見出し画像

自己肯定感の低い親に育てられる子供の末路

子供の自己肯定感を高める方法はよく書いてあるのに、親の自己肯定感が子育てにどれほど影響を与えるかはあまり興味を持たれない。

子育てを始めて思うのは、親の人格は恐ろしいほど子供に影響する。

そもそも親の自己肯定感が低ければ、いくら子供の自己肯定感を高めようとムダではないだろうか。

今日はそんな話をつらつらと。


“自分を愛せない“というのは純粋につらい


自分を肯定できないから、自分に自信を持つこともできない。

イヤと断ることもできず傷付くことにも慣れて、さらに自己肯定感は下がる。

悪循環のループから抜け出すことは容易ではなく、ほとんどの人は「これが自分」として生きていくことを選ぶ。


独身を謳歌するなら、それでいいかもしれない。

“自分を変えたい““人生を変えたい“と思うきっかけはそう多くないし、悲劇のヒロインがある意味“心地いい“人もいるだろう。

しかし、私は親になって、自分の自己肯定感の低さに唖然とした。

私を知る人からすれば「今更」かもしれないが、私は自分を愛せず自信を持つことも難しかった。


原因や理由を辿れば、幼少期の母との関係が大きく影響していると思う。

「(母にとって都合の)いい子」を求められ、自分の意思や考えは全く尊重してもらえなかった。

母の望みを叶えることで機嫌を取り、居場所を守った。

そうして必死に母の顔色を伺い続けた結果、私は意思表示が全くできない人間になった。


優先順位は常に他人であり、自分が一番にはならない。

やりたくないことや無理なスケジュールでも決定権は私になく、いつでも誰かを優先して自分は損な役回りに徹してきた。


“私の人生は幸せだった“と言えるだろうか


自分という存在も認めてもらえなかった幼少期。

その反動か、自由を求めて謳歌した20代。

それでも自己肯定感を上げられず自信も持てず、ここに至った理由はなにか。


私はなにかしら負い目を感じながら生きてきた。

一度も就職せず十八歳で開業届を出したことに誇りを持つべきなのに、私は会社員にもなれないダメな人間だと自分を卑下した。

人と違うことに自信を持つのではなく、みんなと同じになれない自分を恨んだ。

昔から「変わった子」と言われていた私を、母はあまり嬉しく思っていなかったのだろう。

「普通にしてなさい」「どうして普通にできないの?」「おかしい」「変」

母が発する言葉は私自身を否定し、拒絶されているように感じた。

本当の自分と他人が求める自分の間に苦しみ、誤魔化しながら生きてきた。

自分が親になった今、悪循環のループはここで断ち切るべきだろう。


親が子供に与える“愛“が自己肯定感につながる


“自分に自信を持つこと“や“自分を愛すること“について、子供に教えるのは難しい。

甘やかすこととは違うし、自分が一番可愛いからといって他人を傷付けるのもまた違う。

自己肯定感なんて難しい言葉を使わず、子供が自分に自信を持つために必要なものは「親から認められること」ではないだろうか。

誰しも赤ん坊の頃は「そこにいるだけで幸せを与えてくれる存在」として有り難がられる。

自我が出て人間味が増しても「可愛い子供」として、ほとんどのことは許される。


“そこに帰れば自分は存在するだけで愛される“という背景があって初めて、子供の選択に自信がつく。

暗に「私はなにをしてもダメなんだ」と思いながらチョイスした結果なら、子供であろうが大人だろうが、上手くいかなくて当然だろう。

失敗を責められたら二度と成功はしないし、尚更自信を喪失して悪循環にハマるだけだと断言できる。


できるかできないかはさておき、子供自身を信じることがなにより重要だ。

愛は信頼であり、許容である。

愛し、信じ、赦し、受け入れてくれる。

これが子供の人生を豊かにする唯一のタネで、枯らすも咲かすも親次第。


あなたは妻を(夫を)愛していますか?


子育てには熱心な親も自分たちの夫婦関係には無関心である場合が多い。

離婚や別居が悪いことのように捉えられているけれど、愛も思いやりもない家庭で育つより“前へ進む、現状を変える“という選択をしただけ子供の未来は明るいと思う。


子供たちもいずれ「同じ愛を同じように持ち続けることは難しい」と気付く日が来る。

現状に目を背け妥協し諦めている親と、問題に向き合ってより良くしようと努力している親。

どちらの親を見て育っても、子供は自分の親と同じ方法を選ぶだろう。


自分にできないことを子供に求めてはいけない。

子供にそうあってほしいなら、まずは自分がそうであること。


子供にだけ自己肯定感があり、愛や思いやりがある家庭はない。

子育てとはある意味、親の(夫婦の)修行期間なのだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?