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あなたは、それでもダイヤモンドを贈りますか 〜”投資”としての価値は下がる〜

恋愛アドバイザーとして、婚約指輪は必要かについて考えてみます。

現在、金は0.2グラムで2,000円、ダイヤモンドは0.2グラムで数十万円〜数百万円です。

結婚指輪を贈る習慣は、いつから始まったのか。

結婚指輪が日本に伝わったのは、明治時代とされています。 キリスト教式の結婚式では結婚指輪が用いられていたため、キリスト教とともに伝来したのが最初と言われています。 結婚指輪の慣習がきちんと定着したのは、大正時代になってからでした。

Googleより

1912年(大正)からですから、歴史は121年くらいですね。

日本人の歴史の長さから言えば、ほんの最近の”流行り”です。

最初にインドから伝来したダイヤモンドは、「ADAMANT」と呼ばれ、固い石、堅個無比のもの、征服されざるもの と言う意味です。

1870年、南アフリカのビッグホールで1,400万カラット(2,800キロ以上)が発見された。

それまで、年間数キロの産出量だった。

1カラットダイアモンド

つまり、希少性を失いかけた。

そこで登場したのが「デビアス」という会社です。

1880年、イギリスの実業家セシルローズ氏が、この南アフリカのダイヤモンド鉱山を全て買い取った(デビアス鉱山会社の誕生)のです。

その資金援助をしたのが、世界の国際金融を牛耳っていたい(現在もですが)ロスチャイルド家です。

デビアス社は世界のダイヤモンド生産の90%を握り、ダイヤモンドの世界生産を一挙に支配し価値を高水準に維持し続けたのです。

ところが、第一次世界大戦でダイヤモンドの価値が大幅に下落しました。

その時から、デビアス社はヨーロッパの市場から米国の市場へとマーケティング戦略を大転換したのです。

1983年、デビアスは米国大手の広告会社と組み、多数の小説家や作家を雇い、ストーリーに「愛の証」としてのダイヤモンドを贈るという場面を仕込んだのです。

それからは、新聞や雑誌でも大量に宣伝して、米国のスターや実業家は、ダイヤモンド指輪を公式の場でつけることでその戦略に加担したのです。

米国人がサプライズで求婚(プロポーズ)する場面は、男性が跪きダイヤモンドの結婚指輪を贈るという”見事なワザとらしい演出”が行われるようになった。

そうして、現代の米国社会では”それが当たり前”になっている。

ちなみに、ヨーロッパ、特にフランス人などは、この米国人の過剰な演技(サプライズ)を見ると失笑してしまうようです・・・。

私個人は、わざとらしいサプライズ演出より、フランス人の芸術的な感性の方が好ましいのですが。

デビアス社の見事なマーケティング戦略により、世間は「ダイヤモンドのない愛は不完全である」とさえ考えるようになったのです。

しかし、また転機が訪れます、1950年にシベリアで世界最大級のダイヤモンド鉱山が発見されました。

そのころのソビエトは、国外に大量にダイヤモンドの投げ売りして大儲けしたのです。

ダイヤモンド市場が暴落することを危惧したデビアスは、この鉱山からのダイアモンドを全て買い取ることを申し出契約しました。

この頃から、ダイヤモンドは”大きさ”でなく、カッティング技術(4C基準)が価値を決めるのだと宣伝し始めたのです。

当然、鑑定書もつけるようになった。

このマーケティング戦略により、庶民も手に入れられるようにしたのです。

しかし、これはダイヤモンドの実質的な価値(イメージ)の低下に他なりません。

現在、ダイヤモンドは技術の進化により人工的に作れます。

炭素で出来ているので、鉛筆の芯と同じですが、炭素原子の配列が違うだけなのです。

炭素は簡単に手に入れらるので、人工ダイヤモンドが生まれた。

そういった経緯から、デビアスは天然こそ”真のダイヤモンド”として宣伝しなくてはいけなくなった。

しかしながら、ダイヤモンドの価値の低下は激しく、現在、デビアスも人工ダイアモンドを扱うようになり、デビアスのダイヤモンド市場でのシェア(40%か)も激減しています。

人工ダイヤは、真珠の”養殖”と同じと考えると分かりやすいでしょう。

養殖により真珠の価値が下がったことと同じことが起こる。

質屋なら買ってくれますが、数十分の1の価格にしかなりません。

ティファニー · カルティエ · ブルガリ · ヴァンクリーフ&アーペル · ハリーウィンストンならば、ブランド価値がプラスされるだけです。

2016年頃、オーストラリア出身の実業家ジェームズ・パッカー氏が米国歌手マライア・キャリーへのプロポーズで、35カラット推定価格1,000万ドル(約15億円)のダイヤモンドの婚約指輪をプレゼントしたことは話題になりました。

ちなみに、マライアは、月に1億円以上の生活費を湯水の如く使うことでも有名な超浪費家です。

結局、パッカー氏はその放蕩ぶりに嫌気がさし婚約解消しましたが・・・婚約破棄後マライヤがこっそり売却し、10万ドル(約1.5億円=1/10)で安く買い叩かれたようです。

余談ですが、私の元妻(2度目の結婚相手)はデビアス系の商社でエグゼクティブ・ジュエラーの地位にあり、婚約指輪は本人の希望でブルーサファイア(当時500万円相当)でした。

当時の私は、宝飾のプロはダイヤモンドでないんだと感心した覚えがあります。

ちなみに、最初の結婚ではダイヤモンドをプレゼントしましたが、そのダイヤは今一体どこに行ったのでしょうか・・・。

少なくとも、個人的な経験から(当たり前の結論ですが)婚約指輪は”結婚の絆”になどならないことは明白です。

将来の3度目の結婚(現在未定です!w)は、「相手が強く望めば買う」ぐらいに考えています。

最後に、日本の121年間に渡るダイヤモンドを贈る(米国から押し付けられた)習慣は、これから未来も”結婚”という人生の大切な価値をより高めてくれるのでしょうか。

流行に流されることなく、婚約の記念を2人の独創的なコトやモノに変える方が素敵に思えるのですが、皆様はいかがでしょうか?!

長期投資家目線ならば、今のところダイヤモンドを買ってはいけないことにもなりますが・・・。

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