夫に先立たれた妻の相続の”最も大切なこと” 〜優れた資産運用とは、100年人生を真摯に考えること〜
夫婦の相続で絶対やってはいけないこと。
平均寿命からしても妻より夫が早く死ぬのが大多数でしょう。
結論から言うと、夫婦の持ち家は、(残された)”妻”が必ず相続することです。
子供に渡してはいけない。
例え資産家である経営者の夫が亡くなっても、その妻(母)は子供に実家(妻の住まい)を相続させてはいけないのです。
妻(=母)が「どうせ将来貴方(子供)が相続するのだから、お父さんの家を相続して良いわよ」などと宣言してはいけません。
そんなことをすれば、子供は大喜びして、
「お母さんありがとう!!」
「自分(子供)が相続しても、お母さんが住めば良いんだからね」
「最期まで、ここに住んで下さいね」
などとリップサービスをします。
ほとんどの場合、この相続は悲惨な結末を迎えます。
私の周りには、様々な沢山の事例があります。
”例えば”の話をしてみましょう。
夫に先立たれ年老いた妻が、子供に実家を相続させると。
最初は、実家暮らしで一人暮らしになります。
やがて、子供(分かりやすく”長男”としましょう)が一緒に住もうと言い始めます。
「お母さんのことが心配だから」
と言う理由で。
当然、その嫁(孫も)も付いてきます。
そうすると、最初は遠慮がちに気遣っていたはずの”嫁”との関係が、年月を経て上手くいかないことが多くなります。
嫁姑問題です。
その時点で、お母さんにとっては自分の家のはずなのに居心地が悪くなります。
実家は2世帯住宅でないのですから当然です。
そうなると、どうなるか。
その嫁は、夫の”持ち物である家”であることから、姑よりも上のような存在として振る舞い始めます。
嫁だけの問題ではなくて、夫(実子)の方も嫁よりに変わってゆきます。
その行く末は、年老いたお母さんは、ストレスから病になるか、老人ホームや養老施設に行かざる負えなくなるのです。
「親思い」「子思い」であることと、実家の相続を誰にするかは全くの無関係です。
むしろ、実家が相続で無くなりそうになれば、息子がやるべき事は「(お母さんのために)”実家”を何が何でも遺してあげる」ことです。
人生というのは常に変化し続け、人の心も変わります。
100年生きる前提ならば、なおさら”持ち家”というのは重要です。
100年前の43歳寿命の時代の2倍以上も生きるのです。
目先の相続税を計算して決めることではありません。
資産家である経営者の一家においても、”実家”だけは配偶者が相続しなくてはいけません。
会社の資産や株式は息子に相続させたとしても。
経営者ならば遺言(公正証書)には明記すべきでしょう。
もし、実家が田舎にあれば、建物はゼロ価値で土地すらも限りなく評価は下がり続けます。
100歳まで、その実家で暮らしていたお母さんが亡くなっても、相続税などは無いに等しいでしょう。
夫を亡くして独り身になった、お母さんはとても心細いものです。
つい息子や娘に強く勧められて、実家の相続を移譲してしまいがちです。
しかし、絶対に”実家”を譲ってはいけません。
子供との関係も壊れ、実家も獲られたのでは、本当に惨めな老後になってしまいます。
優れた資産運用というものは、最期まで人生(100年)をキラキラした未来にすることです。
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