見出し画像

生まれ変わったら、また出逢ってね

約6年前、私は恋をした。


もう一生、恋愛なんてすることは無いと思っていた。


そんな私の人生に、彼は彩りを与えてくれた。人生のどん底を何度も味わった私にとって、彼との出会いは、大げさではなく、私の人生を180度変えてくれるものだった。


彼は、私にたくさんの勇気をくれました。たくさんの考え方を教えてくれました。たくさんの優しさをくれました。私が知らなかった世界を教えてくれました。たくさんの愛情をくれました。


二人で一緒にたくさん学んで成長した。私は彼に大きく成長させてもらいました。彼は私より年下でした。だけど、彼は子供のような私を、たくさんの愛情で育てなおしてくれました。


いつも私の事を『3才』と言って。それがなんだか嬉しかった。3才だった私は、そのうち5才と言われるようになり、6才と言われるようになり、『小学生になれたね』と二人で笑った。


私は彼に甘え過ぎていた。頼りすぎていた。私は、もっと精神的に彼を、支えてあげられれば良かった。


突然のお別れだった。私にとっては。それでもお別れしてからも、彼は変わらず近くで私を見守り、支え、育ててくれた。


歳の差があったから、私は、もっと早くに彼と出逢っていたかったといつも言っていた。同じ世代だったらよかったなとも。彼もまた、そう言ってくれていた。


そして、今度は本当に会えなくなるお別れが、また突然やってきた。いままで連絡を取り合っていたのに、一切連絡がとれなくなった。きっと、仕方のない運命のお約束。


もっときちんと話したかった。納得ができないまま、話をゆっくりする時間もないまま、一切の連絡手段がなくなった。


もう、私に出来ることは何もなかった。毎日、泣いて、泣いて。最後の日の前日、初めて彼が私に弱音をはいた。いつもと立場が逆だなって思った。彼はいつも弱い私の支えだった。


突然のお別れに、寂しくて仕方なくて、どこにもぶつけることが出来ない、行き場をなくしたこの感情に、ただただ向き合うしかなかった。苦しくて、苦しくて。逃げ場がどこにもなかった。


ただ、今は思うんだ。生きてさえいれば、きっとまた会えるって。そう思っていたら、なんだか生きていける気がするから。


もっと早くに出逢っていたら良かった。私も彼と同じ年だったら良かったって、当時は思っていたけど、今はあの時だったから、あの年齢だったから、出逢えたんだって。それだから良かったんだって思える。そして、今回のお別れも、今の私なら、きっと大丈夫。あの頃の3才や6才の私ではないから。


彼とは、形がどんなでも一生離れることは無いと思っていた。


あのとき、一緒に話したこと。『生まれ変わったら、また出逢ってね』と言った私に、彼は『今度はもっと早くにみつける』と言ってくれた。


だから私たちは、きっとまた出逢うことが出来るって思えている。辛くて悲しいお別れだったけど、たくさんの事を学んだよ。私はまた、大きく成長出来ました。



だから、生まれ変わったら、また出逢ってね。