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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿136

第135回から続く



クリーブランド連銀のCPI(米消費者物価指数)予想です。

ゴールドマン、3月の米利上げもはや想定せず


ブルームバーグ記事の引用
・「FRBの利上げ見通し、エコノミストが引き下げ―SVB破綻などで
・「ゴールドマン、3月の米利上げもはや想定せず―今後の不確実性に言及


「ゴールドマン・サックス~銀行システムにおける現状のストレス、リスクを鑑みて、3月22日のFOMCでのFRBによる金利の引き上げを、もはや見込んでいない、予想していない。」~ゴールドマンさんは昨日、日本時間の日中の時点でこうおっしゃっておられました。

3月に利上げしない確率が、マーケットで約44%


つい先週は、今度のFOMCでは50ベーシスポイントの利上げに回帰か(そうなるかどうかは全く別として)という事がマーケットの中で話題になっていましたが。

3月に利上げしない確率が、マーケットで約44%くらいあるんですね。
変れば変わるものですね、マーケットの話題って。マーケットですから、って思って見てます。こういう時ですから、あまり何かひとつ方向に偏らないようにしています。

今回は、ゴールドマン・サックスのヤン・ハチウス氏らのコメントであっても、いつもよりも、一歩も二歩も引いて拝聴し、偏らない、決めつけないように自分で心がけています。

雪だるま式って言う事について、過去の寄稿やスペースでも述べてきましたが。
「話が、こう、インフレ退治とかの話プラス、銀行の破綻の話が付け加わって行って。ようは、話が、雪だるまのように、雪だるま式になって行く時」~話が、雪だるま式になりつつあるように見えています。

そう思いながら、今、僕の頭にあるのは、これです。

第64回の寄稿で引用させて頂いたチャートです。

第64回寄稿時から~「S&P500のチャートをご覧ください。Jeff Wenigerさんがシェアしてくださいました。矢印グリーンスパン元FRB議長時代の最初の金利引き下げ、そして、バーナンキ元FRB議長時代の最初の金利引き下げが示されています。この動きをイメージしておくことが大事であると思います。」~第64回寄稿から

これこそが、「私達が歴史から学び、知っておかなければならない、とっても大切な事」だと僕は思いますし、本日、ここで、再度、”最も強調”させて頂きます。



他のなにをしゃべるよりも、このチャートが大事です。


マーケットのボラティリティ(変動率・乱高下)は時間と共に高まって行きながら、本当の、強烈な下げ、下落、崩落、暴落、まあ、呼び方は色々ですけど、その強烈な下げって~この時、この最初の金利引き下げの後に来るという事を少なくとも、私達は、歴史から学ぶことによって、知っておかなければならない事だと思っています。

このJeff Wenigerさんがシェアしてくださったチャート、これは大事だと僕は思っています。これまでもこの寄稿で、この第64回前後の寄稿を読んで頂けましたらと繰り返してきたつもりではいます。


昨日(第135回)の寄稿から~「最速のペースで金利を引き上げて来て~最もアグレッシブな金利引き上げサイクルを目にしています」~【FRBの利上げにより、破綻したシリコンバレー銀行以外に、シリコンバレー銀行と”類似している状態””なのかもしれない””、アメリカの地方銀行が他にもあるのか、ないのか、あるのでは?あったら??というところです。今、それが、表面化していなくても、”いずれどこかでそれが問題になる”かもしれない”そのリスク”】

SVBと同様の問題抱える金融機関は複数ある


あ~、SVBと同様の問題抱える金融機関は複数あるわけです。
ブルームバーグ記事2本を引用させて頂きます。
・「米財務省高官、SVBと同様の問題抱える金融機関は複数ある」
・「シグネチャー・バンクを事業停止、NY州当局―SVB破綻の余波」


「最速のペースで金利を引き上げて来て~最もアグレッシブな金利引き上げサイクルを目にして」~多かれ少なかれ、この影響をすでに受けている企業はたくさんあるわけですよね。

短期的にこの売られすぎの状態”からの、戻りラリー


【【僕が思っているのは、第134回の寄稿で引用させて頂きました通り、McClellan オシレーターから、マーケットは先週末時点で売られ過ぎの状態で、それで、”単に”、”短期的にこの売られすぎの状態”からの、戻りラリーのようなものがあっても、それでもそこから(戻りラリーのようなものの後)、また、下落へ向かうと、僕は、そう思っています。】】


FRBの銀行に対する新しいファシリティ

こちらは、Neil Irwinさんがシェアしてくださったツィートです。

Bank Term Funding Facility~(FRBの銀行に対する新しいファシリティ)。

引用~「FRBの新しいファシリティ~銀行は額面で担保を差し入れる事ができる事、これは注目に値しますね。時価評価の損失を伴う長期国債もしくはMBS(住宅ローン・不動産担保証券)の保有は、もとの価値に基づいて流動性を解き放つことが出来るという事を意味しいているわけですから。」
これは言い換えると、FRBは銀行のバランスシート(貸借対照表)のダメージを気にする事なく、金利をより高く引き上げることができるという事を意味していることです。

それで、これが、QE(量的緩和)スタイルなんだ、QE(量的緩和)だ、って言うアメリカの人達、結構、多いようでもあるんですが。
でもこれは、これはQE(量的緩和)ではないですね。これはQE(量的緩和)では、ないです。

”これは、FRBが、今行っている金融政策を、引き続き、継続して行くための手段として”だと解釈しています。

よって、僕は、マーケットに対する僕の解釈として~「先週末時点で、McClellan オシレーターからも、売り手による売り疲れがすでにあった。シリコンバレー銀行の破綻から、ショート振った人達もたくさんいたでしょうし。今度は、そのショートカバーに、いろいろ連想、理由、希望的観測がくっついて、短期的に戻りラリーみたいなものがあったとしても、そこからまた下落するでしょうね、と僕は思っているわけです。」~それで、僕は「突っ込み売らず、戻りを売る」が自分の姿勢なわけですから、無理することなく、どのくらいまで戻るのか、そこを見ています。マーケットで、手が合わないと思ったら、無理しません。

上記このように昨日自分の意見を書きとめた後、今朝起きて見たら、モルガン・スタンレーのチーフ・ストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏のコメントを目にしましたので、ブルームバーグ記事を引用させて頂きます。

・「SVB後の株価反発を捉えて売りを-モルガンSのウィルソン氏

それで。いや、別に2008年の時と比較するわけでもないんですけど。それはもう、当事者、そのものとしても経験したその頃。それは脇に置いて。マーケットからという観点で見ると、当時、最初の、ベアースターンズも、もちろん大事なんですけど。そこから半年後のリーマン・ブラザースがインパクトあったわけです。2つ目のほう。

”いけにえ”を探していて



まあ、前に、スペースとかでお話しましたが、マーケットは、前回の金融危機の時、ベアースターンズ後、サブプライム問題において、次の、こうなんというか、”いけにえ”を探していて。ベアー・スターンズ後、そのいけにえ探しの動きは結構顕著にみられる事もあって。それで、リーマン・ショックでした。

だから、今回、最初のこのシリコンバレー銀行の破綻も、もちろんよく見ておく必要あると思いますが、2つ目の何か?2つ目のそれ(がホントに起こるのかどうかさえ、僕にはまだわかりませんが)、その2つ目は何?それあるの?というところに、僕は、頭が行きますね。

いやこれは、過去の寄稿やスペースなどで述べて参りました事の繰り返しですが。僕の頭の中に、「BofAは米金融当局が引き締めを終了するにはリセッション(景気後退)とクレジットイベントが起こる必要があり、それが新たな強気相場の始まりをひき起こすことになると、ハートネット氏は説明した。(マイケル・ハートネット氏 バンク・オブ・アメリカ ストラテジスト)」~これは、もちろん、当然、僕の頭の中に、いつもあるわけです。こういう順番ですから。

2つ目の何か大きそうなことが、時間をおいて



それで、2つ目の何か大きそうなことが、時間をおいて、もしあるのであれば、そういうことにつながっていくのかなあ?と、まず、ひとつ(シリコンバレー銀行の破綻)それが起こると、次の2つ目を思い描く、個人的な習性ですかね。2つ目あるの?あるなら、それは何?2つ目、より注目してます、という事です。


余談~



相変わらず、現在も共和党内で一番人気のトランプ氏。
トランプ氏って、ここのところ、自身のソーシャル・メルディア、トゥルース・ソーシャルで、それはもう、ものすごく、いきり立っておられます。過去の寄稿で述べてきました通り、ジョージア州の州法に基づいた起訴が、いずれ、まずは、の事なのかなあと、思っていたのですが。もしかすると、そのタイミングによっては、ニューヨーク州の州法に基づいた起訴が先になる事もあり得るようで。

2つの州の州法に基づいた捜査、そして、連邦法に基づいて、ジャック・スミス特別検察官が、大きく分けて2つ、ひとつは、1月6日の議事堂襲撃事件の捜査と、もうひとつは、トランプ氏退任時、ホワイトハウスから、国家の機密情報をフロリダの自宅に持ち出した、機密情報持ち出し事件を捜査しています。他にも、トランプ氏にまつわる法律上の案件はたくさんあります。でも、大きくわけて、この4つ(2つの異なる州(ニューヨーク州とジョージア州)の州法、と、連邦法に基づく2つの件)全部から、無事に逃れることはできないのでは、と、アメリカのメディアなどでは言われています。

これまで過去の寄稿で述べてきたました通り、そのトランプ氏が大統領在任中に話題になっていた、NYダウ3万ドルですから。

いやがおうでも、まずは、目先、手前、足元、「現政権は、NYダウの3万ドル、これは相当意識している」でしょうねと僕は思っています。
だから、まあ、第132回寄稿で試算、
$202 x 18x(倍)=S&P500で3,636(NYダウで30,179ドル)
「現政権はNYダウの3万ドル、これは相当意識している」
と述べました。

こう申しておりますのは、アメリカで一般的に、政治とか経済とか金融とか、投資とか、そう言う事に興味やご縁があまりなく、エフ、アール、ビー?なんだそれ?飲み物?お菓子の名前?というような感覚で、目の前にある自分の日々の生活を大事にしていらっしゃる方々もいらっしゃるわけです。毎日、忙しいとおっしゃりながら。

トランプがどうとか、バイデンがどうとか、そう言うの何でもいいから、税金が安ければそれでいい、という方もいらっしゃいますし。

その人達からしてみれば、トランプがどうとかよりも、以前はインフレとかなかったじゃん。なんかそういう、自分たちの日々の生活を直撃する経済現象。バイデンになってから、それ、インフレが顕在化してきて。それで、次は、景気も悪くなるんかい?なんなの、バイデンって?という感覚もあるわけです。

以前の寄稿で述べましたが、バイデンさん支持率が戻ったと言っても46%近辺ですね。これ、55%とかになってるわけではないわけです。長いこと、支持率40%超ちょっと、あたりでうろついていましたから。トランプは他と比較不可なので、支持率についても、トランプの在任中の歴代最も低かった支持率は別として。バイデンさんの支持率は、トランプのそれより、ちょっと高かった(40%ちょっと上近辺)くらいのイメージです。それが、昨今、46%くらいまで戻って来ていたということで。

この辺ですよね。こういう事、イエレンさん(米財務長官)ブレーナードさん(米NEC国家経済会議委員長)も、痛い程、良くお分かりでしょうから。だから、もちろん、お仕事に全力を尽くされるでしょう。米国民の皆さんのために。
支持率は気にしないって?
いや、政治家なんで、世論と支持率は気にしてますって。

そうは言っても、いずれ、来るものは来るでしょう、精度の高いシグナルが経済指標や経済指数から出ていて、そう示唆していますし、と僕個人は思います。

アメリカですからね。バイデン大統領の一般教書演説が素晴らしくって、これこそ、正に、真のポピュリズム(大衆迎合)だと高い評価を受け、米国民のためと称賛されても、それは話をした、その話の内容にすぎませんから。実際、目の前にある現実はまた別で。

インフレ、その上、景気も悪くなりそう?あれまあ、解雇されちゃって、仕事なくなっちゃったよ~とかってなりますと。そりゃ、なんなんだ~なにが、バイデンだ~ってなりますから。民主主義がどうとか、権威主義がどうとか、大所高所からの話どうでもいいから、仕事をくれよ~日々の生活があるんだよ~ってなりますよ~そこは。


ディズニー・ワールドに並んでいる人の列がまだ長蛇の列


今まだ、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(フロリダ州オーランド)のアトラクションに並んでいる人の列がまだ長蛇の列で長いので、実際の経済のリセッションってまだ先かなあとは、これまでは思ってきました。リセッションとか本格的に視野に入ってくると、この列が短くなったりだと思うんですよね、僕は。そう思いながら、ディズニー・ワールドのアトラクションの列の長さを見ています。

P.S.(追伸)僕、普段、何もない平時の時って、別に、誰の話を聞こうが、どのコメント読もうが、そんな気にすることないんですけど。ただ、one decade・おおかた10年単位に1回とか、なにか、こういう今回のようなシリコンバレー銀行の破綻のような事があった後って、”強弱”がとっても大事だって僕は思っているんですね。

例えば僕だったら、まあ、普段、あまり気にせず、いろんなアメリカの専門家や自称専門家の話を見たり、聞いたり、読んだりするんですけど。そりゃ、いろんな人がいますよね。オンライン上では、エコノミストでないのに、エコノミストのフリしたりとか。FRBで実は働いたことないのにFRBを知り尽くしたように語ったり、FRBをボロクソに批判したり、投資銀行で実は働いたことないのに、投資銀行から出て来るコメントをボロクソに言って見たり。

ウォール街って嫌われてたんだあな

前回の金融危機。一般的に、納税者という観点から、アメリカでは、FRBとウォール街はやはり批判の的になりやすいですね。実際に自分が働いていた時代は、そんなに意識する事も気付く事も無かったんですけど。アメリカの一般社会から、実は、こんなにウォール街って嫌われてたんだあなって最近感じる事もあります。ただまあ、その人達が、オンライン上とかで、何か、ふり、をしなきゃならないために、大所高所からの話が必要で、FRBやウォール街を知り尽くしたかのようにボロクソに批判したりしているケースもあるみたいですね。そこは僕はどうでもいいので、株が上がるのか下がるのか、と、もっと具体的な見方を持っている人の話をなるべく聞くようにしています。

自分が当事者として投資をしている人ですとか、金融市場のその中にいる人達とその周囲でそれについて語る人達とはこれはまた全く別の事ですしね。僕は、今、アメリカの方のコメントを聞いたり、見たり、読んだりする時に、いつになく、セレクティブ(選別するように)になってます。そうしょっちゅうある事でもないですが、何年かに1回くらいですかね。こう言う事が必要な時って。

現実に、ここのところ、直接アメリカの友人と話したりとか、先週と今週、いたって自分の身近な人がアメリカ3州実際に足を運んで回ってたりとかして、それもあるんですが。たとえば、オンラインだったら、この寄稿で引用させて頂いた事がないような人達のコメントとか、ここぞばかりに、やっきになって見て見たりしています(笑)。

僕個人は、今、”誰の話を聞くか”これが、僕個人にとって、とっても大切な時です。



第137回へ続く


最後に …
これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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関連スペース

11月27日 第1回スペース 2時間

12月18日 第2回スペース 2時間20分

12月22日 第3回スペース 12分間

12月24日 第4回スペース 20分間

12月30日 第5回スペース 20分間

2023年1月19日 第6回スペース 8分間

2023年2月22日 第7回スペース 18分間

2023年2月25日 第8回スペース 8分間


関連note

私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
OUTLIER 「相乗的にパフォーマンスを高める食品と栄養素を集約。」


🍅🍅

弟子のNEOさんへ
アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。
🍅注意事項
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