
国際連合食糧農業機関では、「Food Loss」は生産された食糧のうち、小売店舗や消費者に届く前に廃棄になる食品のことを指します。そして、小売店舗や外食産業に商品が届いてから、家庭で消費する過程で生まれる廃棄を「Food Waste」と呼んでいます。
https://www.mottainai-shokuhin-center.org/foodloss/

👆 日本もったいない食品センターのHPから画像を作ってみました。

日本では「食品ロス」を推計している

環境省が出している「食品ロス」というのは、この定義でみると、
食べられるのに、捨てている部分を指しています。事業系と家庭系で分けて推計しています。
2020年(令和2年)の日本の食品ロスは年間522万トンだそうです。

2020年(令和2年)の実績をグラフにするとこんな感じ。

2012年から2020年までの推移。減少傾向ですね。

事業活動から発生する「食品ロス」は約53%

スーパーやレストランに並ぶまでは、事業ごみ(53%)
自宅で消費して発生するのが家庭ごみ(47%)
つまり食品ロスというのは約半分は家庭で発生してるってコト・・?(ハチワレ風)

事業ごみのうちわけも見ていきます。
農林水産省のHPから明細の資料がありました。

事業ごみも減少。特に外食で減少。コロナの影響かな…?

事業系について、2012年から推移でみても減少傾向ですが、
食品製造業と外食の減少幅が大きいということであり、食品小売業は減少トレンドであるとは言えないのです。

フードウエイスト(Food Waste)で計算すると74%

この事業系でみると、食品小売業60万㌧と外食産業81万トンで141万㌧が実績になっていますが、これを家庭で発生する廃棄を合算すると388万㌧にのぼり、食品ロス全体の74%を占めています。
この数字で考えると私たちはもっとFoodWasteを考えるべきだなと思うのです。
家庭での食品ロスは買いすぎ、作りすぎですが、そもそもそれを促進しているのは小売業です。
小売業の食品ロスの原因は何でしょうか。

食品ロスの74%の原因

スーパーに長く働いていたのですが、生鮮食品やお惣菜の担当の人は、閉店後に大きな袋をもって、商品を生ごみにして捨ててたのを見ていました。
凄く違和感があって、悲しい光景でした。
スーパーマーケットは、商品をたくさん売るために、値段を安くしたり、まとめ買いで安くしたり、大容量サイズにしてお得にみせたりして、いろんな工夫をします。

そうやってたくさん買わせるために、必要以上に商品を並べたり、品切れがないように一定数在庫を用意したりすることもありますし、恵方巻の太巻きや、土用の丑の日の鰻の過剰販売と大量廃棄もあります。年始は鏡餅やおせちもたくさん並べて、時には廃棄もします。

小売事業者の売り方の変更が必要だと思う

本当にやるべきは、小売事業者の売り方の変更かもしれません。
単身世帯や料理を作らない人が増えているのに、
使い切れない以上の生鮮食品を買ってもらったり、無駄に大きなお惣菜を販売するのはもうやめた方がいいんじゃないかな。

売上が取れない、となるかもしれないけど、
無駄に安くするのではなくて、適正価格で販売する、鮮度の良さで価値を高めるとか。あとは消費者側の価値観になるけど、グラム単価が高くなっても許容してるようになっていくかもしれない。
商品開発でも、日持ちしやすい冷凍食品の普及とかそもそもの賞味期限を見直していくとかいろいろできることもある。

こんなことを思い至ったのは、イギリスのスーパーが賞味期限表示をやめたっていう記事を見かけたためです。鮮度管理も自己責任なんだろうな。
その他にも売り方の工夫は試行錯誤しています。
日本のスーパーもこういった変化をやってほしいです。

というわけで今日は食品ロスのお話でした。

ちなみに、日本の「もったいない」っていう言葉は、英語にはない言葉で、独特の価値観を持つ言葉のようです。だからこそ、日本発でたくさんの解決策が出てくるといいのになと思うのです。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

おしまい


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