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理解者になる事

と、SKET DANCEの主人公、ボッスンこと藤崎佑助は「キミの人助けとは何だ?」という質問に対して回答しました。
なぜ急にこんなことを言い出したのかというと、最近思わぬ形でこの言葉が心に染みる素敵なことがあったからです。
そのことを今回は書きたいのですが、その前にSKET DANCE(以下スケダンとも表記)について語りたいことがあるので少しばかりお付き合いください。それが前提にあるので。笑

SKET DANCEと僕

みなさんには人生の教科書と呼べるような作品がありますか?
僕にとってはこのSKET DANCEという漫画がそうです。

主人公はボッスンを中心とした人助けの部活、通称スケット団の3人組。
彼らに対する依頼を中心に繰り広げられる学園コメディがこの作品です。
そんな3人にはある共通点があります。それは壮絶な苦しい過去を抱えていること。そしてその経験をバネにして成長し、人のために動いていること。

スケダンとの出会いは小学6年生の夏。当時ハマっていた遊戯王カードが付録に付くということで購入したジャンプでした。その時はただの日常回で、ギャグが面白いな~くらいにしか思っていませんでした。今思うと不思議な縁です。笑

🥚当時の社会と僕
そんな感じでスケダンと出会った小6の頃、僕の人生を揺るがす出来事がありました。それがいじめです。

当時、僕はいじめられていたらしいです。「らしい」というのは気づいていなかったからです。よく友達としていた、いたずらの掛け合い程度にしか思っていなかったのですが、裏でやばいことが計画されていたらしく、それが表に出る前に、勇気ある友達が学級会で問題提起してくれたおかげで、特に傷つくことなく解決した。こんな経験がありました。

その時に思ったのです。「自分は傷つくことなく終わったけど、不登校に追い込まれる人もいる。一応当事者だからこそできることはないのだろうか。」と。
元々、いじめにより学校に来れなくなる人は仲のいい友達が多かった。
当時のニュースを賑わせていたのは大津の中学校のいじめ自殺の問題。
そういう環境の影響もあってか、人の力になりたいという想いは増していきました
そんな中で出会ったのがSKET DANCEという作品。言うまでもなく彼らは憧れの存在になりました。

また、スケット団が作中でカバーしたことで知ったthe pillowsのfunny bunnyという曲はそれからの人生を支える一曲になり、試合や受験のパートナーに、さらには高校のバンドで演奏した最後の思い出の一曲にもなりました。その物語に由来するthe sketchbookの曲は音楽のルーツの1つにもなりました。解散した今でも好きなアーティストです。

他にも、書ききれないほどのキャラクターが、エピソードが僕を作っていきました。

「理解者になる事」

ここで一度タイトルの言葉に戻ります。正直に言います。この言葉を僕は長い間忘れていました。
でも先日、痛烈に体感する出来事がありました。それはXジェンダーのAさんとの出会いです。

最初、AさんがXジェンダーだとは知りませんでした。それもそのはずです。Aさんは自分のセクシャリティについての悩みを今まで誰にも打ち明けられずにいたのだから

どんなことであれ、抱えている悩みを人に話すことはハードルの高いこと。ましてや、それが性に関することならなおさらです。
だけどその分、話すことは心の負担を大きく軽減してくれます
このことは教育(特にカウンセリング的側面)や被災地支援から学んできたことです。また、以前読んだ性的マイノリティーの当事者の手記から学んでいたことでもありました。

そのような知識・経験もあり、打ち明けられた時は本当に嬉しかったです。打ち明けてくれたこと自体も、それが初めてのことだと言われたことも、そのきっかけを自然と与えることができたことも。そして、Aさんの求める自分らしく生きることや、性自認に対して大きな後押しをできたことが本当に嬉しいのです。
そして、その時に頭をよぎった言葉がボッスンの「理解者であること」でした。やはり僕の大きなルーツになっていたようです。

「背中を押す事」

ところで、この「理解者になる事」には続きがあります。このときのボッスンの言葉はこうです。

理解者になる事
乗り越える事は変わる事じゃなくていい
その人が今いる位置を認めて
愛しいと思えるように
背中を押す事                  (SKET DANCE32巻より引用)

Aさんの一件があり、この記事を書くために改めて読み返していると、そこにはこうありました。
ビックリしました。だってこれ、Aさんに打ち明けられた時に意識していたことでもあり、まさしく僕の教育観なんだもの。

僕の教育観についてはまたの機会に詳しく書くつもりですが、「背中を押す」ということには強いこだわりを持っています。
教育も、人助けも、他者がより良い未来を創ることを支えることです。最初は手綱を引くことがあっても、最終的には自走できるようにならないと、手を離した途端に先に進めなくなってしまう。自分の「よい」を押し付ける形になってしまうと、かえって他者を苦しめることになってしまう。
だからこそ、前に進めるように背中を押す事に、そしてそのためにも相手のことを理解する事に重きを置いてきたわけですが、、、それも作中で描かれていたようです。全然気づいていませんでしたが、ここにもSKET DANCEから受けた影響があったようです。

今までとこれから

ここまで書きながら自分の過去を振り返る中で、今までの人生が積み重なって今があるということを改めて実感しました。
正直、スケダンを見返すことは怖かったです。思い出に浸っていただけで、実はたいした影響を受けていない可能性を考えていました。
でも、ここまで書いてきたように、想像以上に僕という存在を形作っていました。

スケダン(や今回は書いていない様々な出会い)が与えた影響も、ロールモデルを聞かれた時にボッスンを挙げていたことも、学術と実働を融合しながら双方向的に発展させたいと思い勉強にも活動にも力を入れていたことも、、、、そのどれか一つでも欠けていたら今の僕はないし、この記事を書くことも、あなたのもとに届くこともなかったのかなと思います。
そして、まさにそれが僕が表現活動をしている理由でもあります。
このような経験が増えていけばいいなと思うと同時に、それをこうやって色んな人に届けることができるように頑張っていこうと思います。

余談①#私を構成する5つのマンガ

この記事は#私を構成する5つのマンガというお題にも投稿しています。
元々、5作品をまとめて書こうと思っていたのですが、Aさんの件を受け、このような形で投稿することにしました。
本当は残りの4作品についても思う存分語りたいのですが、スケダンほどではないとしても、それぞれに思い入れやエピソードがあり、長くなりすぎるので、今は少しだけに留めておきます。
このお題はもうすぐ募集が終わりそうですが、気にすることなく、書きたいときに書くつもりです。笑

🥚残りの4作品

①act-age(アクタージュ)
ジャンプで連載中の役者の物語。読み切り時代から、高校からの作曲活動、創作、表現への想いを駆り立てるし、代弁してくれているような作風が大好き。「表現すること」について影響を受けている。

②かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~

初めて集めだしたラブコメ。基本的に恋愛がうまくいっていない時はラブコメを見るのはしんどくなるのに、この作品だけは違う。どんなにしんどい時でもキュンキュンさせてくれて、しんどいことも忘れさせてくれる。かつ、ギャグも面白いし、白銀会長と自分を照らし合わせることもしばしば。
確実に影響を受けている。というか、赤坂先生と感性が多分かなり近くて、前作のib インスタントバレットから何回も泣かされている。

③orange

作品のことを何も知らないまま、いとこに連れていかれた映画で号泣。それまで創作物で泣くことなんてなかったのに、後半1時間近くずっと泣いていた。この日を境に涙腺が崩壊し、頻繁に涙を流すようになり、感性が豊かになった

④科学マンガサバイバルシリーズ
小学生の時に韓国から来日し、今は言わずと知れた人気シリーズになっているが学習漫画のシリーズ。幼い時にはこれを読むためだけに本屋に連れて行ってもらった記憶がある。笑
サバイバルへの憧れと、災害で死にたくないという幼少期からの想いがあって大好きだったのかなと今になっては思う。このシリーズから得た知識が今どれだけ残っているかはわからないけど、幅広く色んなことに興味を持つようになったきっかけの一つかもしれない。

他にも、ibインスタントバレット、SOUL CATCHER(S)、フェアリーテイル、アイアンナイト、僕のヒーローアカデミア、青春兵器ナンバーワン、DEATH NOTEとかを入れたかったけれど、他が強すぎたなあ。。笑

余談②新型コロナのおかげで?

実はAさんとはまだ会ったことがありません。驚きました?このエピソードは2度目の電話の時の話なのです。
出会ったきっかけがきっかけなので、このような状況でなくともAさんと出会っていた可能性は大いにあります。でも、特定を防ぐために詳しいことは書きませんが、このタイミングでこのような出会いを生んだのは新型コロナウイルスによるこの状況なのです。

昨今の混乱により、つらい話ばかりを日々耳にしますが、こんな幸せも生まれているのです。状況に嘆くだけじゃなくて、こういう小さな幸せを大切にしていきたいなあと思うばかりです。

最後に

マンガ、いじめ、セクシャリティ、新型コロナ、教育、、、色んな要素を盛りだくさんに取り入れてしまったので、少しごちゃついてしまったかもしれません。
でも、そのどれにも関心を持っているからこその関連や、考えを書きたかったのでこういう書き方をしてみました。
「○○に惹かれて読んでみたら△△にも興味持った!」という方がいれば嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!

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