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【官能時代小説】手 籠 め 侍 【11/12】

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 もう晴れた空のことを思い出せないくらい、空は暗い。
 遠くで雷がいななき、叩きつけるような雨が降り続いている。

 この峠の呼び名となっている鬼百合おにゆりは鮮やかで、毒々しくもあるだいだいの花をつける。
 その花が咲くのは、雨の季節が過ぎてから、夏を迎える頃だ。

 今は蒼褪あおざめた紫陽花あじさいが、沿道を覆う緑に色を散らしらしていた。

 笠の上に当たる雨の音を聞きながら、紫乃は目を閉じ、心をしずめた。
 雨が上がらぬことを祈った。
 
 全ては雨の中ではじまり、雨の中で終わる。
 どちらに結果がかたむくにせよ、この雨のなかで全ては終わるのだ。
 
 峠の東の方角から、掛けてくる足音がした。
 軽やかな足音……蜂屋百十郎ではない。

 聞き間違えるはずもない、左腰に差した刀の重さに難儀なんぎして走る、慎之介の足音だ。

姉上!

 笠も被らず、剃り上げられた頭を雨に打たせながら慎之介が坂道を駆け登ってくる。

 姉の前までくると、ずぶ濡れのからだを折り曲げて大きく息を吐いた。

「慎之介……どうした、そのは……?」

「……こ、これは……その……」

 決まり悪そうに剃髪された頭を撫でる慎之介。
 そして、慎之介が腰に妙な脇差わきざしを差していることに、目ざとく気付く。

「それにその刀は? ……随分と真直まっすぐで、つかが長くて……な刀だな……」

 それどころではない、という様子で慎之介は姉の顔を見上げた。

「姉上、いろいろと、わかったことがあります! 蜂屋百十郎のほざいたことはすべていつわり……八代松右衛門は死んでなどおりません! それどころか、あの蜂屋百十郎こそが……我らのかたき、八代松右衛門の成れの果ての姿なのでございます!」

「……………………そうか……」

 そう聞かされても、紫乃の心の水面みなもにはさざなみひとつ立たなかった。

 かたきかたきかたき
 かたきであるかぎり、たねばならぬことに変わりはない。

 激しく雨に打たれるからだのなかで、心は奇妙にしずかだった。

 もっと姉が驚きを見せるか、と慎之介は期待していたのだろう。
 どこか拍子抜けした様子で、姉の表情を伺っている。

「姉上、あの男は、わたくしの手で討たせてください。あの男こそ、我らが追い続けてきたかたき……わたしには、秘策があるのです! ……何卒、わたしの手で……われらの父上を殺め、母を辱め、そして姉上までも……玩弄がんろうしたあの男を……」
 

 以前の慎之介からは想像もつかない言葉を、紫乃は聞いた。

 しかし、紫乃は優しく慎之介に微笑んでみせた。
 弟に笑みを見せるのは、いったい何年ぶりのことであろうか。

「あの男はわたしの獲物えものだ……あの男はわたしがる」

「獲物……?」

 慎之介が首をかしげる。

「そう、あの男は……わたしが殺さねばならぬ。わたしにも秘策がある。必ず彼奴きゃつを仕留める自信がある……そなたは控えておれ。しかし……」

「しかし?」

 しゃあ、しゃあ、と唸りをあげて、風に煽られた雨が叩きつけてくる。

「しかし、が一にもわたしが討たれたときは……そのときは頼むぞ、慎之介。わたしは、あの男に一太刀ひとたちもくれずに討たれはせぬ。しかし、わたしの策がこうを奏しても、あの男が倒れぬ場合もある。その時は……」

 そっと、紫乃が両手を伸ばす。

 慎之介は呆然とその手を見た。
 姉が、その手を取ってくれ、と願っていることに、気付くことができなかった。

 それ以上のことは、この手をとることで察してくれ、と仕草で語っていることに気付くのに、しばらく時間を要した。

 慎之介は姉の手を取る……こうして姉の手に触れたのも、何年ぶりのことだろうか。

「して、彼奴きゃつは今どこに……」

 武芸に明け暮れて十七の歳まで生きた姉のてのひらは、やはり少し硬かった。
 慎之介はその手を取りながら、姉に尋ねる。

「もうすぐくる……こっちに向かっておる。まもなく……」

 慎之介は自分が駆け下りてきた坂道を振り返った。

 紫乃の言ったとおりだ……
 
 襤褸ぼろ笠を被っただらしのない浪人が、ふらふらと坂を登ってくる。

 ずんぐりした体躯。
 左右に躯を揺らす、くせのある歩みっぷり……間違いない。

 蜂屋百十郎だ……いな、八代松右衛門か。
 
 慎之介は、饅鰻寺まんもんじから頂戴してきた仕掛け刀の柄をしっかりと握った。

 隠しつまみに、かしら撥条ぜんまい……すべては準備万端だ。
 近づいてこい……近づいてこい……この仕掛け刀の届く間合まあいに……と慎之介は願った。

 と、紫乃は柄に掛けた慎之介の手を制する。
 そして、じろりと慎之介を見て……眉毛を釣り上げ、無言で首を横に振った。

 叩きつける雨の隙間から、百十郎の若気にやけ笑いと無精ひげ、弛んだ頬がはっきりと見て取れる。

 それが見て取れる距離まで、百十郎は近づいていた。
 『手籠め侍』はまるで急ぐ様子もなく、焦る様子もなく、何事か面白い見世物でも見にきたようだ。

 まさに、ふらり、と。

「おう! 待たせちまったかい? ……お嬢ちゃんと、その弟君おとうとぎみ……おいおい、ちょっとまてよ……なんだよそのくりくり坊主はあ? ……ははあ、さては饅鰻寺まんもんじなまぐさ坊主に悪戯いたずらされちまったかあ? …………どうせ、逸物をいじられながら、の孔で楽しませてもらったんだろお…………?」

「だ、黙れっ! われらをたばかったな?……あの坊主の元の名こそが……」

 真っ赤になって飛び出そうとする慎之介を、すこし上背のある紫乃の背中が封じた。

「……お嬢ちゃん、あんたもあんたの弟君も、俺なんかに出会っちまったばかりに、えらい災難だったみたいだなあ…………弟君は畜生坊主の慰み者に、そしてあんたは、夜鷹よたかに身をやつしてまで……」

 紫乃は表情ひとつ変えない。

 そして、ざ、と一歩、百十郎に向けて間合いを詰めた。

 百十郎は後退しなかった。
 お互い、だ刀の柄に指を掛けてはいない。

「今日はお主の長口上ながこうじょうに付き合うつもりはない……そちらが先に来ぬなら、わたしから行く……よいか?」

 百十郎の目から、若気にやけが消える……まだ口元は不敵に笑っていたが。

「怖ええ……あの宿屋の夜とは段違いのやばさだぜえ……素っ裸でおれにやいばを向けてきたときの、あの凄みもなかなかの見ものだけどよお…………今日のお嬢ちゃんは気合いが違わあ……俺をる気合に、混じりっけがねえ……」

 そういって、じわり、とすり足で左側に廻る。
 紫乃はじわり、と右側に回った。

 お互い、まだ柄に手を掛けてはない。

 今は横殴りに降りしきる雨。
 峠の道幅はそれほど広くない……
 じわり、じわりと円を描くように、二人はぎりぎりの間合いを取り続けた。

 やがて、それぞれが両側の沿道に咲く蒼白い紫陽花あじさいを背に、ぴたりと足を停めた。

 先に柄に手を掛けたのは、百十郎のほうだった。

「娘……」百十郎は言った。「これ以上、余計な口は挟まん。拙者とやりあうのは、止めにせんか? ……死んでなんの悦びがある? 仇討あだうちちなど、何の意味がある? ……何故、死に急ぐ? お主はまだ、生のよろこびなど知らんだろう? 憎しみ以外、がある?」
 
 あの野原で少年武者の腕を斬ったとき以来、二度目に聞いた、百十郎のさむらい言葉だった。

 見れば、若気にやけが口からも消えている。
 百十郎は唇をさらに引き結び、眉を釣り上げた。

 端から見ていた慎之介は驚いた……もともとゆるんだその頬さえ、引き締まって見える。

 あれが、蜂屋百十郎……いや、八代松右衛門の、本来の顔なのだ。
 人をあやめるときの、本来の顔だ。

 紫乃は静かに答えた。

「お主がわたしにくれたのだ……新しいよろこびをな。お主を憎んではおらん……恨んでもおらん。ただ、お主をりたいだけよ……わかるであろう?」

矢張やはり、これ以上言葉は要らぬようだな……ほうっ!」

 凄まじい速さだった。
 水溜りの中、鈍重そうな蜂屋百十郎のからだが、黒猫のように飛び上がる。

 激しい雨の中で、きらりとさやからやいばが踊り出た。

(み、見えた……!)

日差しの欠片もない雨空の下で、百十郎のやいばが雷光のように光り、びゅん、と滝のような雨を斬る。


 百十郎の刃は、紫乃にかすりもしなかった。

 紫乃は水溜りに膝をつき、百十郎のちょうど脇の位置で躯を丸めた。
 打刀ではなく脇差の柄を左手で逆手さかてに掴みながら。

 一直線に抜くや否や、やいばの峰に右の掌を添える。
 勢いをつけて立ち上がり、百十郎の腋の下を一気に斬り上げた。

 柴乃を雨から遮っていた百十郎の右腕が、小袖の袖ごとばしゃり、と水溜りに落ちる。

 その背後に回った紫乃は、素早く脇差を右手に持ち替え、百十郎の背中を袈裟懸けさがけに斬りつけた。

 悲鳴も、苦痛の声もなく、百十郎が前呑めりに水溜りの中にたおれる。

 紫乃は盛大に返り血を浴びたが、その上から振りしきる雨の勢いのほうが強かった。
 改めて、自らが切り落とした百十郎の腕を見る。
 
 主を失った右手がいまだしっかと握っているのは、紫乃が想像した通りの刀だった。

 やいばの長さは、脇差よりも……小太刀よりも短く、一尺にも満たない。
 匕首あいくちよりは、やや長いの長さだった。

短くて、速い……矢張やはりな……」

 紫乃の睨んだ通りだ。
 いくら素速すばやい太刀筋で知られる拝神武流の使い手とはいえ、百十郎の早業は人間業ではない。

 ならば、どこかに仕掛けがある筈。

 つまり百十郎は……通常の打刀の長い鞘に、この匕首にが生えたような短い刃を収めていたわけだ。

 たおれた百十郎の背中から、腕を落とされた肩から溢れ出る血潮が、降りしきる雨水に流されていく。

 紫乃の足元はまるで、血の河だった。

「お……」声を失っていた慎之介が、ようやく口を開いた。「お見事っ!」

馬鹿者っ! 利いたふうな口を叩くでないっ!」

 紫乃が一喝する。
 いつものように。

 柴乃の蒼褪めた顔は沿道に咲く紫陽花あじさいよりも青白く見えた。
 まだ姉は、生と死の峠からこちらに戻ることができていないようだ。

 慎之介は、そこで我に返る……気がつけばあの奇妙な仕掛け刀を抜いて、中段に近い姿勢で構えていた。

 どうすればいいかわからず……とりあえずそのきっさきを地面に向ける。
 
 と、そのときだ。

 突然、水溜りの中、俯せにたおれていた百十郎がごろり、と寝返りをうった。
 残された左手には、いつの間に抜いたのか、脇差が握られている。

 紫乃が素早く振り返り、起き上がろうとする百十郎の頭を叩き割ろうと、上段に構えたときだった。

 ざん、という音。

 あまりに一瞬の出来事だった。
 二尺ばかりの脇差のやいばが、紫乃の細い首筋を、貫き通していた。

「かは……」

 くるり、と慎之介のほうにからだを廻し、紫乃が膝をつく。
 口から、鮮血がざあ、と音を立てて流れ落ちた。

「姉上! あねうえっ!」

 しかし、紫乃はまだ事切こときれていなかった。
 慎之介をつと見据え、あの逞しい眉毛が釣り上がる。

 喉に食い込んだ刃の所為で、もはや声を発することのできない姉が、目で慎之介に伝えていた。

 “るのだ”と。
 “わたしの死を、無駄にするな”と。
 
 今度は紫乃が水溜りに、ばしゃんと音を立ててたおれた。
 かっと目を見開いたまま……もうその目は、魂を失っていた。
 
 その背後で、右腕を失った百十郎が、まるで火山の黒雲のようにのっそりと立ち上がる。
 
 手にしているのは、刃のない柄……そこからは、長い撥条ばねが飛び出し、揺れていた。

勿体もったいねえなあ……いや、こんなに勿体ねえ話はねえ……」

 ちらりと、紫乃のむくろに目をやる百十郎。
 そして、慎之介のほうを見て、あの大きな口で、にやりと笑ってみせる。

「そう思うだろ? 小僧……愚かなこったぜ……」

 腕を失った袖口から、滝のように血が湧き出し、流れていた。
 紫乃の切りつけられた背中からも。

 慎之介は、仕掛け刀を真直ぐに構え、百十郎の胸に狙いを定めた。

 ざん。

 狙い通り、勢いよく弾けた撥条ばねが刃を飛ばし、百十郎の右胸を差し貫く。

「おおおう……」

 嘆息ためいきのような声を上げる百十郎。

死ねええええええ!!!

 撥条ばねが飛び出した仕掛け太刀を脇に捨てると、慎之介は自らの打刀を抜き、百十郎に向かって飛び込んだ。
 その左肩をめがけて、一気に振り下ろす。

 肉と、骨を斬った確かな手応え。
 しかし、それ以上、刃は食い込まない。

 のこを引くように、慎之介は食い込んだ刃の引き、押し、引き、押した。

 血飛沫が吹き上がり、慎之介の顔に降りかかる。
 激しい雨が、それを洗い流していく。

 (からだ)を裂かれながらも、蜂屋百十郎はあの若気にやけた笑みを崩さない。

「笑うな! 死ね! 死ぬのだ!」

「……死ねねえよ……俺を恨んでるのは、てめえらだけじゃねえんだ……」

 そう言うや否や、百十郎は信じがたい力で慎之介を蹴り倒した。

 河のように血が流れる地面に、仰向けに転がる慎之介。
 顔に受けた返り血が目に入り、視界を奪われる。

 あわてて手の甲で目を擦り、見上げたときには、百十郎が刀を逆手に持ち、振り上げていた。
 その打刀はさっきまで、百十郎の肩に食い込んでいた、慎之介の刀だった。

される……)

 思わず慎之介は顔を背けた。

 ずん、と重たいものが自分のからだを通り抜ける感覚。
 傷みはまだ襲ってこなかった……自分は傷みも感じぬまま、あの世に送られてしまったのかとさえ思った。

 しかし、雨はまだ坊主頭に振り落ち続ける。
 しゃあ、しゃああ、と、雨の音が止むこともない。

 おそるおそる目を開けた……自分の右太腿に、刀が深く、深く食い込み、地面まで差し貫いている。

「うわっ……」

 慎之介は傷みよりも、まず驚きから声を出した。

 気がつけば、蜂屋百十郎が背を向けて歩きだそうとしている。
 紫乃が斬り付けた一文字の傷。
 右肩から左脇までがばっさりと斬れていた。

 また、慎之介が左肩に付けた傷……まだ、左腕が躯にくっついているのが不思議なくらいだ。

 腕を失った肩からは、滝のようにが流れる。

 背中まで突き抜けた、仕掛け太刀のきっさきが見える。
 それでも、百十郎はのそり、のそりと……激しい雨の坂道を歩いていく。

 慎之介はその背を追おうとした。

 そこで、始めて激痛に襲われた。

うああああああ!

 百十郎がぴたりと足を止め、右腕を失った肩口から慎之介を省みる。

「……諦めな。おめえには、俺をれねえよ……」

「ああっ……ううっ……」激痛に耐えながら、慎之介は叫んだ。「何故なにゆえに死なぬ? なぜ死なぬのだ?」

 百十郎が半月の形の口で、にやりと笑う。
 不揃いの歯もまた、血に塗れていた。

「人のうらみが俺を死なせねえのさ……が飛んでも、動いて見せらあ……」

 百十郎はそれだけ言い残すと、よたり、よたり、と歩き出した。
 やがて激しい雨にかき消されて、その後ろ姿は霞み、見えなくなった。

 気がつけば、自分が磔になっている場所から、手を伸ばせば届きそうな場所に、紫乃のむくろが横たわっている。

 まだ刃が刺さったままのその首から流れる血と、慎之介の太腿から流れる血が、雨に流されて一筋に交わった。

 そうして慎之介は、生者の地獄に置き去りになった。

「慎之介どの……」

 背後から声がした。
 首だけで振り返ると……法衣ではなく、古い縦縞の小袖を身に付け、頭巾を被った香蓮の姿があった。

 傘もなく、ずぶ濡れのまま、血塗れの修羅場を前に立ち尽くしている。

「……何をしに来たっ!……死にそこなったおれを、わらいにきたのかっ……?」
 
 香蓮が駆け寄ってくる。そして、差し貫かれた慎之介の傷を検める。

「刃を抜けば血が吹き出し、おそらく峠の下まで持ちません。このまま、ここでお待ちになってください。近くに、百姓の住まいを数件見かけました。そこに助けを呼んでまいります……くれぐれも、動かぬように。これ以上、余分な血を流してはいけません……」

「……余計なことをするな……おれはここで死ぬ……」

 慎之介の目から、熱い涙がこぼれた。
 冷たい雨の中で、流す涙だけが温かい。

「蜂屋百十郎を、追わなくてよいのですか……それがあなたの生きる道でございましょう……?」

 立ち上がった香蓮が、少し冷ややかな目で慎之介を見下ろす。
 その面影が、今は亡き姉の面影と重なった。

「そうか……そうだ。追わねばならぬ……彼奴きゃつが生きている限り……」

「そのためには生きねばなりません……わたしがあなたを、生かすのです」

「……そなたがわたしを……」

 香蓮は、睫を伏せて、菩薩ぼさつのような笑みを浮かべた。

「ええ、あなたのかたきの、娘であるこのわたしが……だから今は、生きるためにお待ちください」

 そう言い残すと香蓮は、蜂屋百十郎が下って行ったとは逆の方向へ駆け出していった。
 

 その後……慎之介は一生、右脚を引き摺ることになった。

 慎之介は紫乃のむくろを峠の一番高い場所に葬ると、鬼百合おにゆり峠からほど近い小さな村で、香連と所帯を持って小さな畑を耕して暮らした。

 近所の百姓たちからも、若いながらも健気けなげで働き者の夫婦だと評判だった。

 しかし数年後、夫婦は誰も知らぬうちに村を後にし、どこかに去っていったという。

 その後の夫婦の行方は、誰も知らない。

 また、蜂屋百十郎の行方も、誰も知らない。


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