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ソフトテニスのノスタルジック小噺

この記事をご覧いただきありがとうございます。

響きがよく”小噺”と名づけましたが、気の利いた話でもなくお色気もありません。エッセイ的なものです。

まず、私は小学3年生の頃から現在までソフトテニスをしています。

中学や高校では全国大会出場に向けて部活に明け暮れる生活を続け、社会人になってからも数年は全力で取り組んでいました。

おかげさまで県の大会では上位に入賞するようになり、国体に選ばれたり全国大会にも何度か出場させていただくレベルにまでなりました。

ここ数年は頻度がめっきり減ってしまいましたが、時折テニスがしたくなることがあり、運動不足解消の目的もあり、現在も定期的にテニスをしています。

話は変わりますが、トップの写真は、ソフトテニスのラケット”アーマーブレード55”になります。

詳しいデータが見つからなかったのですが、私の記憶では2004年〜2005年頃にヨネックスから発売されたラケットになります。もう20年前になるのですね。

そして、このラケットは、私が小学生の頃に欲しくてたまらなかったラケットでもあります。

ソフトテニスを始めて数年が経ち、道具にも少しづつ興味が出てきた頃、スポーツショップでこの”アーマーブレード55”を見て、一目惚れしました。

当時はヨネックスからこの”アーマーブレード”シリーズが発売されていて、使用者のレベル別に数種類のラインラップが展開されていました。

(拾い画)”アーマーブレード”シリーズ。あと「88」「8」というゴールドのラケットもあった記憶があります。

今でこそ、後衛用でも2本シャフトのラケットが主流ですが、この当時はまだ後衛は1本シャフトが主流の時代でした(次の”ナノフォース”から後衛用の2本シャフトがでてきたのかな?)

ラケット名の数字が高いほど上級者モデルであることは、当時から変わっていないようです。

私は後衛であり、これらの中でも、この”55”に一目惚れしました。シルバーを基調としたスタイリッシュでクールなデザインです。

なお、現在は”GEOBREAK70S”という真っ白なラケットを使用していますが、シンプルでスタイリッシュなデザインに惹かれて約8年ぶりにラケットを新調しました。自分の好みというのは、なかなか変わらないものですね。

現在使用している”GEOBREAK70S”

当時のラケットの販売価格は15,000円程だったと記憶していますが、小遣いを溜めようにも到底買えるとは思えず、親に相当ねだりました。あまりに欲しすぎたのもあり、リアルに半年くらいごねていたと思います。

相当長い期間ごねたのもあり、親の方が折れてくれて、ついにラケットを買ってもらいました。

ただ、実際に買ってもらったのは”アーマーブレード7”でした。上記写真の中心にある紅白色のラケットです。

小学生で小柄だった私には1本シャフトは扱えないと親が判断し、2本シャフトから選びなさいということでした(ちなみに私の親は当時から現在までソフトテニスの指導をしています)

それで、元々欲しかったラケットと同じレベルの”5”ではなく、なぜか”7”を選びました。なぜかと言われるともう当時の記憶はないですが、親の判断は正しかったと思いますし、今見ても”7”もなかなかにかっこよく、小学生の私でもそれなりに扱いやすかったです。

わがままだった自分を正当化するわけではないのですが、今までお古のラケットを使用していた私が初めてラケットを買ってもらったことで、なんとなく行っていた練習も俄然やる気がでてきて、大会でも少しづつ勝てるようになりました。”あめ”と”むち”は使いようですね。

なお、その後中学生になり、結局”ナノフォース5000”という一本シャフトを使用することになります。

(拾い画)ナノフォース5000。

中学の部活を引退するまでずっと使用していましたが、小柄な私でも楽にパワフルなボールが打つことができ、使いやすかったなあ。

あと、私はシルバーが好きなようです(笑)

さて、トップ写真のラケット”アーマーブレード55”ですが、私の所持品になります。

しかも、ここ最近で購入した、一応新品です。

なぜ手元にあるのかというと、尾道市のスポーツショップで販売していたからです。かなりほこりが被っていましたが、一応、新品として。

ちなみに、私は次の人生を歩むため、2023年4月上旬に、北日本から広島県尾道市へ移住しました。もし興味がある方は、ぜひ過去の記事をご覧ください。

移住直後、尾道市の商店街にある老舗のスポーツショップ「東洋堂」にふらっと立ち寄り、その一角にあるテニスコーナーを見たら、この”アーマーブレード55”が売っていたのです。

テニスコーナーには力が入っていないようで、ラケットのラインラップが上記写真のような”アーマーブレード”シリーズあたりで止まっていて、最近のラケットは一切販売していませんでした。

しかも、置いてある全てのラケットが一律6,000円で販売しているという状態です。

そこでこの”アーマーブレード55”を久々に見て、とても懐かしい気持ちになりました。このラケットを見た瞬間に、上記で書いた小学生当時の記憶が蘇ってきたのです。

そして、今になって当時欲しくてたまらなかったラケットと再開したことになぜだかすごく縁を感じてしまい、値段もラケットにしては非常に安価だったこともあり、つい購入してしまいました。

新品とはいえかなりほこりが被っていたので、入念に拭き取り、元のグリップは経年劣化でボロボロのため上からグリップを巻き、あとはストリングを張れば使用できる状態になりました。

まあ、私はここ最近ずっと2本シャフトのラケットを使用していますし、スピード化と早い展開化が進んでいる最近のソフトテニス業界では1本シャフトは不利になるため、実際に使用することはないと思います。

なので、完全に”観賞用”のラケットを購入したことになります。

このラケットを眺めていると、

「やっぱり今見ても好きなデザインだなあ」
「当時は勝ち負けとか関係なく純粋にテニスが好きで楽しかったなあ」
「親にあんなにごねて申し訳なかったなあ」
「そういえば当時のスポーツショップはもう閉店したんだよなあ」

なんて、懐かしい気持ちになります。

私の感覚として、子供の頃のワクワク感は大人になっても決して失いたくないものです。

そして、次の目標に向かうための私の原動力は、そのワクワク感です。次の人生を歩んでいくうえで、私がワクワクするための楽しいことや面白いことに素直に目を向けていこうと思っています。

そのような中、このラケットに再会できたことで、子供の頃の気持ちを少しだけ思い出すことができました。

今後も時折このラケットを眺めて、当時の純粋で好奇心旺盛でワクワクした気持ちを思い出しながら、人生の原動力にしていきたいと思います。

私が移住してきたこの尾道市は、坂の街であり海の街であり歴史と文化の街でもあります。移住先として選んだのにはいくつか理由がありますが、訪れるたびに感じるどこか懐かしいノスタルジックな雰囲気に惹かれたのも理由の一つです。

まさか、昔欲しかったものに再開するという、違う方向から懐かしさを感じることになるとは思いもしませんでしたが。

どのような形であれ、ノスタルジックな気持ちにさせてくれたこの街には感謝したいですし、この街を選んで正解だったかなと小さな喜びを感じています。

なお、生活も少し落ち着いてきたので、購入した中古車が届き次第、共通の知り合いを通じて紹介していただいたソフトテニスのクラブに行きたいと思っています。


楽しみやワクワクは、きっとまだまだ尽きません。


乱筆にて

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