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2019年4月富岡浪江取材 跡形もない王塚神社〜宝泉寺


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<続き>

王塚神社到着。

王塚神社は跡形もなかった。1797年から続いてきた神社を、原発事故は潰した。200年以上の歴史を原発事故がぶち壊した。自称保守派の人たちは、果たしてこれをどう受け止めるのだろうか。

ガックリしながら、次の目的地、宝泉寺を目指すことにする。

(高い)

やはり雑木林の脇で空間線量が上がる。2μSv/hを超えることもあった。「山から放射性物質が降ってくるなんて嘘だ」と言った「放射能安全」の人がいたが、現場を歩けばそんなことは嘘だとすぐにわかる。

ここは昨年5月にも歩いた場所。あの時もここには落ち葉が溜まっていた。空間線量はおおよそ0.7μSv/h前後。

(美しい里山)

(自然は美しいが…原発事故により荒地になってしまった)

(着いた)

(いい雰囲気だ)

宝泉寺に着くと、きれいな桜と穏やかな表情のお地蔵さんが迎えてくれた。時期が時期だけに、来客もちらほら見える。空間線量は意外と高く、0.7〜1.1μSv/h程度。

(枝垂れ桜)

(水子供養)

(どれも穏やかな顔をしているけども、寂しさが漂う)

線量を気にしつつ、綺麗な風景にホッとしつつ中に入ると…新築工事中?

跡形もない。王塚神社と違い、新築するような雰囲気を出しているだけマシなものの、神社仏閣マニアとしてはなんとも消化不良…それもこれも原発事故か。

(これは有名)

(見ていると笑顔になる)

(癒される…でも どんな思いで8年を過ごしてきたのだろう)

自然に対しても仏像やお地蔵さんに対しても、ひたすら謝り、そして線量計の数値に怒りが込み上げる。自ら足を運んで体感してこそわかることがある。ヴァーチャルでしか知らない人が、「福島は復興した」「福島差別するな」とか、勝手に代弁者を気取らないでほしい。「風評」? そんなものは存在しない。ここにあるのは実害だけだ。
毎度感じるこのいたたまれない思いは、今後の制作の原動力になっていくだろう。

<続く>

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