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2018年5月福島、富岡第二中学

<続き>

その後、強い日差しが照りつける中、富岡第二中学へ向かう。

廃墟と、無造作に置かれたフレコンバッグ。

緑に呑み込まれていく。

有名な夜ノ森桜の一本裏に行くだけで、こんな光景がいくつも転がっている。しかし大手メディアでそれが報道されることは少ない。

まさに呑み込まれていくようだ。

伸び放題の緑の向こうに学校が見えた。

富岡第二中学。

一箇所開放された門があり、そこからお邪魔した。

正面入り口より。

体育館内は7年前の震災直後のままで、ここだけ時間が止まっていた。

自転車も7年前のまま。持ち主は今どこで何をしてるのだろう。

校庭はきちんと整地されており、今後の再開を予定しているのかもしれない。

7年前のままの体育館を見たときは、まさに息を飲んだ。ややショックを受けつつ、富岡駅へと向かうことにする。

そこかしこに廃墟が並ぶ。

富岡第二中脇に立つモニタリングポストは0.304μSv/h。

富岡町学校給食センター。

富岡第二小学校。

半年前、昨年11月に訪れた際は、モニタリングポストの値は0.257μSv/hだった。今回は0.314μSv/h。確実に上がっている。

このバス停前に再びバスが停まる日は来るのだろうか。

廃墟と緑。車は時折通り過ぎるが、ほとんど人気はない。ただ、野生動物の鳴き声、さえずりだけが響き渡る。

放射線量は0.57〜0.80μSv/hを行き来していた。

人の営みが消え、野生動物の楽園と化したまち。避難指示が解除され1年が過ぎても、楽園の面影は残っていた。

<続く>


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