女友達から告白されると勘違いしてOK出そうとした話


毎日note更新14日目。

昨日、より多くの人に見てもらいたいとハッシュタグをいつもより増量してみた。

コーラとか何でもかんでも入れてみた。

するとnoteから

"⚠️タグが多すぎるかもしれません"

と忠告された。

恥ず。

こっちが必死で読者を増やそうとしてるのが見透かされた気がした。


世の中は恥ずい事で溢れている。

バスの中で音楽を聴こうとイヤホンを付けた。

ワイヤレスのイヤホンである。

Bluetoothを起動させるのを忘れてて周囲に音楽が鳴り響いた。

太ったおじさんのスマホからあいみょんが鳴り響いた。

恥ず。

あいみょんというのがまた一段と恥ず。


NSCの頃東西対抗戦で東京に向かうバスの中、隣に座っていたこやっさんに言われた一言

「一青窈めっちゃ音漏れしてたで」

恥ず。

一青窈の音漏れ恥ず。

ええいいやあの音漏れ恥ず。


数々の恥ずい出来事を今まで体験してきたが、その中でも歴代1位といえる出来事がある。

13年前、男女5人で行ったバーベキューの帰りの出来事だ。

この時僕は信じられない恥ずい思いをした。

今でも思い出したら頬が赤くなる。


そのバーベキューは男性陣は僕と高校ラグビー部の2人、体がひたすらデカい通称"ゴリラ"とイケメンだが僕をパチンコの道に引きずり込んだ張本人、通称"諸悪の根源"の3人

女性陣は僕のバイト先の友達の女子2人、A子とB子

計5人で行った。

以前に1回このメンバーで飲み会をしていたのでバーベキューも盛り上がった。

後片付けを終えその後ゴリラに別の用事があったので現地解散する事になり、ゴリラと諸悪の根源はバイクで帰って行った。

僕と女子2人は同じ車で帰る事になった。

僕は完全なペーパードライバーだったのでA子が運転した(これも今思えば恥ずい)


僕達はみんな大阪の枚方市の方に住んでいたので送ってもらうには都合がよかった。


そろそろ枚方が近づいてきた頃B子の様子がおかしくなった。

何かモジモジしている。

ん?何だ?

僕はただならぬ気配を感じた。

B子がゆっくり口を開いた。

「あの、、、ね、、、西村くん、、、ちょっと、、、聞いてほしい話があるの、、、」


僕の中に電撃が走った。


きた。

きたでこれ。

告白や。

この子ワイに告白する気や。


どうしよう?と一瞬考えた。

すぐに答えは出た。

「はい、お付き合いしましょう」


レイコンマ2秒で答えを出した僕の気持ちを知らずにB子はまだモジモジしながらこう言った。

「西村くんの家の近くまで行って、そこで聞いてほしい、、、」


いじらしいですなあ。

もうこっちは受け入れる準備が出来てるのに。

はよ言うたらええやん。

すぐオッケー出しまんで。

まあだけど女子から告白するてかなりの一大イベントやからここは従いますか。

せっかく勇気出して言うてくれるんやから。


それから車内は妙に緊迫した空気が流れていたが僕の心の中は

サブちゃんが「祭り」を熱唱していた。


はあああ祭りだ、祭りだ、彼女だ〜


僕もサブちゃんも鼻の穴を広げていた。


車内で無言の時間が続く中

僕は付き合ってから初デートどこに行くかを考えていた。


やっぱり映画がいいかな。

ちょうど見たい映画もあるし。

京都の映画館に行こう。

その後は美味しいご飯でも食べに行きますか。

で食べてから京都の三条の鴨川の河川敷に座っていい雰囲気になると。

うん、うん、いいですな。


デートプランが固まった頃、僕の家の近くに到着した。

A子が車を止める。

B子が緊張しきった顔で口を開く。

「あ、あの、西村くん、あ、やっぱ、恥ずかしい!」


大丈夫!

OK出すから早く言い!

気持ちを僕にぶつけてくれB子!いや彼女!いや相方よ!

僕は心の中でB子の事を彼女を通り越して相方と呼んでみた。


恥ずかしがるB子の様子をA子はタバコを吸いながらじ〜と見てる。


いやいやA子さんよ。

気利かせてちょっと一瞬外にでも行ってあげなさいよ。

友達が横で聞いてたら告白しづらいやないの。

タバコ吸うてる場合ちゃうで。


僕は助け舟を出してあげた。

「A子、ちょっと外出とく?」

A子はキョトンとして

「え?いや大丈夫。」と言った。


空気読めへんやっちゃな!

これからこの子が告白するとこでしょうが!

と僕は心の中で田中邦衛風に一喝した。



そうこうしてるとついにB子が話し始めた。


「あの西村くん、西村くんに聞いてほしい事があって、、、」

うんうん、がんばれがんばれ。

「私、好きな人がいて、、、えっと、、、その、、、」

よしよし、その調子

「私、、、私、、、ゴリラの事が大好きなの!」

はいはい、ゴリラ


え?


ゴリラ?


あれ?


ゴリラが大好き?


え、この子動物園の園長さんやったっけ??


僕は混乱した。

ゴリラがあのラグビー部のゴリラだと頭で理解出来なかったのである。

そしてゆっくりと事態が飲み込めた瞬間


ガタガタガタガタ


体の震えが止まらなくなった。


恥っっっっっっず!!!!

とんでもない勘違いしてた!

この子ゴリラの事好きやったんや!

完全に俺やと思った!

え、なに!?ゴリラなん?何で?

あかん、震えが止まらへん!

隠さんと!勘違いしてる事バレたらやばい!

よし、とりあえずタバコ吸お!


僕はタバコに火を付けようとしたが、手が震えて付けられない。

「え、西村くん大丈夫?」

B子が聞いてきた。

「お、おう」

僕は何とかタバコに火をつけ吸い始めた。

タバコを持つ手が震えている。

僕は撃たれて壁に座りこみ死ぬ前に最後の一服してるハードボイルドな人みたいになった。

B子はずっと喋っている。


「もう私ゴリラの事が気になって気になってしょうがなくて」

だから園長さんかて。


「ゴリラは彼女いるんかなあ?」

おらんわい。


「西村くんに色々相談乗ってほしくて。それで今日話してんけど」

じゃあ最初からそう言えや。

何やねんあの溜め。

何やねんあのモジモジ。

すぐ言えたやろ。

てかこれ俺の家の近く来る必要ある!?

何で自宅付近でゴリラの話聞かなあかんねん!


「デート行きたいねんけど、どこがいいと思う?ゴリラどこに行きたいやろ?」

知らんがな。何で俺に聞くねん。


僕はぶっきらぼうに答えた。

「映画、映画がいいんちゃう!映画見てから美味しいご飯食べて鴨川の河川敷座ったらええねん!」

さらば幻のデートプラン。


言いたい事聞きたい事を一通り終えたB子は満足してA子と帰って行った。

2人の車を見送った僕はその場で立ち尽くしていた。


めっちゃ恥ずかしい思いをした。

てかたぶん少なくともA子にはバレてる。

「ちょっと外出とく?」とか言ってしまった。

恥っっっず。

俺、心の中で祭り歌ってたで。

あかん、消えたい。



3日後。

僕はゴリラにお好み焼き屋に誘われた。

ゴリラがモジモジしながら口を開く。

「俺、ちょっと聞いてほしい事があって、、、俺B子の事が好きで、、、」

僕は食い気味で叫んだ。

「B子もお前の事好きやわ!!!さっさと付き合え、ボケ!!!」

謎の仲介業者と化した僕はブチギレた。


その後2人は付き合った。

僕は1人で映画を観に行った。




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