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青磁と歴史と文学と 出光美術館

NHK大河ドラマ『光る君』では平安時代の色彩が鮮やかに表現され『源氏物語』の中の色の意味合いを意識しているのを感じられます。

青磁も源氏物語に登場します。末摘花すえつむはなが秘色(青磁)のような食器(「秘色やうの唐土のもの」(古ぼけて貧乏なのを表現してました)とあり、若菜・下わかな・げでも青磁色の上着を着た童女とありました。

青磁とは釉薬ゆうやく・うわぐすりや粘土に含まれる鉄分を酸素制限し、表面がガラス化することで生まれる陶磁器の総称です。

青磁 世界を魅了したやきもの 出光美術館

若草色、碧緑色、天青色、橄欖(かんらん)色。青磁の色の違いを表すそれらの言葉は、作られた場所(窯)や時代の特徴を表しており、一言で青磁といっても実に多様である。中国で生まれた青磁は、シンプルな造形と艶やかな色調を融合させ、中国をはじめ、アジアから欧米まで、そして皇帝・貴族から一般の人々にまで受容された。本展では、中国・越州窯や龍泉窯のほか、高麗や日本、さらには東南アジアなどの青磁も取りあげ、世界の人々を魅了した青磁の魅力に迫る。

出光美術館パンプレットより

第Ⅰ章 青いやきものの始まり —灰釉陶器
第Ⅱ章 中心本格化する青磁の時代 —三国時代から唐・五代をに
特集Ⅰ ユニークな造形・越州窯青磁のいきものたち
第Ⅲ章 揺るぎない美への追求とその展開 —宋・元時代の青磁
特集Ⅱ 官窯 —皇帝のうつわ
第Ⅳ章 青磁の魅力とその後 —明・清時代の青磁
特集Ⅲ 儀礼と茶の湯と青磁
第Ⅴ章 青磁をもとめて —高麗、日本、東南アジア
特集Ⅳ 継承される青磁の美 —波山の青磁

出光美術館パンフレットより

第Ⅰ章  青いやきものの始まり —灰釉陶器
西周時代~春秋時代~戦国時代~前漢(紀元前1046年~紀元前208年)の838年間ぐらいのやきもので、灰や窯の温度の変化で偶然に釉薬を発見し作られています。

釉薬の発見が青磁の色につながっていくのですね。

青くないです。灰色、灰褐色、褐色。自然釉の名の通り自然なのだけど、貫禄があります。細かい文様や細工もありました。

この先、きれいな色になっていくのだけど、わたしはここが好きだったな。
原点。原石。偶然。はじまりっていい。

春秋時代には、孔子、戦国時代には孟子に荘子。
始皇帝は、兵馬俑、万里の長城。
司馬遼太郎の『項羽と劉邦』の時代。
四面楚歌で項羽が破れて劉邦の前漢。

中国の歴史ってすごい。ここからなんだ、青磁。

日本は縄文時代から弥生時代。

第Ⅱ章  本格化する青磁の時代 —三国時代から唐・五代をに中心に
南北朝時代~三国時代~南北朝時代~随時代~唐時代~五代時代
(439年~907年)の468年間ぐらいの青磁。

出光美術館 パンフレットより

青磁の生産が盛んになり、晩唐から五代にかけての最高級品は「秘色ひしょく」と称され、青磁の代名詞にもなりました。『源氏物語』の秘色がここで生まれてました。

色が出てきて美しく輝いてきました。

『三国志』の曹操、劉備、孫権の時代を経て、
遣隋使・遣唐使と日本とも関わりが出てきます。
井上靖の『天平の甍』は、773年に唐に留学して
普照ふしょう鑑真がんじんを伴って
日本に帰ってきます。

弥生時代~古墳時代~飛鳥時代~奈良時代~平安時代。
遣唐使の廃止をいったのは、菅原道真。

まひろ(紫式部)が漢詩文の知識があったのは大陸文化の
影響なんですね。

第Ⅲ章 揺るぎない美への追求とその展開ー宋・元時代の青磁
五代時代~北宋時代~金時代~南宋時代~元時代(907年~1271年)の364年間ぐらいの青磁。

出光美術館 パンフレットより

竹のように節もあるし、すくっとしてりりしい。まるみも好き。

出光美術館 パンフレット

3本足とまるみがかわいい。歩き出しそう。

わたしたちがイメージする青磁の青緑色、翡翠の色でいっぱい。やはりこの色には魅せられる。

『源氏物語』が書かれたとされるのは、1003年。
平清盛は、宋と交流していました。
モンゴル、チンギス・ハーン、元。
鎌倉時代には、元寇がありました。

第Ⅳ章 青磁の魅力とその後ー明・清時代の青磁
明時代~永楽時代~清時代(1368年~1912年)の544年ぐらいの間の青磁。青花(染付)がされ、華やかさが増します。

室町時代、戦国の世となり豊臣秀吉は朝鮮出兵し、明国にも手をのばそうとしてました。江戸時代、明治時代、1894年日清戦争。

浅田次郎『蒼穹の昴』の春児チョンルは1889年に宦官として入廷してます。

第Ⅴ章 青磁を求めてー高麗、日本、東南アジア
高麗、日本、タイ、ベトナムの青磁です。

出光美術館 パンフレットより

細かく描かれている牡丹唐草が上品。人のようにも見えてきてユニーク。

出光美術館 パンフレットより

佐賀鍋島藩窯は、将軍家の献上、幕府の重臣や他藩の大名などへの贈り物、鍋島家だけが使うためにつくられた贅沢で豪華なものです。

繊細で美しい。日本の青磁、やはりいい。

重要文化財を含む116点の作品、見応えがあり青の世界の広がりを堪能しました。

出光美術館から見える景色

皇居、遠足(仕事)で行くところでお弁当食べるところ、トイレのところ。ランで走るところ。好きなところ。

blancheさんのnoteは丁寧でわかりやすいです。正直な気持ちもあり親しみがわきます。

はなえみさんの素直な感想も素敵です。

同じものを見ても感じること、表現が違っておもしろい。
balacheさん、はなえみさん、ありがとうございました。参考になりました。

青磁の歴史と、中国、日本の歴史と文学。
文化はつながっています。広がってます。
色のある世界ってしあわせだ。

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