noboshin

趣味は千切り。特技は微塵切り。

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最近の記事

経験>身体知>言語化>言語知>伝達効率>課題意識>好奇心

想像力を獲得するプロセスについて考えてみました。 おそらく、最初は半強制的に与えられた経験の機会があって、そこから感覚的な身体知を得るのだ思います。 身体知とは、言語化できていないけど感覚的に「そうだよな」と思えること、と言えるでしょう。 身体知を言語化しようとすると、たくさんの身体知的要素が捨象されつつも、再現性の高まった言語知に落とし込まれるでしょう。 言語知化してやっと他者に効率的に伝達できるようになるでしょう。※「俺の背中を見て覚えろ」ではなくて、言語で説明でき

    • AI、メタバースと学校〜スイカに塩〜

      1.大学の課題1-1.少子化 18歳人口は減少の一途をたどり、大学のような高等教育機関や専門学校の数は微増傾向である。 その結果、一部の難関校を除いて、多くの大学や専門学校においては、学力的にも経済的、家庭環境的にも困難を抱えた学生が多くを占めるようになる傾向は、今以上に強まると予想される。 さらに、経済的、家庭環境的に困難を抱える学生に共通するのは、「経験の貧困」であるため、座学的な学習、抽象的な学習から思考や仮説構築へ結びつけることを苦手とする学生は増加傾向である、と感

      • 34年前の自分を掘り起こした

        ふと思い出して、クローゼットに「思い出」と書いたラベルを貼った段ボールを開けて、中学校の卒業記念文集を引っ張り出しました。特段きっかけがあるわけではないのだけれど、最近ときどき中3の頃の国語の先生から褒められた言葉を思い出すのです。そのお褒めの言葉は、確かこの文集に紐づいていたはずだなぁ…と思って。 引っ張り出した文集には、顔が赤くなるような文章が書いてあったんですけど、なかなか感慨深くもあったので、34年前の自分を掘り起こして深堀りしてみたくなりました。 「かたまってきた

        • 今年、転職しました

          もしかしたら自分の周りだけだったのかもしれないけど、「できません」と答える事務職員が多すぎるので、「できます」が口癖の事務職員になりたくて転職しました。 世の中の雰囲気だけでなく、懇意にしている先生たちの様子を見ていても、側方支援や後方支援を強化すれば、もっと全力で生徒・学生と対峙できる先生はたくさんいると思うので。 学校という施設は、校門で世間とは隔絶されていて、しかも事務局は学校の中でもさらに隔離されている組織なので、悪気がなくても昭和ロマン芳しい職場です。 ドラゴン

        経験>身体知>言語化>言語知>伝達効率>課題意識>好奇心

          映画『そして父になる』は、「家族になる」じゃないっていう点を見落としてはいけないんだな

          ぼくは、生まれてから三日後くらいまで、取り違えられていたらしいし、4歳の頃に母が再婚したので、こういうテーマの映画はいろんな思いがぐちゃぐちゃしちゃう…のはしかたがない。 家族とは、家族であるものとして存在しているのか、家族になるものなのか。そんなテーマがあるように思えるけど、他の是枝作品と同様に、それについて明確な解は用意されていないようだ。どちらともとれるような気がする。 ーーー以下、2023-06-10補足ーーー ここまで昨夜(2023-06-09)書いたけど、いや

          映画『そして父になる』は、「家族になる」じゃないっていう点を見落としてはいけないんだな

          映画『三度目の殺人』

          ググるとたくさんの感想やネタバレ記事、「真相は?」みたいな記事が出てくるけど、たいてい話題に上がっているのが、「二度の殺人は描かれているけど、もう一つの殺人ってなに?」っていう点のようで。 ぼくも、そこは気になった。ので、二回観た。 そして気づいたんだけど、この映画は、「三度目」の殺人の実況中継に終始している。 登場人物を整理。 重盛:主人公、弁護士。父親は元裁判官で、容疑者三隅を30年前に裁いた人。娘との関係がうまく行っていない。 三隅:殺人事件の容疑者。30年前に犯

          映画『三度目の殺人』

          映画『AIR/エア』 スポーツ界のマスタング

          ベン・アフレックとマット・ディモンの共演 『今を生きる』以来、ロビン・ウィリアムスが大好きなので、『グッド・ウィル・ハンティング』を観た。 『グッド・ウィル・ハンティング』で、マット・ディモン演じるウィルに対して「20年経ってお前がここに住んでたら、俺はお前をぶっ殺す。(It ‘d be an insult to us if you’re still here in 20 years. Hangin’ around here is a fucking waste of yo

          映画『AIR/エア』 スポーツ界のマスタング

          映画『ムーンライト』 太陽と月と分人

          人種の問題、貧困の問題、性的マイノリティの問題、ドラッグの問題など、社会問題を凝縮した映画のように見えるけど、そういう視点で見ていたらどうしてもすとんと落ちなかった。 もう一度視聴して、勝手な解釈をしてみる。 好きなアーティストや作品などを自分勝手に解釈して喜んだり勇気づけられたりする権利をファンは有する、と思うので、映画も勝手に解釈して肥やしにしよう。 太陽 太陽の光はすべての存在に色を与えるけど、暗闇からいきなり太陽の光の下に飛び出すと、あまりに強いコントラストによっ

          映画『ムーンライト』 太陽と月と分人

          映画『華麗なるギャツビー』、揺らげば揺り戻すのが世の常人の常

          自由は不自由 君主制の時代、精神疾患を抱える人はほとんどいなかった。みたいな話をどこかで聞いたことがあるようなないような、うろ覚え。 そんな史実についてのエヴィデンスは持っていないけど、でもなんとなく「自由だからこそ精神的に不自由を感じる」という話には、たしかに、と思わさる。 十代の頃、制服のある学校で心底良かったと思う(当時も思っていた)。着る服を選んだり買い揃える必要がないことは、オシャレよりもCDにお金を使いたいぼくにとっては有難い状況だったから。 専門学校で学生

          映画『華麗なるギャツビー』、揺らげば揺り戻すのが世の常人の常

          プロセス

          今日も、読書ついでに散歩した。 勢い余って5kmも歩いてしまった。 読書は、福岡伸一「動的平衡3 チャンスは準備された心にのみ降り立つ」だった。 福岡伸一の書籍はほとんど読んでいるけど、この本は第1章の最初に書かれている序文的な部分がとてもすばらしい。 働き始める前までの若者にとって、「プロセス」とは見方によれば「経験」だと思う。何事も、経験というプロセスを経ているから、学校で学んだことが胸にすとんと落ちる。 逆に言うと、経験が少ない若者は、何を学ぼうとしても暗記で知識の

          プロセス

          クルマが大好きな人が整備士を辞める理由

          整備士を養成する専門学校で教員として働いていたので、よく学生にこんな質問をしたもんです。 次のうち、最も「魅力的ではない」志望動機はどれでしょう? 待遇が良いこと(給料が高い、など) 好きなクルマを扱っていること 地元の企業であること 福利厚生が良いこと(有給が取得しやすい、など) 多くの学生が「1.」とか「4.」を挙げるのは、就職に際してあまりお金のことを言うのはみっともない、とでも思ってのことなのかな。 もちろん、絶対的な正解はないのだけれど、学生には「2.好

          クルマが大好きな人が整備士を辞める理由

          自分クエスト

          はじめての礼拝は、2022年のクリスマスのことであった ぼくは、特定の宗教の信者ではなく、ただ世界の見方がおもしろいので「唯識」のことや「聖書」のことを本で読んだりNHKの「100分de名著」で見聞きしたりしている、節操のない人間だと自分では評価している。 そんなぼくが、昨年末、FBのタイムラインでにふと見かけた という投稿がきっかけとなり、ふらっと礼拝に参加し、それ以来月に2回くらいは礼拝に参加している。 「キリスト教信者でもないあなたが、なんで礼拝に?」と聞かれても

          自分クエスト

          ついでに

          散歩した 心の底から運動が嫌い。 散歩すら、ほとんどしない。 でも今日は散歩をした。 近くの公園を、JBLのENDURANCE PEAK ⅡでCristian JacobとTerje Geweltのデュオで演奏されたアルバムを聞きながら、福岡伸一の『動的平衡2 生命は自由になれるのか』を読みながら、およそ2km歩いた。 でもこの書き方は正確じゃない。「本を読むついでに散歩した」が正解。 近々健康診断を受けるし、少し痩せたいし、お腹きついし、エントロピー溜まってきたし、でも読

          ついでに

          福岡伸一『動的平衡2 生命は自由になれるのか』

          福岡伸一の著作が大好きだ。 動的平衡の話は仏教的でもある。 それは何も、「ゆく川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず」的な諸行無常間を著しているから、という意味だけでなく、「実態がない」という唯識的な世界観を生物学から著しているから。 特にこの「動的平衡2 生命は自由になれるか」の中で展開する話は芸術分野などに対比しながら、世界がどう成り立っているのかるを説明しているようにも読める。 仕事(会社)も動的平衡が成立しているか?が継続するための鍵なのかもしれない、と組織の

          福岡伸一『動的平衡2 生命は自由になれるのか』

          40歳過ぎたらwhatよりhowだな

          キャリア教育的な言い方をすれば、ビジョナリに「何がしたい?」「何ができる?」と自分自身に対しても問いただしたくなるけど、この問はモティベイティブか?と言えば、必ずしもそうは言えないと思うのです。 何をするか?何がしたいか?っていう視点について言えば、「仕事」なんだから、あなたがなんぼあれがしたい、これがしたい、ってビジョナリなこと言ったところで、周りに「それ、してちょうだい」って思う人がいない限り、それは仕事(=収入)にはならない。 例えば、「持続可能な社会を形成するぞ!」と

          40歳過ぎたらwhatよりhowだな

          旧約聖書から社会の合意形成について考えた

          ぼくは、キリスト教信者ではない。 でも、教会の礼拝に参加して、聖書の話を聞くことが好きだ。 なぜキリスト教信者でもない(そもそも自分自身のことを無宗教だと認識している)ぼくが、聖書の話に興味を持つのか?を説明するのに、ちょうどいい話があったので、書き残しておきたいと思う。 旧約聖書創世記第9章18節から27節に、箱舟によって洪水をまぬがれたノアとその子どもたちの話がある。 ここからは、ぼくの意訳。 ノアは、ぶどう酒を飲んで酔い、裸で寝てしまう。 それを見たノアの3人の子の

          旧約聖書から社会の合意形成について考えた